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パリオリンピック開幕直前! バスケ女子日本代表を勝手に紹介するnote [酔狂自己満籠球備忘録#30]

女子バスケファンの凡人が日本代表を勝手に語り、勝手に紹介します。
既存ファンの方にも読んでいただきたいですし、これからファンになる方、オリンピックに向けて予習しておきたいという方、まさに今オリンピック観戦中で検索でヒットしたよ、という方にも読んでいただけたら嬉しいです。
最後まで是非。



はじめに

まずは、今回選ばれた12人を。

2月に行われた最終予選から2人が入れ替わり、宮澤夕貴選手と東藤なな子選手がメンバー入りしました。
初代表はいません。主要大会ごとに新しいメンバーを1人か2人選ぶ傾向にあった恩塚ヘッドコーチとしては堅い選考という印象ですが、意図的に選んでいたわけではない、ということがわかっただけでもあります。

では、さっそく選ばれた12人を勝手に紹介していきます。
背番号順です。

#3 馬瓜 ステファニー

馬瓜姉妹の妹。182センチの25歳。
東京2020大会では3人制代表。以降の3年間は5人制代表の主力メンバーに定着していて、おそらく本大会でもスタメン出場でチームを引っ張る存在になります。
トヨタ自動車で活躍した後スペインに渡り、2シーズン目を迎えます。
WNBAニューヨークリバティのトレーニングキャンプにも2シーズン連続で参加していて、実戦では本職でないポイントガードを務め、ポリバレントな魅力も発揮。
世界の舞台でも引けをとらない身体能力で、真のエースとなれるか。注目の若きオールラウンダーです。
絶えない笑顔がトレードマークですが、バスケに関してはかなりストイックに取り組んでいる印象です。


#8 髙田 真希

今回のメンバーで最も「紹介するまでもない」選手だと思いますが、紹介させてください。
185センチ、34歳、不動のセンターです。
前回大会はキャプテンとしてチームを引っ張り銀メダル獲得に貢献。世界の舞台では決して大きくない身長で相手ビッグマンと対等かそれ以上に渡り合う姿に日本中が熱くなりました。
デンソーアイリスでプレー。昨シーズンは悲願の皇后杯優勝。リーグ戦も2位。
個人ではスリーポイント成功率のタイトルを獲得。2シーズン連続のMVPと、8シーズン連続のベストファイブにも選ばれているまさに日本バスケ界の顔。
センターポジションの選手がスリーポイント成功率のタイトルを獲得したことで注目が集まっています。新シーズンで他のチームがどんな対策を講じてくるか、というところも個人的に注目点です。余談ですが。
コート外での活躍も有名で、バスケグッズや梅酒を売ったり、1on1の大会を開催したり、すみません、あんまり知らないんだけどいろいろやっていますね。


#12 吉田 亜沙美

キャプテンを務めたリオデジャネイロ大会以来2度目のオリンピック。
昨シーズン現役復帰を果たした頼れるレジェンド。
36歳になった今でも巧みなハンドリングや視野の広さは際立っていて、ときどきものすごいパスを繰り出します。
出場時間はそれほど長くないですが、短いプレイタイムのために準備を怠らない姿勢はチームに良い影響をもたらすはずですね。
今回のチームでは、各クォーターの終盤に登場してしめくくる「クローザー」的な新しい役割を果たします。


#13 町田 瑠唯

東京大会で世界の注目を集めた町田選手。
恩塚体制では初めての最終ロスター入り。東京2020以降はコンディションの関係で主要な国際大会には選出されていませんでしたが、オリンピックの大舞台ではしっかり選ばれる信頼感。
前回大会は1試合19アシストで記録を打ち立てました。18でしたっけ?
今大会ではベンチからのスタートになりそうですし、チームの戦術的に、ひとりの選手のアシスト数が突出することはないはずですが、そのパスセンスは間違いなく日本の武器。きっと世界を驚かせてくれるはずです。


#15 本橋 菜子

筆者の贔屓チームである東京羽田ヴィッキーズ所属。
もちろん今回のチームではいちばんの推しです。
新シーズンから2部制になるWリーグで、下位リーグのWフューチャーから唯一の選出となりました。
朝霞市出身の30歳。愛車はシトロエン。愛犬家でもあります。
前ヘッドコーチのトム・ホーバスさんに見出されて2018年に代表に抜擢。
2019年のアジアカップ優勝に貢献しMVP獲得。決勝戦で途中出場ながら後半に神がかり的にシュートを決めまくる姿から「ナコタイム」という言葉が誕生しました。
東京2020大会は前年秋の大怪我から脅威の回復力で代表入り。膝が治りきらない中での出場となりましたが、攻守で持ち味のクレバーなプレーを見せて銀メダルメンバーの一員となりました。
その後の3年間も決して順調ではなかったけれど、高いバスケIQで信頼を勝ち取って2大会連続の代表入りとなりました。
直近の強化試合を見ていてもここ最近ではいちばん調子が良いように思えます。
スタメン出場はないと思うけど、チームが苦しいときにベンチから出てきて、持ち味の判断力でオフェンスでもディフェンスでも一瞬で流れを変えてくれる選手です。
本橋菜子が出てきたら何かが起こります。いちばん見てほしい選手。ぜひお見知り置きを。


#23 山本 麻衣

東京2020大会は3人制の代表として出場。
その後は5人制代表に欠かせない選手として成長を続けています。
身長163センチですが、相手の高さを掻い潜ってシュートを決めるスピードと技術を兼ね備えているし、なによりハートが強くてタフな選手です。
2月の最終予選ではMVP。出場権を獲得した直後のインタビューで金メダルという目標をしっかりと見据えていました。
パリの舞台でもマイヤマモトが世界を驚かせます。


#27 林 咲希

この記事を、新規ファンの方が読んでくださっているとしたら、試合を観るうえで誰に注目したいか知りたいはず。
日本は全員で出場時間をシェアして、みんながシュートを打って決めて勝つ、というスタイルなので絶対的なエースはいませんが、試合序盤で林選手のスリーポイントが決まるかどうか、というところはひとつポイントになるので、そこは気にしていただきたいですね。
そして相手のシューターを封じるディフェンスにも注目です。

2大会連続の代表入り。
恩塚体制になってから怪我で欠場した大会以外ではずっとキャプテンを務めてきました。今大会でもキャプテンとしてチームをまとめます。
東京2020の準々決勝で劇的なシュートを決めて時の人となった選手。
流れやリズムが良くない中でも決めきれる頼もしいスリーポイントシューター。ですがこの3年間で幅を広げてきたいろんなシュートにも注目です。
表情をあんまり変えずに打ち続ける姿がかっこいい。
「走り勝つシューター軍団」を体現するスピードもスタミナも持ち味。


#30 馬瓜 エブリン

馬瓜姉妹姉。ガーナ出身。
ちなみにですが、バスケの国際試合では1枠の帰化選手出場が認められているのですが、馬瓜姉妹は若いうちに日本国籍を取得していますので帰化枠には含まれません。
東京大会で銀メダルを獲得した後、2022-23シーズンのWリーグは全休。かの有名な「人生の夏休み」でした。
2023-24シーズン、デンソーアイリスで復帰。皇后杯優勝、リーグ2位となったチームの躍進に貢献しました。
日本代表にも2月の最終予選で再びメンバー入り。
180センチという、世界の舞台では決して大きくない身長ですが高田選手の控えとしてゴール下で体を張り、攻守で、そして吠えでチームを鼓舞します。
スリーポイントも高確率だし、オフェンスでもディフェンスでもファウルをもらう技術は逸品なので注目してほしい。
まるまる1シーズンの休養で、上手くなって帰ってきました。
休むことの大切さを体現するアスリート。日本ではあまり前例がないですが、そういう選択肢があることを示してくれているロールモデルです。


#32 宮崎 早織

南古谷のスピードスター。2大会連続の選出。
前回大会は出場時間も少なく、銀メダルの歓喜の中で悔しさも味わいました。
そこからの3年間で大きな故障もなく成長を続けて今大会も揺らがないエースガード。
速さと柔らかさを兼ね備えた、唯一無二の誰にも似てない選手で、僕はほんとうに宮崎早織のバスケが好きです。有観客のオリンピックの舞台でも輝いてほしい。
コート外ではいつもケラケラ笑ってますが、そういうキャラクターだからこそ孤独を感じることもきっと多いのだろうと、わからないけどわかるから、いつも応援させてもらっています。


#52 宮澤 夕貴

2大会連続の選出となりましたがしばらく代表からは離れていました。
23-24シーズンは故障もなく絶好調で所属する富士通のリーグ制覇に貢献。代表にも復帰を果たしました。
スリーポイントシュートが得意。独特のシュートフォームがかっこいい。


#75 東藤 なな子

2大会連続の選出。2大会連続でチーム最年少。
最終予選はメンバー外となる悔しさを糧に吹っ切れて覚醒したブランニューなな子。
世界の舞台でもトップクラスのディフェンスマシーンですが、オフェンスでも身体能力を活かせる技術があり得点もとれます。
練習を積んできたスリーポイントにも期待。


#88 赤穂 ひまわり

2大会連続の選出。全ポジションこなせるオールラウンダー。日本の至宝。
東京大会後に行われた2021年のアジアカップで5連覇に貢献しMVPを獲得。スタッツに残らない攻守での活躍が高く評価されました。
そこからの3年間でいろんな経験値を積んでさらに進化を遂げ、ヘアスタイルも格好良くなりました。
最終予選では4番ポジションでしたが今大会は3番ポジションでの出場が多くなりそう。つまり何でもできます。
姉のさくらさんはデンソーでチームメイト、双子の兄は秋田ノーザンハピネッツの赤穂雷太選手、妹さんもデンソーのマネジャーというバスケ一家。
お父さんは松下電器などで活躍した赤穂真さん。現役時代はゴリと呼ばれ、スラムダンク赤木のモデルと言われています。佐古賢一、長谷川誠、高橋マイケルらとともに1995年福岡ユニバーシアードの銀メダル獲得メンバーです。


ヘッドコーチ 恩塚 亨

僕のことを知らない人のためにはじめに断っておきますが僕はアンチではありません。
むしろ恩塚氏に憧れ、敬愛している熱烈な恩塚ファンです。
SNS上でやたらとアンチの多い恩塚氏ですが、もし勘違いしている方がいればこれを読んで見方を変えていただけると嬉しいです。

大学のチームをゼロから立ち上げてインカレ5連覇の常勝軍団をつくり、得意としている映像分析を活かして日本代表には自ら売り込み、アナリストからアシスタントコーチ、そして東京オリンピック後の2021年秋からヘッドコーチへ成り上がりました。
現役時代は無名の選手だったひとが代表チームの指揮官を務めていること自体が日本のスポーツ界では異例のことで、その経歴を知れば大抵の人は応援したくなります。

「夢を与えるチームになりたい」
「なりたい自分になろう」
就任当初のチームづくりはこんなところから入っていて、それまでの常識を覆されたような衝撃がありました。
分析と検証を何度も繰り返して、目標達成のために自分たちの強みを最大限に活かして勝ち筋を見出し、それを選手に落とし込んでいく。
その一連の過程はスポーツの枠を超えて、日々仕事でも参考にさせてもらっています。

自分が変わることを恐れないところにも好感を持っています。
「ワクワクが最強」という持論は、コロナ禍で読書しまくってたどり着いたもの。
人間はワクワクしているときに最高のパフォーマンスを発揮する。
それまでインカレ3連覇を成し遂げた、つまり成功していたはずの高圧的な姿勢を捨てて、真逆のワクワクな指導法で連覇の記録を伸ばしました。

代表チームにおいてもこれまでの戦い方はずっと同じではありません。2022年ワールドカップの惨敗をしっかり受け止めて、そこからもういちど這い上がってきました。
変える勇気を持っているひと。
集大成としてオリンピックに挑みます。
大会後はなんと、千葉ジェッツのヘッドコーチに就任するという噂が、ありません。
どんな結果も受け止めて、変わり続ける恩塚亨の未来をこれからも楽しみたいと思っています。

恩塚メソッド。
もちろん拝読させていただきました。これから何度も繰り返し読むことになるでしょう。


「走り勝つシューター軍団」


明確なスローガンをつくって自分たちの方向性をしっかり内外に示す手法も恩塚さんらしさ。
現地入りしてからの強化試合ではフランスとベルギーに連敗(非公開を除く)。
しっかりと不安要素を払拭して、初戦のアメリカに挑むことができるかどうか。
このチームは当初からパリオリンピックの金メダルを最大の目標にしながら、常にその先にあるものも意識してたたかってこれたから、本番でもブレずにやってくれると信じています。
勝ち負けに関係なく、3年間の集大成を見届けたい。このチームを応援できて良かった、と思えるはずだし、日本のバスケに関わるすべての未来に繋がっていくはずです。



おわりに

さてワタクシはWNBAも3シーズン観てきて、それほど詳しくはないですが世界のバスケ事情についてもいろいろと知識を得てきました。
オーストラリアの Alanna Smith や中国の Li Yueru など各国にも推しがいたりして、日本と同等に注目しているし、日本との対戦をほんとうに楽しみにしています。
詳しくは前記事を参照していただければ。


自分にとっても、恩塚ジャパンを追ってきた3年間の集大成。良いことも、良くないことも、全てをしっかり受け止めたい。
そして次回のオリンピックのときは、もうすこし面白い選手紹介を書けるように、精進してまいります。


今日もありがとうございます。
それでは最後にお聴きください!
嵐『カイト』

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