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FIBA Women’s OQT 2024備忘録 [酔狂自己満籠球備忘録#24]

2月8日 スペインvs日本

立て続けにスリーポイントが決まり、立ち上がりから圧倒できたこと、そして途中自分たちの流れじゃない時間を長くしなかったこと。
このふたつが勝因だと思っています。
恩塚ジャパン史上最高の試合。
対スペイン初勝利だそうですね。

凡人の勝手な持論だけど、「まずはディフェンスから!」とか「ディフェンスからリズムを作る」みたいな考え方が僕は好きではないんです。
得点を止めないことが、バスケットボールの戦術で最優先事項だと思ってる。
シュート決めたあとの方がディフェンスもしやすいじゃん。
最初から最後までアグレッシブに攻め続けるスタイルで進化を遂げた日本バスケが、だから、最高に嬉しかったです。


もし、この試合みたいに序盤からシュートが入らなかったときにどうやって立て直すか、もつれる展開になった場合に完全アウェイの地で最後まで遂行しきれるか。
そんなところに注目した、2試合目のハンガリー戦です。



2月9日 日本vsハンガリー

敗戦。
BSの録画にも失敗してダブルのショックです。

BSでやってくれるということで今回もダゾーンはパスしたのですが、日本以外のチームも観たい想いはあったし、録画も失敗したのでこの機会にコートサイドナンチャラの検討に入りました。

まあどちらにしても録画失敗したやつが多くを語れないのですが。
前日のカナダ戦をハイライトで観た限りでは、ハンガリーは勝てる相手だと思っていました。
日本のスピードは初見では止められないし、ビッグマンをゴール下に入れないディフェンスもできるはずだと。
しかし、やはりこちらは完全アウェー、相手は完全ホームという状況で、凡人の予想に反するというか、予想を超える結果になってしまいましたな。

とりあえずハイライトだけでも観ておきましょう。


さあ、Group of Death と呼ばれたショプロンの4チームは1勝1敗で最終戦。
最後のカナダ戦。去年も一昨年も対戦してるから日本のスピードにはあんまりびっくりしてくれない、この3チームの中では最も難しい相手になると思っています。
当然対策はされているはず。それを上回れる準備ができているかどうか。


2月11日 カナダvs日本

リバウンドの数は、カナダ45、日本23。
よくこれで勝てたなと思う。
リバウンドを制していない日本がゲームを制して、これはもはやあの名言すら覆す不思議な勝利。

カナダのオフェンスリバウンドは17。
必然的にセカンドチャンスポイントもカナダ17に対して日本は6。

どこで上回れたかといえばターンオーバー。
カナダ15に対して日本はわずか4。
疲れてないはずがない3試合目の4ピリでターンオーバーはゼロでした。
ターンオーバーからの得点はカナダ8、日本18。
リバウンドで負けた分をここで取り返せてるんですね。


リバウンドに関しては記者会見でもスポニチの方が質問していてナイスと思いました。
恩塚さんの回答も予想通りのもので、やはり他の部分で強みを活かすことに集中したと。

この3試合で改めて思ったのは、やっぱりシーズン中の国際試合はすごく難しい。
1ヶ月の準備期間でできることは限られる。
リバウンドはもうちょい頑張ってほしかった部分ではあるけれど、短い期間でできないことを克服するよりも、強みを活かすことに特化して準備してきた、その決断と信頼関係が、しっかりと数字にあらわれて、勝利に繋がったかなと思います。



#12 吉田 亜沙美

皇后杯の準々決勝を現地で観戦させていただいて、完全に魅了された。
決して長くないプレータイムのために準備を怠らず、全部を出し切る集中力。
これ、代表もいけるんじゃないか、と思ったら現実になったというか、想像以上の活躍でした。
選ばれなかった選手の背番号をバッシュに書いて試合に臨んでいたそうで。
そういう選手だから、自分が選ばれることに葛藤も感じていたかもしれないけど、それすら乗り越えて役割に徹して、しっかり結果を残す頼もしさ。

#15 本橋 菜子

僅か3分のプレータイムで強烈なインパクト。
いや多少の贔屓目はあるにしても、ナコさんのディフェンスで流れ掴んだのは確かだと思うぜ。

ハンガリーに負けたあとの食事会場で、その試合で出場機会がなかったにもかかわらず、ナコさんが自分ごとのように思いや改善点を伝えてる姿を見て、チームとしてたたかう気運がまったく失われていないし、これだったらきっとやってくれると感じた、という、記者会見で恩塚さんが話していたこのエピソード、めっちゃいいですよねー!!
試合に出られない悔しさがないわけないんだけど、それよりも、仲間と一緒にたたかえることや、バスケができる喜びを感じてパワーにできる、ナコさんはそういう選手。

正直、今回はメンバーに選ばれるのは難しいと思ってました。
星選手の代役ということも、もしかしたらだけど、やっぱりナコさんはすごい選手だってあの3分間で思えたし、これは本大会でもメンバーに入ってほしいと期待してしまいます。

#23 山本 麻衣

MVP。2番ポジションで本領発揮。
オリンピック出場を決めた直後のインタビューで「金メダル」って言葉が出てきて驚いたけど、嬉しかったです。
可能性を信じて応援したい。
そして海外にも挑戦してほしいな。

#27 林 咲希

カナダ戦でカールトン選手に魅了されて、今シーズンからミネソタリンクス推しになろうかと思うくらい完全にファンです。
でも思い返してみると林さんが出てる時はカールトンが目立ってなかった気がするんですよ。
しっかり抑えてたってことですね。改めて検証してみます。
スペイン戦の立ち上がりから、スリーポイントを連発で決められる勝負強さ。
ドライブも炸裂して、スリーポイントだけじゃないプレーの幅の広さも見せてくれましたね。
いつもひとつひとつ言葉を選んで丁寧に喋るとこ好きです。キャプテン頼もしい。

#30 馬瓜 エブリン

ほんとにエブリンがいてくれて良かった。
1年間の休養でむしろ進化。
ファウルをもらう技術は世界の舞台でもトップクラスでした。
カナダ戦の印象は「いつもそこにいたエブリン」。
エブリン自身も勝負どころでバシバシ決めたし、大事な局面での得点シーンを振り返ってみると、エブリンが体張って獲ったリバウンドが起点になってたり、そういうことが多々ありました。

吉田亜沙美さんとエブリンが立役者。
去年は選手ですらなかったふたりをメンバーに選んだ恩塚さんの勇気ある決断にも賛辞。

#32 宮崎 早織

いつも言ってるけど宮崎早織のバスケがほんとに好きだし語りたい。
永遠に語り継がれるハンガリー戦のエアボール。
いろいろあったけど文句なしのベストファイブ。世界舞台で圧巻のスピード。経験を活かしてどんどん進化してます。
南古谷が生んだ世界のスピードスター。
正真正銘の正ポイントガードとしてオリンピックに挑んでほしい。競争はあると思うけど、さらなる成長を楽しみにしています。

恩塚 亨


試合後は感情を爆発させて、インタビューも言葉少なかった恩塚さんの姿は、予想していたものとだいぶ違いました。
誰がヘッドコーチで誰を選んだとしても、突破するのは相当難しい組み合わせ。
目標はあくまで金メダルだけどここが最大の難関。
重圧は想像を絶するものだったはず。

誰がなんと言おうと僕は恩さんを応援したいし、心から尊敬しているし、自分もこういうひとになりたいと思っています。

少なくともオリンピックまでは応援し続けられることが決まってほんとうに嬉しい。
時間が経てば、また旧ツイッターのアンチ勢が湧いてくることはわかってる。
僕自身もこのOQTを乗り越えたから、いちいち心を乱されることはもうありませんぜ。

実質的にヘッドコーチになって初めて指揮をとった2021アジアカップで優勝。
翌年のワールドカップは惨敗。
その時は頑なにツーガードにしなかったけど、今回はさらにサイズを下げて、ツーガード(という表現が正しいかわからないけど)の布陣を強みに変えて、勝ち取りました。

惨敗としっかり向き合って、乗り越えてきた。
変えることを恐れないひと。
莫大な時間を費やして分析して、検証して、そこに説得力と信頼がある。選手の意見もしっかり採り入れながら、勝つために最善を選ぶ。
そしてワクワクをいつも忘れない。



パリオリンピックに向けて

10人でローテーションするなら、残り2人の起用法次第でさらなる可能性を秘めてる、と考えることもできますね。
高さを凌駕できなかったハンガリー戦。その高さを封じることができる選手を最後の1枠に入れておくことができたら、と考えたりもします。
佐々木クリスさんっぽい言い方をすれば、オールラウンドに活躍する「総合職」ではなく、ビッグマン対策だけの「専門職」。

そもそも、そんな選手は今の日本にいないよなっていうとこで話は終わっちゃうんだけど、長期的なビジョンで取り組んでほしい課題ではあります。
帰化枠に頼る手があるにしても、そのためには「日本でプレーしたい!」って思ってもらえるように外国籍枠を拡大したりとか、個人的には大賛成ですし是非検討していただきたいです。

3試合で終わるOQTと違って、本大会で金メダル目指すなら6試合をたたかい抜かないといけないので、万が一の故障に備えたバックアップ要因を入れておくのが無難ですね、という結論でこの話は終わります。
そしてシーズン中に行われた予選と違って数ヶ月の準備期間があるので、当たり負けしない体づくりみたいなところから始められるはずなので、高さへのアジャストは今回以上にできるはずだと期待はしています。


2021年、東京オリンピックに向けた強化合宿メンバーが発表されたのは4月2日のことでした。
最初は28人。
ここから12人に絞りこまれていきました。
そうそう、アイメレク選手もいたんですね。

オリンピックイヤーになると予算も拡大するから、今回もおそらくこのくらいの人数からスタートすることになります。
ここからがまた競争。どんどん競争してほしい。
選ばれる者と選ばれない者がいるのは必然。それがスポーツ。
全ての選手に、日本の女子バスケに、ワクワクが溢れることを願っています。

59番のユニフォームの奥に、今回選ばれずに悔しい思いをした、すべての選手が見えたよ。


今日もありがとうございました!
それでは最後にお聴きください!

Joe Dassin 『Les Champs-Élysées』
好きな曲です。

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