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【I'LL】アイルという、私にとってのすべて
今、震える手で日記を書いています。
小学生の頃『I'LL-アイル-』という少年漫画に出会い、あれから15年が経ちました。これまで他の漫画家先生や漫画作品にハマるご縁はなく、本当にただ、I'LLが好きで、浅田先生の描く絵が心から好きで、作品を買っては部屋で1人眺め、それだけで本当に幸せで満足していました。去年の春に上京し、コロナ禍で楽しみも少ない中、今回先生の画業35年の記念展が、それもI'LL を中心にして開催されると知った時には、もう部屋で1人で枕をボスボス叩き、ベッドで一回転しながら大喜びしました。ソワソワしながら「あぁー、待ちわびるってこういうことかぁ」と、楽しみだった時間も込みで、この個展開催期間中、とても幸せな時間を過ごさせていただいています。
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小学生の頃、初めてI'LLという漫画に出会いました。すでに連載は終わっていましたが、14冊をだいじに集めました。人生で一番大切な漫画です。上京する時に、必要最低限の荷物の中にI'LLだけ忍ばせました。茜達がいるから、強くいられています。ありがとう。@asadercover @PEZ_info @space_caiman pic.twitter.com/yXYXhg5JWn
— meme (@meme_note_) March 5, 2022
個人的な話にはなりますが、展示会やファンフェスタ等に行ったことはなく、これが私にとって、人生で初めて"原画"というものを直接見る機会となりました。その興奮と感想と、改めてI'LLという作品の素晴らしさについて、思いの丈をそのままに、日記に残しておこうと思います。
他のお客さんは常連さんがとても多いようなので、たまたまこの日記に辿り着いて読んでくださるありがたい方などがいらっしゃいましたら、どうか、ほんと新参者の戯言と思ってあたたかい眼差しで読んでいただけたら嬉しく思います。
そして、このご時世、原画展に直接来ることのできないI'LLを愛す全ての方へ、少しでも現場の臨場感と浅田弘幸先生の描く世界を共有できましたら幸いです。
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私が初めてI'LLを手に取ったのは2006年、夏。
月刊少年ジャンプでの連載は1996年から2004年までだったので、すでに単行本になった形でI'LLと出会いました。月ジャン特有の「早く来月が来ないかな〜と続きを待ち侘びる」こともなく、14巻を一気読みしてしまったあの夏の過剰摂取感と言ったら半端なもんじゃありませんでした。小学生にとってはいい意味で毒が強すぎました。ドえらいものに出会ってしまった…という鮮烈な震えを、今でも忘れることができません。
それ以来、I'LLはまさに私の人生の教科書的な、なんていうかもう大事なことは全てここから学んだわ的な、むしろ人格形成においての最重要参考図書的な 、ほんとずっと、人生を共に伴走してくれるマンガとなりました。
私のもがき苦しみくすぶっていた10代に、ページをめくるたびにいつだって笑いをくれ、読み進めるうちに勇気をくれ、パタンと閉じた時には熱くなる鼓動の音を感じさせてくれた、最強の14冊。目に見えない絆・何かに打ち込む姿勢・けど打ち込めない時もあって当然だってこと・自暴自棄になった時のどうしようもない感情だってエンジンになるんだっていう肯定・そんで結局は、熱くなるってカッコいいんだぜっていう感覚。そういう言葉では言い表すには最適解がなかなか見つからない一つ一つの大切さを、丁寧に可視化したような、I'LLってそんな作品なのです。
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3月5日(土)
待ちに待った日がやってきました。
神田駅から5分程歩き、space caimanに辿り着くと、中に入らなくともそこにはあの、I'LLの世界がありました。「漫画」という紙媒体の中だけの世界だと思っていたI'LLが急に目の前に現れ、しばらく立ち尽くしてしまいました。この中に、さらにあのI'LLの世界が広がってるんだ…って思うとドキドキして、あんなに楽しみにしていたのになかなか入ることができませんでした。
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入口のポスターだけでもう心が充足されて、これ以上ここに居たら満ち足りすぎて抱えられないかもって、一瞬帰ろうかとすら思ってしまいました。
意を決して中に入ると、なんていうかすぐにもう、私の心は国府津の海にいました。
I'LLというマンガを知らない方へ説明すると、このマンガはどこにでもある田舎のバスケ部が舞台になるのですが、この「どこにでもある田舎」が神奈川県国府津市である必然と言ったらないくらい、読者は「まるで自分も国府津で10代を過ごしたのではないか」という錯覚に陥るほど特異的なものなのです。
この、登場人物ひいては全人類を包み込んでくれるような国府津の海、湘南バイパスの真下にある階段、国府津駅前国道1号線沿いの坂。実際にある場所を浅田先生が自ら歩き、一コマ一コマ本当に忠実に描かれているからこそ、行ったこともない国府津という街が、何十回何百回と繰り返し読んだI'LLという物語と共に、いつからか自分の故郷のように思えてくるのです。
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I'LLを初めて読んだのは、先に高校生になったお姉ちゃんの部屋でした。友達に借りてきたというそのマンガを、お姉ちゃんよりも先に熟読しました。お姉ちゃんの友達、勝手に借りてごめんなさい。今更だけれど、本当にありがとう。
そろそろ友達に返すからと言われた時、どうしてもこのマンガだけは手元に置いておきたいと強く思い、自分のお小遣いで集めることにしました。田舎の書店にはなかなか置いておらず苦労しました。古本屋さんを何軒か回りながら、一生懸命集めたのを覚えています。
お姉ちゃんから「何回目?」と言われるくらい、何度も何度も読みました。I'LLのスゴいところは、何回読んでも面白い!何回読もうがグッとくる。むしろ読めば読むほどに味わい深い。そんなマンガを描ける浅田先生マジすごい。
そして、ど素人の絵のことなんて全く分かっていない小娘の私が言うのは本当に大変おこがましいのですが、それを承知の上で言うと、1巻から14巻にかけて、とてつもなくグングン絵が上手くなっていく。線がきれいになっていく。背景までもが細かくなっていく。
例えば体育館。シュートをキメる柊の背景っていうほんの一コマの端の端なんだけど、この体育館のスースー風入ってくるあそこまで、マジで再現性高く丁寧に描かれているの。見れば見るほど写真みたい。
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絵を描くために使う道具なんて全然知らないんだけど、マジック?とか鉛筆とか修正ペン?的な白いやつで光と影を何度も何度も塗り直されているのが分かる。原画ってマジすげぇえええええ!!!!
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ってな感じに、あの美しいヒカリはこうやって描かれていたのかと、大変興奮したのでした。
なんかもう、浅田先生の描く絵が単純に私の性癖に突き刺さるんでしょう。I'LL以前の絵も、I'LL以降の絵も、肝の部分は絶対に変わらないのだけれど、浅田先生のギャグセンスと愛とロックな魂でもって更に進化を遂げていくかんじ。
それから、一瞬しか出てこないようなクソ脇役にも必ず命が吹き込まれている。浅田先生の、描く人物には愛を注いでしまう人情みが溢れ出ています。
もはやカレー部部長や伊藤くんなんて主要キャラのような気さえしてきてしまう。こんな展示を生で見てしまったら、あぁ、浅田先生って単純にマンガ描くことが楽しいんろうなぁって、愛おしくなるまである。
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どこまでも上手く細かく丁寧になっていく先生の絵を見ていると、好きこそものの上手なれとか、石の上にも三年とか、そういうのって本当なんだなぁって実感します。展示を見ているだけで、作品からだけでも一人の漫画家先生の人生を見ているような気持ちになる。
そして、ことわざと言えばコレ。
浅田弘幸先生の35周年記念展へ。
— meme (@meme_note_) March 5, 2022
ご子息の自由研究が素晴らしすぎて、感銘を受けました。#のうあるたかははち
…かわいすぎか。才能に乾杯🍻 pic.twitter.com/r8h0vg1EFn
今回のサブ目玉とも言えよう可愛らしい作品です。
可愛らしいとか言うのはおこがましいくらい、発想が天才的で、イオリ君ファンでもある私は、喜んでハチくんハンカチを購入させていただきました。ありがとう。
余談ですが、確かイオリくん10才のお誕生日に浅田パパがTwitterに載せていたこのお写真、ずっと私のお気に入りの中に入れさせていただいているのですが、これだけで浅田先生の血を受け継いでいるんだなってことが沸々と分かるステキな一枚です。
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そして、今回の公式からの文章。
浅田弘幸先生の画業35周年に際し、17才の頃に描いた作品、デビュー作など初期漫画作から『BADだねヨシオくん!』『眠兎』『蓮華』『I’ll ーアイルー』『テガミバチ』(すべて集英社)等漫画代表作、近年のイラスト、デザインの仕事まで、軌跡を辿るように物語と向き合い続けた旅を原画原稿を見て一緒に巡っていただきたい、そして、先生に影響を与え続け、創作の中で寄り添い続けている中原中也の詩を新たな表現で絵本にする新作『月夜の浜辺』に期待を募らせていただけましたらと思います。10才の少年が鉛筆片手に漫画家を夢見ていたあの頃。変わらぬ想いにぜひ出会ってください。
浅田先生にもイオリくんにも10才の頃があり、もちろん茜や柊達にも10才の頃があり、私達読者にも10才の頃があり。それぞれの10代が始まるんですよね。あぁ、感慨深い。ふぅうううう。(錯乱)
そんな私の原画展デビューは、こうして幕を開けたのです。(I'LL作中の話し手、菫ちゃん風に)
それからもう一つ。原画展に行く時のお作法とか服装とかが分からず、(ただ行けばいいんだよと言われそうですが)ずっと芳川菫になりたいガールだった私は、茜達に会いにいく正装として、第一話の菫ちゃん風コーデを選ぶことにしました。
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I'LL Crazy KOUZU Fan Clubの中で、各登場人物の服装の好みまでもを丁寧に記していた浅田先生のキャラクターへの敬愛を真似して。
3月6日(日)
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朝起きてみると、白の帽子大きめダッフルコート着てルンルンで撮影した写真を添えた昨日の投稿を、浅田先生がいいねしてくれていて飛び上がりました。それからなんと、今日の夕方浅田先生がご在廊になるとの嬉しいお知らせが。もちろん、2日続けて足を運びます。
神田駅に着いた時、昨日とはまた違った緊張感に、少し眩暈がしました。この扉の向こう側に浅田先生がいるんだと思うと、足がすくんで回れ右。とりあえず気持ちを落ち着かせる為にDOUTORに逃げ込みました。(アホ)
隣に座っているお客さんがI'LLの話をしていて、こうして何年経っても多くの人に愛されている作品であることにほっこりしながら、コーヒーを飲みました。その方が持っていた整理券を見て、整理券入場になっているのだということを知り、整理券をもらいに意を決してspace caimanへ。
深呼吸して扉を開けると、なんとたまたま人のいない時間帯に、浅田先生ご本人が出迎えてくださいました。「意を決して」とか言っていたくせに、心の準備なんか全然できてなくて、マンガのそでの部分でお写真を拝見していたご本人が目の前にいる状況に、口がマスクの下でぱくぱくしていました。
「こんにちは〜。見てってくださいね」と優しくお声がけいただいたのに、私はずっとぱくぱくしていて、先生をちょっと「?」って顔にさせてしまったような気がします。
いざ中へ入ると、展示はたった1日で昨日と変わっている部分もあり、毎日くるべき場所だ…と思わずにはいられませんでした。
満足いくまで1枚1枚原画に想いを馳せた後、サインの列に並びます。うわぁああサインなんておこがましいなぁと思いながらも、本日の正装テーマはちゃんと『THE浅田先生に会いに行くコーデ』。
浅田先生の色々なインタビュー記事を拝見すると、昔も今もとてもオシャレで、黒を基調とした革ジャンがよく似合います。そんな浅田先生に、少しでもステキ!って思ってもらえそうな(おこがましさに磨きがかかる)服装を選びました。
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「浅田弘幸先生アイシー50周年お祝いメッセージ原稿作画」というライブドローイングの様子を何度も何度も見て、ため息が出るほど美しい先生のペンの走らせ方に感嘆し、サインをいただける有り難みはもちろんのこと、ペンを走らせる様子を間近で拝見できることにも心から嬉しく思いました。
しかも、サインともなれば、その一瞬は私のためだけに描いてくださっているわけであって、なんていうかもう、息が苦しくなる思いで見つめていました。
しかも茜のイラスト付き。to名前の隣にはハート付き。至福すぎるのですが。
面と向かって何にも言えなくなるであろう予想はついていたので、ラブレターをお渡しし、感謝を伝えて帰ろうとした私に「初めてだよね?」と聞いてくださる優しい先生。あぁ、こうやってファン一人一人を大切にしているんだなぁって伝わりました。初めてくる人だなんて、分かるんだ。「小学生の時に初めてI'LLを読んだ私が、もうこんなに大きくなりました」と、そうお伝えすると「まだまだ全然これからだよ」って。
そうだよなぁ。まだまだこれから。
「そろそろ落ち着こう」とか余計な制御せずに、今を楽しんで生きていようって、そう思いました。
帰り道、サインを抱きしめて東京駅まで爆走しました。嬉しくて涙が出てきた。心臓バクバクだった緊張の糸がほどけたのと幸せな気持ちが相まって、普通に大泣きしました。
そんな私を、東京のヒカリが優しく包み込んでくれるようで、安心しました。
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誕生日おめでとう自分ってことで、お父さんとお母さんに「生まれてきてサイコー」ってLINEした。夢は、全力で伸ばした手の指先の1ミリ先にあるらしい。
— meme (@meme_note_) May 8, 2021
今年もがんばっぺ! pic.twitter.com/GMR1LKE4Xw
東京駅は、上京した時からずっと、何かあるたびにここへ来た時のことを必ず思い起こさせてくれる大切な場所なのです。
描いてもらった私だけの茜と此処に来れて、心から幸せ!
3月12日(土)
展示がいつ行っても少しずつ変わっているのは、浅田先生の「わかるかな〜」的なあそびごころも含まれているような気がして、なんだか楽しくなります。
この日最も長く見つめていたのはこの一枚。
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菫ちゃん…かわいいいいい。
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こんなにも愛おしい絵が何枚もあっていいのでしょうか。心の許容量いっぱいでこぼれ落ちてしまう。
そして今日の正装は、茜に会いに行くコーデ。茜の隣に一番似合う女の子は菫ちゃんなんだけどね。
菫ちゃんになりたくてずっとショートだった学生時代。今は私も、髪の毛が伸びました。
国府津の海沿いを茜と歩けたなら。
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そんな妄想を楽しみながら、原画に浸っていると、なんと浅田先生がお仕事をしに告知なしでご在廊。びっくりびっくり!
アクリルアートにサインを入れに来たようです。
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「これ乾くかなぁ?」とか言いながら、ひとつひとつにサインしている浅田先生。その周りには近寄り過ぎず離れ過ぎず愛おしそうに見守るファンの方々。なんだこの光景。素敵が溢れていました。
しかも遠巻きで眺めていた私に「私は何度もお会いしたことがあるから、近くで見てください」と場所を開けてくださるお優しい方まで。どれだけ愛に溢れてんだとクラクラしました。
幸せまみれの私です。
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3月13日(日)
昨夜は、仕事場にアサヒ片手に持ってきた浅田先生の真似して、アサヒ買って帰りました。
浅田先生のおかげで人生が楽しい。
— meme (@meme_note_) March 13, 2022
#浅田弘幸画業35周年記念展#少年の歌@asadercover @space_caiman
結局1st中4回も画廊に行ってしまった。
先生の真似してアサヒ。
飲みながら、感想書きます。
見てほしい、この線。 pic.twitter.com/HrK9gmh190
そして結局本日も、足の向かう先はspace caiman.
何度でも行きたくなる魔法です。
しかもいつだって、あぁやっぱり来てよかったと思うのです。なんと今日は、昨日の菫ちゃんの絵の完成形が展示されていました。
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目を見張るほどにきれい。
そして、浅田先生が描く女の子が可愛すぎる件について。じっくり細部まで1枚を堪能できるから、原画展って素敵です。
星のカラフルビーズのブレスレットは、菫が自分で作ったんだろうか。おっぱいが素敵過ぎて直視しがたいけどしちゃう。ちなみにパンツははいてるの?artって、芸術って、最高だね!
もうすぐ終わってしまうI'LL中心の前半戦を、惜しむように楽しみました。
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I'LLには、だいじな場面こそ、セリフのない絵が多い。だけど、それぞれの表情、目線、汗、そういう丁寧な描写から、空気の動きや息づかいを感じるのです。絵から音が聞こえてくるよう。
そしてセリフの少なさには、登場人物たちの不器用さも含まれていて。最初の頃は「言葉にしたって伝わらない」からこそ言葉足らずで、暴力という形で当たってしまっていた2人がだんだんと「言葉にしなくても伝わる」ところまで関係性が深まり、さらにはいつからか「以前までの彼らなら言わなかったような言葉」をここぞというときに発するようになる。だからここぞというときの一発が、とてつもなく響く。
見れば見る程、ここのコマにはこの言葉だけで十分だというひとことが書かれていて、その言葉選びひとつとってもその言葉だけで十分になり得る絵の的確さがあって、その一つ一つがすべて、I'LLが素晴らしいマンガである所以でした。原画を見ながら、何度「すごい…」と声を漏らしたことか。
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大好きなI'LLの展示も、もうすぐで終わりです。
今日は、柊に会いに行くコーデ。
一緒に転がる天使達のライブを観に行きたい。
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3月14日(月)
昨日で最後と思いながらじっくりと見たI'LLも、結局最終日だと思うと行かない選択肢はありませんでした。爆速で仕事終わらせて、開催期間中5回目の神田へ。最終日の正装は、峰藤先生と鍋食べるコーデでです(適当)。もう、春がやってきていました。
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なんていうかほんと、くすぶっていた10代の頃の自分を、クシャクシャに抱きしめてやりたくなりました。
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いつかこんな素敵な場所に来ることができるよって。
10代の頃によく聴いていた曲にBUMP OF CHICKENの「才能人応援歌」ってのがあるんですけど、藤原基央さんが書いている歌詞にこんな一節があります。
得意な事があった事 今じゃもう忘れてるのは
それを自分より 得意な誰かが居たから
ずっと前から解ってた 自分のための世界じゃない
問題無いでしょう 一人くらい 寝てたって
生活は平凡です 平凡でも困難です
星の隅で 継続中です
声援なんて皆無です 脚光なんて尚更です
期待されるような命じゃない
これってまさにI'LLでいうところの1巻#1WILD DIAMONDの茜と柊だと思うんです。っていうか、茜と柊に限らずとも10代の頃に多くの人が経験する感覚っていうか。特技って何?って聞かれて、幼い頃なんか容易に「サッカー!」とか「ピアノ!」とか言えてたのに、それがだんだんといろんな人に出会い、いろんな経験を重ねる中で、良くも悪くも「でも自分より上手いヤツなんてごまんといるんだよな」ってことに気付いてしまうあの感じ。それなのに特技って言えんの?って、なんかモヤってしまうあの感じ。
それでなんとなく、熱くなることをセーブしちゃう自分が出てくる。頑張ったって一番にはなれないことなんて目に見えてる、生まれつきの才能とか育ってきた環境とか、自分自身の努力なんかじゃ絶対に越えられない壁がある、だったらなんでこんなに頑張ってんだろ?なんでこんな熱くなってんだよ!?アホらし。ツーンって。冷めてるほうがかっけぇ路線を突っ走ってしまう。熱くなれる何かに没頭してるヤツを心の奥の奥ではクソ羨ましがりながら。
何かに一生懸命になることを「アホくさ」って思っちゃうのも、それなのにほんの少しのきっかけで命かけられるくらい本気になれちゃうのも、大真面目にバカできるのも、誰かを、何かを、信じ抜けるのも信じられないのも信じたいのも、全部10代なりの精一杯の生き様というか、人が人になってく過程で必要なスパイスというか、ぶち当たったりへこんだり泥まみれになったりもがいたり、でもその途中でたまに道端の花とか見つけたり、そういう気にしなければ通り過ぎちゃうような大切さの積み重ねを忠実に汲み取って描かれているのが、このI'LLっていうマンガだなって、改めて、そう思いました。
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走る前に死ぬだろう
走る前に死ぬだろうって、意味わかんない。
意味わかんないことに意味求めなくたって、ただ感覚としてなんかいいなって性癖に突き刺さるものをこれからも愛していたいな。
大人になればなるほど、「何熱くなっちゃってんの?」も「冷静に考えればさ」も「無駄じゃない?」も「それって意味あるの?」も、本当よく聞く言葉になるけどさ。「青くさすぎて火傷するんだけど」みたいなI'LLのレビューも見たことあるし。笑
でも、こういう心の火傷って、子供たちにとってはやっぱり必要なんじゃないかな。
いつの日か自分に子どもができたりなんかしたら、やっぱりI'LLを手にとってくれる日を待ち遠しく思ったりするんだと思う。そして茜達のような友達に恵まれてくれたなら、もっともっと嬉しい。
10代の頃によく聴いていた曲 のもうひとつに、Mr.Childrenの『HERO』があるのだけれど、この曲の歌詞に "人生をフルコースで深く味わうための幾つものスパイスが誰もに用意されていて 時には苦かったり渋く思うこともあるだろう" というところがあって、これがまさにこれまでツラツラ語っていたことの全てなんで桜井和寿(敬称略)マジ天才かと頭を抱えた大好きな歌詞なんですけど、私の人生の中で「I'LLを読んだ」という体験そのものが、人生をフルコースで深く味わうために必要なスパイスでした。
もっと書きたいこと沢山。
茜と柊と菫ちゃんの名前しか出せてないけど、本当はもっともっと語りたいことが溢れています。
公式ファンブックを初めて読んだ時、感動したんです。個人個人のスニーカーまでも、実物モデルをキャラに合わせて丁寧に選んで採用し、忠実に描かれていること。国府津高側だけじゃなく、葉山崎チームのメンバー一人一人の誕生日だとか血液型だとかまで想定されて細かくキャラ設定されていること。
感服するしかないですね。
ミスチル30周年。浅田先生画業35周年。
ミスチルより長いってすごくない?
けど、これからもずっと、浅田先生のご活躍を見続けていたい所存です。
素敵すぎる個展開催を、心からありがとうございます。
ちなみにspace caimanという場所自体の創りが素敵過ぎて何枚も写真を撮らせていただきました。センスの塊すぎ。この階段の感じも、秘密基地に向かっていくようなワクワク感をいつも思い出させてくれるから天才です。いつかの私のお部屋もこんな素敵な空間にしたいものです。
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その一歩に、今回は、少年の歌の複製原画を購入させていただきました。いつか、本物の原画を易々と購入できる余裕のある大人になることを夢見て、日々を頑張りたいと思います。笑
会期
2022年3月4日(金)~4月4日(月)
※変更となる場合がございます
1期:3月4日(金)~3月14日(月)
2期:3月18日(金)~4月4日(月)
休業日
祝日を除く火/水/木
営業時間
12:00〜20:00(最終入場19:45)
入場料
通常入場料:500円(ステッカー付き)
特典つき入場料:1000円 特典/オリジナル手製本ノート(個々に用紙や色の組み合わせの異なるミシン製本のノート)
GINZA SIXの出張版も、テガミバチの後半戦も、開催期間中は悔いなく見尽くしたいと思います。
仕事終わりエルレ聴きながらGINZA SIXまで全速力で走って嬉しくて生きてるって感じた。(銀座の街ではマジヤメロって柊に一蹴されそう)
— meme (@meme_note_) March 16, 2022
雨の日には濡れて 晴れた日には乾いて⁰寒い日には震えてるのは当たり前だろ⁰次の日には忘れて風の日には飛ぼうとしてみるそんなもんさ#浅田弘幸画業35周年記念展 pic.twitter.com/CMadIspdXS
つまりは、こういうこと。
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アチョー!!!
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