のえげんの君だけに。ひたすらに愛を述べる。
最近Travis Japanにハマりまして
WODの映像を観ましたら、見事にずるずるっと引きずりこまれた突然のアイドル。
揃ったダンス、高い技術、全身を使った表現力、そして何よりも、ご本人たちがとても楽しそう!良いですね、青春です。素敵。
そして、デビューライブの円盤を観ました。
ええ、観ました。のえげんの「君だけに」。
すごい作品を観てしまった。まるで一本の映画を観たような、物語を観たような、そんな感じでした。
この思いをどうしてもどこかに書きたい!余すことなく書き連ねたい!
もともと、舞台鑑賞が好きで、それはミュージカル、ストプレ、バレエ、一人劇、何でも観ています。そして、演出や表現を観るのがとっても好きなんですよね。
舞台美術
まず、ちょっと舞台の構成を。
月明かりの下、のえるさんと元太くんが白い衣装でいらっしゃいます。
ステージには白い羽が敷き詰められていて、その後ろ側に人一人分くらいの高さの舞台装置があります。その舞台装置の側面?客席から見て正面の段差の部分ですね、そちらにスクリーンがあって、ステージには月が映ったスクリーンもあり、とても素敵に演出に使われています。
とても美しい物語
歌いだしは二人ともステージの中央にいます。
指パッチンで歌い始め、お互い向かい合います。元太くんの真っすぐな歌声と、のえるさんの柔らかい歌声のハモリがとても綺麗。
♪only you~♪のところで、のえるさんが元太くんの手を取るのですが、この時衣装の袖が写るんですね。
これが、外国のちっさいコの聖歌隊みたいな衣装でとても可愛い!
そのあとはのえるさんの華麗なターンとともに二人は離れ離れに。
白い羽と一緒に舞うのえるさんを見ながら、舞台装置に上がっていく元太くんが出だしのサビを歌います。
いや!もうね!この時ののえるさんのコンテンポラリーダンスの儚い感じと、元太くんの切ない眼差しに胸が苦しくなる…
Aメロはのえるさんのターン。とてもエモーショナルな歌声です。この時、お二人はステージと舞台装置の上、と違う場所で踊っています。コンテかな。
ここで、前述した二つのスクリーンに、元太くんのダンスに合わせて、足元では水面が動き、バックのスクリーンでは水しぶきがあがるんですよね。美しい…
のえるさんのいるステージでは羽が舞っていて、元太くんは舞台装置のところで水しぶきを上げているんです。
なんか、空と大地みたいだな、と。しかも、実際とは逆で、空が下にあり、大地が上(舞台装置上)になっているんですね。
これは演出上の都合かと思いますが、(ステージでは水面の動きは写せないので)このちぐはぐな感じがなんとも幻想的な雰囲気を更に強くしているように見えます。
そして、これも構成上のアレンジだとは思うのですが、原曲の♪君を見つめると~(略)~愛しているんだ♪ の部分がカットされているんですよね。
「愛している」というこのコトバが無くなったことで、より幻想さが際立っていると思うんです。
「愛している」という相手に投げかける想いがないことで、舞っているお二人が、一つの個体としてだけでなく、精神とか、感情とか、そういった存在にも見えてくるんです。
♪my sweet heart♪ のフレーズの前で、二人は一瞬向かい合い、のえるさんは空中ターン、元太くんはターンをします。(カメラが切り替わってしまっているので、もしかしたら元太くんも空中ターンかも)
空と大地。
ほんとにのえるさんは重力はどこに?と思えるほどに飛びますね。
ここで映像が引きになって、段差が違うところにいるお二人の揃ったダンスが見られます。
この時の元太くんの動きに合わせた水しぶきや水面が切ないほどに美しい。
そしてのえるさんが守ってあげたくなる危うさ。
元太くんが下りてきて、羽の舞うステージで二人はまた出会います。
♪愛をみちびいていく♪ でお互いのシャツのボタンをはずしあい(!?)そのまま上手と下手に別れる二人。
大サビで綺麗なハーモニーを響かせながら、二人は大地のステージに上がります。
下のステージから白い羽が舞い上がり、月が二人に近づいてきます。
そして♪my heart♪ とフェイクしながら二人は手をとり、二人の指パッチンのシルエットが映し出されて終わります。
ここ!最初と同じようにのえるさんが元太くんの手を取るのですが、その手を背後から自分の胸に引き寄せるようにするんですね。元太くんはそのままのえるさんを包み込むような形になるわけです。
このときののえるさん、笑顔なんですよ!!!泣泣泣!!
同じ大地の上で、また一緒になれたんです。
素晴らしい!もう!本当に、この作品を讃えるのに、必要な語彙がないのが悲しい!
のえるさんの重力を感じさせない軽いダンスと消えてしまいそうな儚さ。
元太くんの真っ直ぐで芯の強い歌声と穢れのない潔癖なダンス。
私は他のトラジャのダンスを見ていた時、のえるさんはとても美しいダンスで、元太くんはセクシーだなという印象が強かったんです。
美しいものってとても強いものか、脆いものかに分かれると思うんですが、どちらかというと強いダンスのイメージだったんですね、のえるさん。強いとは違うのかな…凛とした強さというか。
でもこの作品では脆い美しさがあった。
それに対となって、元太くんのダンスは穢れがない、どこか強さがあるようなダンス。セクシーでもあるんだけど、もっと潔癖な感じ。
表現力ってすごいなぁと…。
この原曲は、そんなに良く知っているわけではなくて、ラブソングというイメージしかなかったんです。
でも、今回の作品を観て、愛すべき人を探す歌だけではないのではないかと思いました。
それこそ、お二人が精神とか感情とか、もちろん二つの個体でもいいんですけど。
もともと一緒であったものが、また同じ一つの大地で一緒になれた。
一つになったのか、それは分からない。
でも、最後に抱き合う二人ではなく、指を鳴らす二人の手が映し出されたことで、私は一つにはならなかったと思う。
一つになっちゃうとね、抱き合えないし、向かい合えないからね(どっかにこんな歌詞があったような…)
何はともあれ、この作品は最高のハッピーエンディングだと思います。
一番最初に、指を鳴らした後、向き合ったお二人が両手を合わせあうところがあるんですけど。この動きってそのあと何回か出てくるんですよね。
でも、最初みたいにお互いに重ねあうことはない。
ラストに水面の舞台に二人がそろった時も、近づいて手をつなぐけど、手のひらを合わせることはない。
最初とは違うんですよね。
離れ離れになる前の、向かい合って手のひらを合わせあう状態から、
ラストは二人同じ方向を向いて、元太くんがのえるさんをバッグハグして、のえるさんはそんな元太くんの回された手に自分の手を重ねる…
もともと一緒だったものが、また一緒になって、もしそれが違う形でも、元通りでもなくても、それが悲しいものかどうかはわからない。
元通りにならなくても、幸せなもの、大切なもの、美しいものはありますしね。
不変なものなどない。形あるものはいつか壊れる。諸行無常!
元太くんの歌声ってとても優しくて、真っすぐですよねぇ。
この歌では、いつもより力強く歌っているのかな?とも思いましたが、根底に優しさがあるから、包容力がすごいんですよね。
脆いものがあったら、柔らかいタオルで包んでくれるみたい。
例えば、近くに倒れそうな人がいて、その人を支えることを苦とも思わないような強さ。
「あ、でも一緒に倒れちゃったらごめんね☆」「疲れちゃったから一緒に座ろ!」みたいな心やすさ。(妄想)
のえるさんは、もう存在が美。
すごくしっかりしていて、真面目で努力家な方だと思うけど、もしかしてちょっと不器用な方なのかな、という印象です。(悪い意味はなく)勝手に。(個人的見解)
この作品みたいに、ちょっと脆さが出る表現だと、日ごろ纏っている「生真面目さ」が消えて、スキが出て、一気に危うくなる。
器用な方だと、スキが生まれる故の危うさはあまりなくて、儚い美になりそう。(妄想。どうしよう、全てのえる様の手のひらでコロコロだったら…それはそれでありがとうございます。)
こんな世界観を作り出したお二人に本当に感謝です。また違った作品で見ていたいなぁと思います。
Bebe Rexhaの「Sabotage」なんてどうですか?コンテンポラリーダンスにも合いそうだし、切なさMAXなこの曲をどのように表現されるのか、とても見てみたい。
のえるさん元太くん、素晴らしい作品を本当にありがとうございます。
しばらくこの世界から抜け出せそうにありません。