見出し画像

【米国株】Tempus AI, Inc. (TEM) 第3四半期決算説明会議事録

2024年11月4日に実施された Tempus AI (TEM) の Earnings Call の議事録の日本語訳を作成しました。要約と全文訳という構成です。

Seeking Alpha のリンクはこちらです。
内容はご自身で原文をご参照してください。
あくまでも銘柄選定時に雰囲気を掴む参考情報としてご活用ください。

TEM については先日銘柄分析も書いています。

尚、本記事は、特定の銘柄や金融商品の購入や売却等を推奨するものではありません。投資に関する最終的な意思決定は、読者ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。


議事録要約

主なハイライト

  1. 収益・成長率

    • 売上高は前年同期比33%増の1億8,093万ドル

    • Genomics部門のユニット成長率は前四半期比23.9%に加速。

    • データおよびサービス収益は前年比64.4%増、データライセンシング事業は前年比86.6%増。

    • 調整後EBITDAはマイナス2,180万ドル(前年同期比1,440万ドル改善)。

  2. Ambry Geneticsの買収

    • 買収価格は6億ドル(3億7,500万ドルを現金、2億2,500万ドルを株式)。

    • 売上高の1.9倍、EBITDAの約15倍の価格。

    • Ambryは遺伝スクリーニングのリーダーで、25%以上の成長率と顕著なEBITDAを創出。

    • 買収により、調整後EBITDAおよびキャッシュフローが黒字化する見通し。

  3. 市場での位置づけと成長戦略

    • 医療機関や製薬企業向けのデータおよびAIアプリケーション製品の需要が堅調。

    • Ambryの買収により、遺伝スクリーニングから患者モニタリングまでの包括的なプラットフォームを構築。


質疑応答のポイント

  1. Ambry Geneticsの買収に関する質問

    • 戦略的理由: 患者ケアを包括的に提供するプラットフォームを構築するため。

    • 25%の成長率については持続可能と判断。市場シェアを拡大中。

  2. Genomics事業の成長

    • 第3四半期の検査数は69,000件(前四半期比2,500件増)。

    • ASP(平均販売価格)は1,530ドルに改善。

    • 保険契約の拡大(Blue Shieldなど)により、さらなる収益増加を期待。

  3. データライセンシング事業

    • Merckとの契約更新やBioNTech、Takedaとの新規契約を締結。

    • 総契約価値(TCV)は9億ドル以上を維持。

    • 資本市場の状況は厳しいが、既存顧客基盤の拡大が続く。

  4. 営業部隊の増強

    • 営業担当者を60名増員。生産性は向上中。

    • 営業部隊の成長が短期的な成長率に与える影響は軽微。

  5. AIアプリケーション事業

    • Northwestern Medicineとの提携を強化し、心臓病領域でのアルゴリズム活用を進展。

    • 今後の課題は、アルゴリズム診断の保険償還モデルの確立。


総括

投資家目線での良い材料

  • 強固な収益成長:33%の売上成長率とデータライセンシング事業の大幅な加速。

  • Ambry Geneticsの買収:持続可能な成長率と即時の黒字化効果が見込まれる。

  • 包括的なプラットフォーム構築:患者ケアの全プロセスをカバーする競争優位性を強化。

  • データビジネスの堅調さ:困難な市場環境下でも契約価値を維持。

投資家目線での悪い材料

  • 損失の継続:調整後EBITDAは改善しているが、依然としてマイナス。

  • 短期的な成長率の鈍化リスク:データライセンシング事業の成長率が今後減速する可能性。

  • 営業部隊の立ち上げ期間:新規採用者の生産性向上には時間が必要。


まとめ

Tempus AIは、Ambry Geneticsの買収により短期的な黒字化と長期的な成長を見据えた戦略を明確に示した。データライセンシング事業やGenomics部門の成長は堅調であり、同社の包括的なプラットフォーム構築への取り組みが、医療分野での競争優位性をさらに高めると期待される。ただし、損失の継続や営業部隊の生産性改善に時間を要する点が短期的なリスクとして挙げらる。全体として、長期投資の観点からはポジティブな材料が多かったと言えるだろう。


議事録全訳

2024年11月4日 午後4時30分(米国東部時間)

参加者

  • 企業代表者

    • Liz Krutoholow – 投資家向け広報担当

    • Eric Lefkofsky – 創業者兼最高経営責任者(CEO)

    • Jim Rogers – 最高財務責任者(CFO)

  • アナリスト

    • Tejas Savant – Morgan Stanley

    • Rachel Vatnsdal – JPMorgan

    • Michael Ryskin – Bank of America

    • Daniel Brennan – TD Cowen

    • Ryan MacDonald – Needham

    • Andrew Brackmann – William Blair

お待たせしました。本日は、Tempus AI 2024年第3四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。本日の会議では、すべての参加者はリスンオンリーモードに設定されています。スピーカーによる説明後、質疑応答セッションを設けます。それでは、Liz Krutoholowさんにお渡しいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

Liz Krutoholow(投資家向け広報担当)

ありがとうございます、Briana。皆さん、こんにちは。本日午後、Tempusは2024年第3四半期の決算結果を発表いたしました。本日の会議では、2024年9月30日に終了した四半期について、CEOのEric LefkofskyとCFOのJim Rogersが説明を行います。

まず初めに、この会議では将来の見通しに関する発言が含まれる可能性がありますが、これらはリスクや不確実性に影響され、実際の結果が大きく異なる可能性があります。詳細については、2024年9月30日に終了した四半期のForm 10-Q(2024年11月4日提出)および今後SECに提出する報告書をご覧ください。

また、非GAAP(一般会計原則に基づかない)財務指標についても説明しますが、これらの指標の定義とGAAP指標との調整は、当社の第3四半期決算発表資料およびウェブサイト(investors.tempus.com)でご確認いただけます。

それでは、Ericにマイクをお渡しいたします。

CEO冒頭発言

皆さん、こんにちは。質疑応答セッションに入る前に、第3四半期の主要な成果を簡単にご紹介したいと思います。

ここから先は

8,698字
四半期ごとに決算発表する銘柄の議事録のまとめです。四半期ごとに最新の決算が発表され次第、過去分となったものはアーカイブされていきます。

米国株決算発表の議事録をまとめています。要約は無料でお読み頂けます。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。もしこの記事を楽しんでいただけたり、少しでもお役に立てたと感じていただけたなら、チップを通じて応援していただけますと大変励みになります。