瀬川祐輔のすごさ
柏レイソルの瀬川祐輔がノッていますね。
先日のプレシーズンマッチでは、チーム初得点を決めています。2019年度の活躍も楽しみです。
私家版ですが、次に日本代表に呼びたい選手のリストにも載っていました。
思えば、ザスパ草津から大宮を経て柏にまで、まるで出世魚のような、移籍を繰り返してきました。
では、瀬川のどこがすごいのでしょうか?
「瀬川のすごさは、就活力にある」という説を、ぼくに唱えたのは、明大サッカー部(商学部)4年生の辻拓也くんでした。瀬川くんの3つ年下の後輩になります。
辻くんがぼくに言いました。
「瀬川先輩も、4年生の時に就活したでしょ」
そうです。
明大サッカー部では、4年生の4月の段階でプロチームから声がかかっていなければ、必ず就活をするように勧めています。
練習や試合、大学での授業、就活の3つをこなすのは容易ではありせんが
そこに「インター・パーソナル・ダイバーシティ(一人多様性)」の実践があります。
就活の厳しさを経験することで、視野の広さが得られる、成長につながります。
辻くんに言われて思い出しました。瀬川くんが4年生の時のことを。
ぼくが明大サッカー部の部長をしていた2015年の秋のことです。
茨城の古河市のグラウンドで、筑波大学との試合後でした。
(余談ですが、筑波大には、いま川崎フロンターレにいる車屋選手がいて、左足から繰り出されたシュートがポストに当たって、救われた記憶があります)
前監督の神川明彦さん(S級コーチライセンスを持つ)に
「瀬川はプロになれませんか?」と、聞いたことがあります。
神川さんの答えは、すごく真っ当なものでしたが、ショックでした。
「今のような活躍を3年生の頃にしていれば・・・」でした。
素人のぼくとしては、とても残念に思いましたが、実際、その頃はどこからもオファーはありませんでした。
ある時、瀬川くんからぼくの携帯に電話がかかってきて
「今度、Sビールに面接に行くんのですが・・・」
ぼくは、Sビール社にサッカー部OBのNさんがいることを思い出し、
すぐにNさんに連絡しました。Nさんは社内でご尽力してくださり、
瀬川くん自身の努力の甲斐もあり、無事にSビール社に内定が決まりました。
ところが、人生はわからないものです。
12月になって、J3ザスパ草津が瀬川くんに興味を持ってくれ、オファーを出してきました。
瀬川くんは、きっと悩んだことでしょうが、内定を出してくださった一流企業のSビールに謝りに行き、ザスパ草津に行くことを決めたのです。
あえてイバラの道を選んだのです。
ご尽力してくださったNさんには本当に申し訳ないことをしました。
話が長くなりました(笑)が、
さて、就活の基礎は、辻くんによれば、「自己分析」です。
瀬川くんも、学生時代から「自己分析」が得意でした。就活のおかげです
2015年度の総理大臣杯決勝で、明治大学が関西学院大に敗れた後の瀬川くんのコメントも、「この敗戦という結果を、どう次に活かすかが考えることが大切だ」でした。
自分の失敗を課題として捉え、それをどう克服したらいいかを考える力がありました。
ですから、プロになってからも、どんどん成長できたと思います。
まだこれからも上手くなり成長し、海外に行ってもっと揉まれてほしい。
瀬川くんは、厳しい環境のほうが、かえって成長できるタイプの人間だからです。
そもそも明大サッカー部には、体育推薦ではなく、一般生とし
て入部したのですから。同学年には、和泉竜司キャプテン(現名古屋グラン
パス)、DFの山越康平(現アルディージャ大宮)、左SB高橋諒(現松本山雅)、
FWの藤本佳希(現愛媛FC)、ボランチの差波優人(現カターレ富山)、
MF小谷光毅(現ブラウブリッツ秋田)、
1つ下の学年に、室屋成(現FC東京、日本代表)など、錚々たるメンツが揃っていました。
ですから、瀬川祐輔にとって、
厳しい環境は進化の条件
です。
あえてそういう厳しい道を進めば、いずれ日本代表に呼ばれる日も来るでしょう。
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この記事を書いてからも、3月2日の柏ホーム開幕戦で、山口相手に決勝点をあげるなど、瀬川くんの快進撃は止まりません。
ゲキサカニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190302-34022599-gekisaka-socc
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