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旅に行けない今書く写真と旅の話〜GR III
旅に行けない今だから書く写真と旅の話。タイ、つづき。
今回のカメラはRICOH GR III。
スマートフォンで一昔前のコンパクトデジタルカメラ以上の写真が撮れるようになった今、私がGR(やこのシリーズで紹介しているライカ)を使う理由は3つ。
1、使っていてよろこびがある
記録写真のために人はわざわざカメラを買わなくなったし、カタログスペックでカメラを買う時代も終わった。性能や画質はもちろん、GRにはコンセプトと物語があって、使っているとき、自分がそれらの一部になっているように思える。
2、画質を自分で調整したい
スマートフォンでできるようになる日も近いが、絞り、シャッタースピードから、RAW現像での微妙なパラメーターまで、自分で調整できる。GRに限らず、単体カメラを使う理由の一つ。
3、撮りたい瞬間に撮りたい
あ、これ撮りたいと思った瞬間に撮れるカメラは実は貴重。スマートフォンでは、起動まで数秒、撮るときもタイムラグがある。GR IIIの場合、起動まで1秒未満(ライカのマニュアルフォーカスは、私の場合オートフォーカスカメラよりも撮りたい瞬間に撮れる)。
↑前回の記事のカフェ。朝の光が入ってきた時間帯。
私は画角にまったくこだわりがなくて、超広角から超望遠まで、与えられた画角で撮ることに抵抗がない。
初めて使ったGRが、十数年前に買ったフィルムのGR21で、21ミリの画角を使うのはそのときが初めてだった。
初代のGR DIGITALもヨドバシカメラで予約して買った。
どちらも、21、28ミリの画角が必ずしも好きだったわけじゃなく、GRだから買った。
もしGRが、たとえば35ミリや50ミリだったとしても、買っていたんじゃないかと思う。
それはM型ライカでもいっしょで、ほんとに「ちゃんとした」写真が撮りたければレンジファインダーみたいな不正確なものは使えない。
コンセプトも含めて使いたい道具に、自分が合わせる。好きな道具に導かれて未知の領域に踏み込めるのは楽しいし、そこから学ぶことは多い。
使ってみて思うのは、21ミリは、非現実的な画角なのにある種の「現実的」な画がつくれる。28ミリは、菅原一剛さんの言葉を借りると「気配が写る」。
今回の写真はすべてリコーGR IIIで撮影。
(つづく)