カメラ3台とタイへ
9月末から10月初旬に行ってきたタイ。そのときのようすはこちらの記事をご覧あれ。
ここでは、その続きや裏話を何回かに分けて書いてみたいと思う。
さて、以前からデジカメWatchのSさんからMy Favorite Leica企画の話は聞いて、9月になって、3人目に登場してほしいと連絡があった。
太っ腹のライカさんとインプレスさんだから、ほんとうに縛りがなくて、これまでに撮ったもののなかから選んでもいいという話だった。
そうすることもできたし、東京近辺で撮ることもできたが、どうもワクワクしない。そこで、海外に行きたいと思った。それならワクワクする。
カンタンに行けるのはタイかなと思ったが、たまたまその時期にベトナムの話(中国からの言葉が、日本とベトナムにほぼ同時期に入ってきたので、中国語をもとにした言葉の発音が両言語で似ているという話)を読んで興味をもっていたので、ベトナムに行こうと考えた。
チケット予約サイトで目ぼしをつけ、クリックするかしないかのとき、急ぎの用事が入って、まあ焦って手続きしてもミスするだけだからと、帰ってきてからやろうとした。
ところが、帰ってみてページを開くと、数時間前まで安かったチケットがことごとく値上がりしていたのである。
これには何か意味があるのかもと、ベトナムを断念し、何度も行ったことのあるバンコクにした。そこからはトントン拍子。
記事を書いているのはデジカメWatchだけではないし、写真作品もつくっている。だから今回はあくまでも個人的な取材と作品撮影。そこで、カメラは3台持っていった。ライカM10-P、GR IIIと、もちろんフィルムでも撮りたくてTC-1。
バンコクというと、前回10年前に行ったときに泊まったル・メリディアンにあったラルフ・ギブソンの写真を思い出す。ホテル内が彼の写真でデコレートされていて、めちゃクールなのだ。
まずは今回、バンコクで、ラルフ・ギブソンみたいな写真が撮りたいと思った(けっきょくは撮らなかったのだが)。
もうひとつは、急激に都市化したバンコクの、都会的な人、とくに女性に声をかけて撮りたいと思った。かつてのバンコクなら、声をかければ誰でも撮影に応じてくれたが、スマートフォンが普及したいまでもそうなのか、旅の恥はかき捨て、とにかく現地でためそうと思った(その話はまた今度)。
飛行機を降りると、とにかく落ち着く。なんだろうこれは。
前回は空港からタクシーを使ったが、今回はとにかくシャッターチャンスを増やしたいので、バスでモチットまで行き、そこから地下鉄でホテル近くまで行った。
雨期だったので、駅を降りるとひどい雨が降ってきた。その後滞在中は何度も、文字通りバケツをひっくり返したような雨にあった。
それはそれでまた、しっとりした写真が撮れるかもと思った。
(つづく)