24年6月 伊豆高原へ
Canon 50mmF1.5
所用があり、伊豆高原まで行ったのだが、せっかくなのでフィルムでも撮ろうかと、最近持ち出していなかったキヤノンVI Lを持って行くことにした。レンズは迷った末に同じキヤノンの50mmF1.5とコムラー35mmF2.8を選択した。この稿では50mmF1.5の写真をアップする。
キヤノンのスクリューマウントレンズで特に有名なのは、50mmF1.8だと思う。キヤノンのミュージアムサイトの記述には「近代光学史にその名を残す名作レンズ」とあり、その自信のほどが窺える。その名作レンズの1年後に出たのがこのF1.5で、F1.8が4群6枚のガウス型なのに対して、こちらのレンズは3群7枚のゾナー型と、構成が違っている。ミュージアムサイトではカールツァイスのゾナーを手本として、と正直に来歴を書いているが、実際にF1.8とは別モノの写りで、絞り開放~F2くらいまではかなり甘い描写だと思う。このことが理由なのか、単に市場に多くあるからかどうかは分からないが、東京光学のトプコールF1.5や日本光学のニッコールF1.4に比べると断然入手しやすい価格が定着している。
絞り開放付近ではピント面に解像はあるものの、周囲に白っぽいものがまとわりつき、ソフトな画像に見える。これは絞れば急速に改善するので、遠景をF8とかで撮る分には全く問題なく画面全体がシャープに写る。いまの市場の評価から結果として安価になってしまったが、絞りでの変化を楽しめるレンズだと思う。
Canon 50mmF1.5 撮影例
以下、撮影例はフジフイルムのISO100ネガを使ったものである。なお、このレンズにはキヤノン銘とセレナ―銘の2種類があるが、中身は同じである。自分が持っているものはキヤノン銘だ。
おわりに
絞り開放ではもやっとしていてボケも整っているとはいいがたいが、絞り値での変化が面白いし、私は好きである。レンズの長さが抑えられていて取り回しも良い。これからも使っていくつもりだ。