レンジファインダー機で中望遠(1)
中望遠レンズ
久しぶりの投稿になってしまった。毎月、1-2本は撮っているのだがなかなかこの、記事にしようとするとまとまらないというか、記事のことを考えてレンズを持ち出すわけでもないからこれは仕方がない。
と思っていたが、ここ1ヶ月のネガを見たら中望遠で撮っているコマが多めだったので、そこから何枚かを選んでみようと思う。
レンジファインダー機、距離計連動式のカメラはカメラ内で離れた場所に2個の窓を持ち、その窓から見える被写体のずれ具合を距離に換算しレンズのピントを合わせる仕組みである。カメラ内の仕組みはレンズごとには変わらないからピント合わせの精度は2個の窓の距離とファインダーの倍率に依存する。ファインダーの倍率が一定のカメラではこの精度はレンズによって変わらないので、被写界深度が浅くなる望遠系のレンズでのピント合わせが難しくなる。一眼レフだと、レンズの像をスクリーンに映しているから、望遠レンズの像は大きく映り、ピント合わせがより容易になる。
加えて、レンジファインダー機だと望遠レンズの視野はファインダーの中央の小さな枠になるので、構図の確認が難しい。しかも今回のレンズ、コムラー105mmはライカ系のファインダー視野(90/135mm)にはないのだから、なぜそんなやりにくいことをするのかと我ながらおかしいことをしている。こう書いていて、100mm枠があるキヤノンVI Lを使えば良かったと思ったが、まあ、90mmの枠でもそれなりに想像で撮れてしまったので今回はそのやり方で撮ったものをアップしておく。
コムラーの中望遠レンズ
コムラーは三協光機という会社のレンズ銘である。レンジファインダーや一眼レフのサードパーティ供給者として個性的、意欲的なモデルを多く生産していた会社であるが、現在の市場にはあまり残っていない。今回使ったレンズは105mmで、ライカスクリューマウント互換のレンズをF2、F2.8(後にF2.5に置き換え)、F3.5とたくさん出していた。他に80mmのシリーズもあり、こちらの方がレアなようで特に80mmF1.8は市場価格が高くて手が出せていない。定番の135mmのシリーズでも、F2.8をラインナップするなど、個性があって市場の探索が楽しくなるメーカーである。
Komura 105mmF2
今日はこのレンズを紹介する。一眼レフでも大口径とされるスペックのレンズで、スクリューマウントの小型なカメラに対しては大きく感じられる。レンズ構成はエルノスター型とされていて、ファンも多いらしい。最短撮影距離は1.5mで遠いが、絞りF2では距離を外すことが多く、実用域は数mより先、くらいに思っておくほうが確実だ。絞り開放では全体に柔らかく、ピントの良い範囲は中央部だけで周辺は怪しいから、均一さを求めるならF5.6以上に絞る方が良い。色はきれいに出る。
おわりに
コムラー105mmF2は個性的で良いレンズだと思うが、絞り開放近くで使うのはなかなか勇気が要る。失敗も含めて、楽しむくらいの気持ちで使っていくことにする。
この系統のネタで、コムラー105mmF3.5、トプコール90mmF3.5の記事も書くつもりだ。