カメラの話を徒然に(17)
通称 デッケルマウント(6) (コダック)標準レンズ編
標準レンズ
コダック系デッケルマウント、シュナイダー社のレンズ一覧を再掲。
レチナ クルタゴン Retina-Cultagon 28mmF4 *
クルタゴン Cultagon 28mmF4
レチナ クルタゴン Retina-Cultagon 35mmF2.8
クルタゴン Cultagon 35mmF2.8
クセナー Xenar 45mmF2.8 *
レチナ クセノン Retina-Xenon 50mmF1.9
レチナ クセナー Retina-Xenar 50mmF2.8
レチナ テレアートン Retina-Tele-Arton 85mmF4
テレアートン Tele-Arton 90mmF4
レチナ テレクセナー Retina-Tele-Xenar 135mmF4 *
テレクセナー Tele-Xenar 135mmF4
レチナ テレクセナー Retina-Tele-Xenar 200mmF4.8 *
テレクセナー Tele-Xenar 200mmF4.8 *
(*印:持っていないもの)
本稿で紹介するのは標準レンズである。クセナー45mmは持っていないので、レチナクセノンとレチナクセナーの2本が対象だ。クセナーは距離計連動機用の0.9m近接タイプと一眼レフ専用の0.6m近接タイプを持っていて、今日のレンズは後者。クセノンは0.6m近接のみを持っているのでそれを紹介する。
●レチナ クセノン Retina-Xenon 50mmF1.9
クセノンは4群6枚のダブルガウスタイプで、F1.9を得る代わりに他のレンズよりかなり大きくなっている。こればかりは物理的に仕方がないが、大きく広がった前枠(フィルター径58mm)が全体をより大きく見せている。前の稿において「標準レンズはレチナ銘が残ったまま0.6m近接になっている」と書いたが、いま画像検索をしたら、この後にもう一段階モデルチェンジをしているようで、前枠が52mm径になってピントリングと同じ大きさになり、レンズの名前がXenonだけになっているものがあった。前枠の変更は28mmレンズでいくつか現物を見ていて自分の持っているのもそれなので、50mmレンズでも同じような改良をしたと思われる。クセナーの方は同様の例が出てこないが、45mmレンズがXenarのみになっているように見えるので、ひょっとしたら50mmでも同様のものがあるのかも知れない。
と、かなり脱線してしまったが、このレンズは0.6m近接でデッケルマウントの中では使いやすいし、ミラーレスデジカメではヘリコイドアダプターという手段もあるので、使用範囲はかなり広がったと思う。絞り開放からピント面はシャープでよく写るが、ボケ像は若干硬くて、高輝度のボケには輪郭が少し付くのでシャボン玉や二線ボケ風味である。色合いはニュートラルで過度な強調がなく好ましい感じだ。
撮影例は偶然だが、選んだものが全て絞り開放であった。私はあまり絞り開放で背景が溶けるようなものを積極的に撮っていないのでちょっと珍しい。
●レチナ クセナー Retina-Xenar 50mmF2.8
3群4枚のテッサー型で、距離計連動型とほとんど変わらない外見ではあるが、0.6mまで寄れるようになっている。
シャープで良いレンズであるが、逆光ではゴーストが出るので、撮影時には方向に気をつける必要がある。このレンズもボケ像は硬めである。
おわりに
シュナイダー社が供給したコダック系デッケルマウントの標準レンズはどれも絞り開放からシャープでよく写るが、ボケは硬めで背景を選ぶ。私の好みでは、フォクトレンダー社のゼプトン50mmF2の方が良いと思うが、シュナイダー社のレンズはデッケルに限らずいろんなマウントで多数出ており、市価も比較的廉価だ。50年代後半~60年代のレンズを楽しむには向いているので、気軽に試してみてはいかがだろうか。
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