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ケントメア Pan100

カラーフィルムがない

フジフイルムが3月に「原材料の調達不足」により当面受注を停止する、と発表していてネガもポジも量販店の在庫から消えている。うちの冷蔵庫にあるカラーフィルムは5本しかなく、普段気楽にポチポチ撮るわけには行かなくなってしまった。そうすると何かこの、ハレの日にしか使わないとか、フィルム1本に四季が写っているみたいな、昔の撮影ペースになりそうな感じである。全く困ってしまう。特に、感度100のネガがないのは極めて困る。フジの在庫がなくなってコダックの200の方が手に入れやすくなっている現在であるが、古いカメラだとこの感度は高すぎる。レンズシャッター式で最高で1/300秒なんてカメラだと日中F11-16くらいまで絞らないといけない。目測カメラならそれでピントが遠くから近くまで合うからそれは良いが、選択の幅がないのはつらいのだ。
そうなると、モノクロで撮るしかない。幸い、モノクロはいろんな会社がそれぞれ種類をラインナップしていて、おそらく元々そんなに売れないということもあるのか、在庫が急になくなるということも今のところなさそうだ。というわけで、今回はケントメアのフィルムである。

ケントメア Pan100

このメーカーは、英国の会社で、今はハーマンテクノロジーの傘下にある。ハーマンテクノロジー自体が、元イルフォードの再編から出発しているので、ハーマンのフィルムがイルフォードとケントメアの2系統あるわけだ。現状のラインナップを見ると、イルフォードが比較的高級で、ケントメアが普及価格帯のように感じる。実際、このフィルムはヨドバシでは990円と、手を出しやすい価格がついている。
早速Pan100を手に入れ、息子の運動会の時に使ってみた。現像はD-76で22℃、8分とした。少し濃いネガになった。
カメラはコシナフォクトレンダーのBessa R3A、レンズは千代田光学のスーパーロッコール50mmF2.8と三協光機のコムラー105mmF2.8、R3Aには後者の画角のブライトフレームはないので、90mm枠を使って撮影している。

閉店したお店
Super Rokkor 50mmF2.8/ F8,±0,Kentmere Pan100
トンネル
Super Rokkor 50mmF2.8/ F2.8,±0,Kentmere Pan100
自宅近くにて
Super Rokkor 50mmF2.8/ F2.8,±0,Kentmere Pan100
自宅近くにて
Super Rokkor 50mmF2.8/ F2.8,±0,Kentmere Pan100
応援合戦
Super Rokkor 50mmF2.8/ F11,±0,Kentmere Pan100
綱引き
Komura- 105mmF2.8/ F11,±0,Kentmere Pan100
自転車置き場
Komura- 105mmF2.8/ F2.8,±0,Kentmere Pan100
自宅近くにて
Super Rokkor 50mmF2.8/ F5.6,±0,Kentmere Pan100
鶴見川にて
Super Rokkor 50mmF2.8/ F2.8,±0,Kentmere Pan100

撮ってみての感想

・Pan100
少しコントラストは弱めか。綱引きの写真はスキャン後の後処理でコントラストを強調している。粒状性は良好だと思う。価格も比較的安価で、今後も使いたい。

・スーパーロッコール50mmF2.8
先代の45mmF2.8、通称「梅鉢」の方が有名だろう。このレンズはそのレンズ構成を50mm用に設計し直したらしいが、ピントはシャープでよく写っている。ボケはざわざわしている。

・コムラー105mmF2.8
レンズに表記される銘が"KOMURA-"と、最後に横棒が入っているのがちょっと面白い。語尾を伸ばして発音してね、ということなのだろうか?この後の世代のレンズではこの"-"はなくなる。
写りは、適切なフードがなかったため、キヤノン50mmF1.4(ライカスクリューマウント)のかぶせ式のものを流用したが、当然ながら望遠レンズに対しては短く、画面中央にゴーストフレアが出ている。解像はそこそこ、という感じで、今回アップしていないが遠景ではあまりくっきりとした像にならなかった。

おわりに

モノクロでの撮影も面白い。今はヨドバシなどではカラーネガ現像に日数がかかるようになってしまい、カメスズやパレットプラザの当日受取でやるのが最速である。その点、モノクロは自宅で現像できるから、店に行く手間がなく営業時間を気にすることもないので気楽だ。これからもモノクロを楽しみたいと思う。

しかし、何はともあれ。
フジフイルムさん、再生産よろしくお願い致します。

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