トンネルの外で呼ぶものはまた別のトンネルの中にいる
わたしのためのメモ
わからなくてもいい
トンネルの外で呼ぶものは
また別のトンネルの中にいる
トンネルに入っていないものは
いないのではないか
トンネルの中に
またいくつものトンネルがあって
またその中にあるトンネルにいる場合もある
同時にいくつものトンネルの中にいることも可能だ
トンネルの中に長くいると
トンネルの外に出るのがおそろしい
トンネルの外はまるであべこべの世界だからだ。
トンネルの外の愛しい人をトンネルに引き込もうとしてもかなしがらせることもある。
トンネルの外から愛しい人を無理やり引っ張り出そうとすると、トンネルの中の人は絶望してそれまで以上にトンネルに固執する。
トンネルはでようでようとするとますます出られない。
トンネルはあべこべの世界だからだ。トンネルの中から出るには全く関係ないことをするか、ふらっと出ると出ることができる。
あまりに眩しくて別のトンネルに入るかもしれない。
トンネルの外にいる人はトンネルの中の人を不幸と思う場合があるけれど、トンネルの中の人にはトンネルの中にいる自分が不幸ではない場合がある。
トンネルの外にいる人がトンネルの中にいる人を不幸と思い込むことも外側のトンネルの効果だ。
みえないものはあるのかないのか
みえないもののうち科学で証明されているものだけを信じるのは科学のトンネル
科学がまだそれほどでもなかったころみえないものを信じるのはあたりまえだった
発酵や薬草などはみえないものを信じるちからによってささえられていた。
みえないちからを理解するのにおおくの物語が紡がれた。
科学もひとつの物語のようなものである。
雰囲気という言葉がある。
言葉というものは現象があるから発生する。
雰囲気は存在する。
電気的なものなのか
波なのか粒子なのか
そんなことは知らないが
雰囲気はある。
酵母があるように
雰囲気はある。
どこに身を置くか
それはとても大切。
自分を受け止めてくれる
自分の形のまま受け止めてくれる
布団のようなトンネルをみつけたら
なかなか出ることはできない。
それが幸せなのか不幸せなのか
わからないけれど
雰囲気というものはある。
真理がわからなくとも
雰囲気の中に長く身を置けば
薫習される。
燻製を食べたことがあるか?
わりと奥まで薫りがついている
しみこんでいる。
どこに身を置くかは大切
人をつくる。
どれがいいのか悪いのかはないけれどなりたいイメージがあるならその集団にはいればよい。
少しずつならしていく。
なにもわからなくともそのようになっていける。
葡萄の木に繋がりなさいとはきっとそういった意味のことをさすのではないだろうか。
葡萄の木の端っこに繋がりながら
あちこち冒険していけばいい。
葡萄の木は目にはみえない。
しかし必ず
過去に現在に未来に存在する
見つける気になれば誰にだって
見つけることができる。
みつけたくないから
みつからないだけだ
トンネルから出たくないのだ
あまりにもながくいすぎて。
ふと興味を持ったら出たらよい。
たいていの人は興味なんかなくて
今より悪くなるということはない
というところまで来て
出たり出なかったり。
地獄で仏に出会ったら仏を斬れ。
これはなんだろう。
ずっと側にいる人って
本当にあんたのためなのか?
ちょっとうんざりしながら
横にいる
いつかはあきれてどこかに行っちゃうくらいが
あんたのためかもしれないな。
相手のして欲しいことと
相手のためになることは
違ったりする。
ためになるっていう定義も
そもそもよくわからないが。
世の中には
怒ってくるやつも
こうるさく説教してくるやつも
関わりたくないと無視してくるやつも
寄り添い続けてくれるやつも
ただため息ついて眺めてくれるだけのやつも
全然あんたなんかみてなくて楽しそうにしてたり、同じようにうなだれたり、他のことに熱中してるやつもいる。
つまりそれ全部ヒントだ。
お好みのヒントはよりどりみどりなんだ。
ずっとそのまんまがいいなら
そうしてたらいいよ。
でも気が変わるための素材は
世界に溢れている。
どれでも選びたい放題なんだ。
気持ちが定まったなら
どれか適当に選べばいい。
ウソでもなんでもかまわない。
なんでも切符にできるんだよ。
そういうわけで
あんたがトンネルから出る理由は
わたしじゃなくてもいいんだ。
だからわたしは気楽なもんだ。
暇だからここにいるだけ。
どうだ
それくらいがちょうどいいだろ?
懇願するな。
私もしないさ。
ちょっとならいいけどね。
私は今のところ持てない荷物を抱えない主義でね。
おぶってなんかやらないよ。
おぶってもいらない。
道がわからないなら
おぶわれてやってもいいけどね。
さあ、先をお行き。
私も後から行くよ。
もう少しこの風にあたっていたいんだ。
おやこんなところにリンドウが咲いているな。