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紅白饅頭

紅白饅頭を
1人で食べたことはありますか?

私はあります♪

子どもが紅白饅頭をもらえるのは
卒業式です。

今はアレルギーなどの配慮でこのような風習は減っているかもしれません。

とにかく私が子供の頃は、幼稚園、小学校、中学校ともらえたのですが
2つしかない饅頭を5人家族全員でわけて食べるんです。

弟や妹ももらえますから、回数はかなり食べてるはずなんですが、食べられるのは毎回ちょびっとです。

「いつかこれを丸ごと食べてみたい。」
毎回私の野望は膨らむばかりでした。

そして私はやりました。
義務教育を終えた私は
ついにその野望を実行に移したのです。


赤と白どっちにしようかと思いました。

選んだのはやっぱりピンクです♡
なんだかんだいって女の子ですからね。

いつもはケーキ入刀よろしくナイフを入れる饅頭にかぶりつきました♡。

最高です♪
味がはっきりわかります。
私は義務教育を終えた悦びを口いっぱいに噛みしめました。
「私も大人になったなぁ〜♡」

こうして食べ終えてしまうと
白いほうの饅頭が気になります。

丸のまんまの紅白饅頭にかぶりつく目的は既に達成されました。

白はみんなにわけてやってもいいんじゃないかと思ったわけです。

でも紅白饅頭は赤と白両方揃って紅白饅頭だったのだと、白い饅頭が私につげてきます。

ここは白も食べなくてはなりません。私はそのように直感しました。

赤だけ残せば良かったのかもしれません。

でも食べてしまった赤はもう戻らないのです。

私は白も食べ始めました。
証拠隠滅です。

赤と白は味の違いはないはずですが、白は先程よりも塩味が強いように思われました。

化粧箱も分解して、私は完全に証拠を滅しました。私は長女です。

「中学は紅白饅頭はなかった。」

親になにかきかれてもこれで数年凌げます。

あんなに楽しい計画だったのに
変な気分だけ残りました。

この感覚はいったいなんだろうと思いましたが、私はそのままにしました。


そして紅白饅頭がないことはすぐにバレました(笑)

「あれは1人で食べるもんじゃないのよ!」と母は怒りました。

「どうしてそんなこともわからないの?高校生になるのに!」と嘆きました。

「一度食べてみたかっただけだよ。」

「私がもらったのにどうして私が食べたらダメなのよ。」

と私はむくれましたが、どこかバレてすっきりした気持ちでした。

後になって友人に話してみると
家族のうち誰か饅頭が好きな人が食べていいことになってる家もたくさんありました。

高校二年生の時にクラス委員だったので、三年生の卒業式に出席しました。

持ち物はないので、ポケットに定期を入れて手ぶらでいったら紅白饅頭をもらえました。

紅白饅頭の箱だけ抱えて電車とバスを乗り継いで帰りながら、たとえ空でもカバンは持っていくもんだなと私は学びました。

このときの紅白饅頭はその場にいるものに私が切ってわけてやったように思います。

その後の紅白饅頭についてはたいして覚えてないので、
私はやはり一度紅白饅頭を丸ごと食べてみて良かったと思います。

      ♡⚪️🔴♡

やりたいことはやってみるのだ!
🌈ワクワクがあふれだす🌈

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