#ミルコの詩
新しい朝 或は夜明け前
瞼の向こうに眩しさを感じて
目が覚めた
照明は消えているし
太陽もまだ昇ってはいない
寝室にあるのは
エアコンの音だけ
あの眩しさはなんだろう
不思議に思って
気がついた
寝室のスリット窓の向こうで
金色の満月が
静かに私をみてた
満月に起こされた
こんなことは
初めてだ
「お月さまおはよう」
私は嬉しくなって
ベッドを抜け出し
朝の静寂を今愉しんでいる
[詩]木をみて人をおもう
山の雑木をみておもう
真っ直ぐな木はひとつもない
高い木低い木あるけれど
ひっつきあって絡まって
太陽めがけて伸びている
真っ直ぐに近い木があると
必ずまわりは遠慮して
バランスとって立っている
みんなが真っ直ぐ育ってる
そんな光景ありえない
植木ばたけじゃないもんな
太陽めがけて木よのびろ
陰に立つ木はじっと待て
雑木林はいいもんだ
なんのはなしですか
[蛇足]自分の詩を読んで出てきた疑問
さっき失踪しそうな女が
豆腐を買いに行く詩を書いた。
だいたいあんなもんだと思う。
豆腐買いに行くって
台詞もそうだけど
エプロン姿で
つっかけで桶持って
出てくんだから
なるべく帰ってこようとは
してる。
帰ってくる時は
帰ってくるし
帰って来ない時は
帰って来ないよな。
家で待ってるほうは
「やばいな。」
と察知して追いかけるより
「そっか豆腐買いに行くのか。」
って思ってると
帰
【詩のようなもの】豆腐を買いにゆく心理
女は
疲れたのだ
言い争いにも
話し合いにも
繰り返しても
また同じこと
消えてしまいたい
もはやその心情を
説明する気力もない
けれども
ほんのわずかだが
また戻って来れそうな
感覚もある
家路ににつながるその細い
感覚の糸の感触を
たしかめるため外に出る
黄昏時の哀しげな
ラッパの音に誘われて
桶を片手に外に出る
ちょっと豆腐を買ってくる