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詩のようなもの・詩または物語

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#詩

欠乏と余剰 (詩)

欠乏と余剰 (詩)

そのさみしさは
だれかとつながれる手

あふれでるやさしさも
だれかとつながれる手

さみしさもやさしさも
おなじくらいいいもんだ

[詩]飛行機にのって✈️

[詩]飛行機にのって✈️

ちょっと手を休めて
窓の外をみてくれないか

どうかわすれないで
この景色を
おぼえておいてほしい

どんなときも雲の上は
スッキリと晴れてるんだ

雲はいずれどこかに流れていくよ

新しい朝 或は夜明け前

新しい朝 或は夜明け前

瞼の向こうに眩しさを感じて
目が覚めた

照明は消えているし
太陽もまだ昇ってはいない

寝室にあるのは
エアコンの音だけ

あの眩しさはなんだろう
不思議に思って
気がついた

寝室のスリット窓の向こうで
金色の満月が
静かに私をみてた

満月に起こされた

こんなことは
初めてだ

「お月さまおはよう」

私は嬉しくなって
ベッドを抜け出し

朝の静寂を今愉しんでいる

透明女と砂

透明女と砂

海から吹きつける強い風は
浜の砂を巻き上げて
容赦なく私を叩きつけてくる

ああ、少し痛いけれど
気持ちいい

そう私は透明女 
誰も私の姿を見るものはない

私はここにいるのか
永い時間の中で
時々私もわからなくなる

ところがどうだ
この風は
砂で私を叩きつける

砂が私の身体を弾くとき
私は実感できるのだ

ああ私はここにいると

風がどんどん強くなってきた
私の輪郭があらわれくる

ああ痛

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👒🌿八月の詩🌿👒

👒🌿八月の詩🌿👒

八月「は」がつく
はりきって
蜂になりきれ羽音たて
花から花へと飛び回れ

遊べるときに遊ぼうよ
1人でだって遊ぶんだ
みんなつられて遊びだす

夏の太陽背にうけて
明日のことなど考えず
ただ一心に遊ぶんだ

その姿みて喜んで
僕らのかわりに
石も木も
土も水も空気すら
蓄えててくれる次の日に
僕らが遊ぶエネルギー

八月は安心して存分に遊べ

恋の詩とそれに全く関係ない無限の網の話

恋の詩とそれに全く関係ない無限の網の話

彼とボールペンと彼女と私

彼がいつものようにボールペンを
クルクル回してる

ああ いいな
ボールペンになりたいな

休み時間になって
楽しそうに友達とふざけてるけど
ボールペンは大切そうに筆箱に
しまってた

うん しあわせ

彼がいつもにない顔で私に
恋愛相談してきた

そうか うれしいな
なにか力になりたいな

誤解が解けたみたいで
また二人仲良く下校しはじめた
目があって私にヨッって手を

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❤️ネコミミ😻ソネットつくりました❤️山根先生ありがとうございます

❤️ネコミミ😻ソネットつくりました❤️山根先生ありがとうございます

山根あきらさんの

世界一わかりやすいソネット入門の
記事がとても面白かった。
(引用させていただきまーず❣️)

ソネットって縛りがものすごい。
シェイクスピアって天才とは聞いてたけど、本当に天才なんだなと思った。

気になってソネットを検索したら
ヴィヴァルディの「四季」にも
ソネットがついている。
作者は不明だけど、ヴィヴァルディ自身の作でもあるという説もあるらしい。
イタリア語みたいで音読

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花散ラシノ雨ヲ讃ヘル

花散ラシノ雨ヲ讃ヘル

花ヲ散ラス雨ハ
ヨキモノナリ

宴ノ余韻ヲ
掃キ清メヨ

空中ノ塵ヲ
花ビラニ包ミ
海マデ届ケヨ

海ノ神ハ
ソヲ眠ラセ
浄化シタモウ

花ヲ散ラス雨ハ
ヨキモノナリ

ソノ祝福ヲウケテ
桜ヨ
夢カラ醒メテ
葉ヲ出シタマエ

モウジキ届ク
初夏ノ光ヲ
一身ニ受ケル
準備ヲ始メヨ

万物ハミナ
オ前トトモニアル

花散ラシノ雨ヨ
桜ヲ優シク
起コシタマへ

[自由詩]蝶をみかけた

[自由詩]蝶をみかけた

桜が咲いてきた
今朝庭で
この春はじめての
蝶をみかけた

モンキチョウ
ありふれた蝶だ

イモムシは
蝶になるまえ
サナギの時期に

いったん溶けて
ドロドロの液体になると
聴いたことがある

私はもうすぐ蝶になるかもしれない

ならないかもしれないけど
少なくとも脱皮はしそうだ

何回かの脱皮を繰り返して
イモムシは蝶になる

嬉しくて
なんだか
体がむずむずしてきたぞ

桜が咲いてきた
今朝

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【詩】応援

【詩】応援

いつも応援するお前
応援ばかりするお前

目は見開いて
身を削いで
髪振り乱し
声枯らす

お前についたその眼(まなこ)
自分に向けたらどうなんだ

なぁ

お前が応援したいのは
お前自身なんじゃないのか?

突っ立ってないで歩けよ

[詩みたいなもの]自由

[詩みたいなもの]自由

私は方位磁針
身近な磁力から
自由にしてくれたら
北はどちらか教えてあげる

私は人間
思惑を捨てて
自由にしてくれたら
ちょっと期待に応えてあげる

[詩]別れの流儀

[詩]別れの流儀

よせよ真面目な
挨拶は 
今日で終わりじゃ
ないだろう

ちょっと休憩
するだけだ
冗談いって 笑わせて
ちょっと宿題だしておく

答え合わせに
またおいで
さよなら
そしてまた今度

元気にやれよ
ケガするな

どうしたことか
おかしいな
なんで 鼻水出るんだろ

きっと 花粉のせいだろう
春ってやつは 困ったな

食べるつもりの まんじゅうは
一口かじって おいておく
そいつが おれの別れ方

[詩] 宇宙遊泳

[詩] 宇宙遊泳

宇宙遊泳ってどんなかな
上も下もない
右も左もない

無重力ってどんなかな
どっちに行っても大丈夫
動かないのも大丈夫

戻ってみたくなった時
背中のコードが役にたつ

ゆるゆるだけど大丈夫
繋がっていれば大丈夫

不思議と平気になってきて
クルリと廻ってみたりする
何かを浮かべてみたりする

楽しいな
楽しいけれども帰ろかな
みんなまってるあの宇宙船(ふね)へ

完全な自由ってどんなかな
善もな

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