医師の手技スキルアップに必要なこと
医師になれば、まずは点滴の血管確保、血液ガス採取、NG tube留置、挿管などの手技をまずマスターしなければならない。
血管確保のような手技ははじめは研修医同士で練習しあい、徐々にスキル向上してくる。
生涯かけてスキル向上に務めなければならないものとしては、消化器内科の場合は内視鏡検査・処置となる。
高城剛のメルマガより面白い内容があったので、引用させていただく。
あらゆる習得技能は、右肩上がりに伸びないんですよ。
これが、ゲームと違うところなんです。
大半のゲーム、例えばRPGは、時間をかけて進めば進むほど、点数を獲得し、習得技能は右肩上がりに着実に伸びていきます。
(というように、設計されています)。
でも、実社会では、異なります。
英語学習もそうですが、ある日を境にグンと伸びていくのです。
その日が来るまで、全員が「なかなかスキルが上がらない」と、藻掻くんですよ、特にゲームで育ってしまうと。ですから、一番大事なことは、「なかなかスキルが上がらない」時に、モチベーションを保てるかどうか、に尽きるのです。
一見、「道具(工具にかぎらず)を、思い通りに手や身体を動かす」のに、センスが必要かどうか考えるところですが、実際は、「モチベーションの保ち方が大切だな」と思えるのが、センスなんです。
なにしろ、昨日より今日のほうが下手になってることは、まず、ありませんから。
┃高┃城┃未┃来┃研┃究┃所┃【Future Report】 Vol.468/Part2より引用
経験とともにすぐにうまくなるのは血管確保や挿管などになるが、それらも医師年数が経てば、経験する数自体が減っていき、どちらかというと衰えていく手技になる。(麻酔科でも指導側にまわるので)
内視鏡検査・処置も経験数とともに右肩上がりになる傾向はあるが、必ずプラトーに達する時期がきて、その時期にやめてしまう先生方は多い。
(女性の場合は結婚、出産を契機に内視鏡検査、特に下部内視鏡検査やERCPなどをやらなくなる傾向がある)
上記の内容にあるように、ある一定以上のスキル取得には「モチベーションの保ち方」が重要だと思う。
私はセンスが全く無く、内視鏡スキルの向上は非常に遅かった。
しかし、内視鏡検査や処置は好きだったし、うまくならなくてもモチベーションは保つことができていた。今でももっとうまくなりたいという気持ちも持ち続けている。
大学病院では、他院で内視鏡処置困難症例が紹介されてくる。
現在の私はそのような症例を担当するようなことも増えたが、それは単純にモチベーションを保ち、愚直ながら続けることができたからだと思っている。
これから様々なスキルを身につけていきたい、医師として手技をうまくなりたいという人は多いと思う。
うまくいかないこともあると思うが、そのようなときも”モチベーションのを保つ”
ことをしてほしい。
手技向上として、ゲーマーのスキルアップの内容は参考になるので紹介させて頂く。