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高カリウム血症の補正

電解質異常のなかで、カリウム値異常のときの判断はナトリウムの時と比べて簡単だ。(ナトリウムは水分との相対的な問題であるが、カリウムは絶対値で過剰か不足かを判断できる)

なぜなら

高カリウム血症:体内のカリウムが多い または、検査エラー(溶血)
低カリウム血症:体内のカリウムが少ない

が成り立つ。

患者背景(大量のカリウム投与または急激な腎機能低下)からカリウムの突然の上昇が考えにくい場合は、溶血といった採血時の問題の可能性もあり、再検査も行う。

ホメオスタシスの破綻はゆっくりと補正するのが基本だが、高カリウム血症の場合は急ぐ必要がある。

するべきことは、
①致死的不整脈を予防:カルシウム製剤の投与
 8.5%グルコン酸カルシウム10mLを3分以上かけて静注
②心電図モニター装着:冠性T波、徐脈に注意!
③カリウムを下げる療法
 ブドウ糖10gあたりヒューマリンR1単位を混注する。
(例:ソルデム3AG 500mL+ヒューマリンR4単位)100~150ml/時間
 陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)の内服
(例:カリメート、ケイキサレート)

以上を行い、採血検査(カリウムの値にもよるが、はじめは1-2時間後の採血でカリウムが低下しているかの確認したほうがよい)で経過をfollowしていくが、カリウムの補正が困難な場合は透析導入も考慮する必要がある。



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