開業医セミナーに参加して
情報商材ビジネスというのが世の中にあふれている。
そして、医師は高給というイメージもあり、医師対象としたセミナーも多い。
(病院のPHSに怪しい業者から電話がかかってきたことは、大半の医師は経験しているだろう。大半がマンション業者だが、開業案内や転職案内などの連絡も時々ある。郵便物で豪華な封筒に入って送られてくることも多い)
私自身は、開業医セミナー(無料)に興味本位で一度、行ってきたことがある。
セミナーに参加して思ったことは、
”詐欺的な内容はなかったが、どの本にも書いている内容だな”
というのが率直な感想だった。
もちろん、その後は営業メールや電話がかかってきたのは予想通り。
結局、”方法論”などは本人の強い意志がないと成り立たないということがセミナーに参加してわかったことだった。
確かにこれら方法論は再現性もあり、ある程度のレベルまでは到達できるかもしれない。だからこそ、本にもなっているし、セミナーの内容にもなっている。
その内容はわざわざ時間とお金がなくても、ネットで調べれば分かる内容である。
「論文をどうすれば書けますか?」
「論文のテーマで何かいいのがありますか?」
などとよく聞かれる。
論文を書くことは簡単(IFは無関係)で、後ろ向きにデータを集積して、そこで有意な項目をみつければ論文を書ける。
その手段も倫理委員会提出→承認→論文、論文を書くためのフォーマットはすぐに探せばあるし、背景や方法などは同じ内容の論文ばかりである。
そして、英訳もGoogle翻訳とDeepLを使えば、かなり正確な英語ができる。それを英文校正に提出すれば、より完全な英語での論文が可能となる。
・・でも大半の医師は論文も書かないし、学会発表もしていない。
なぜか?
それは、「どうなんだろう?」「これを知りたい」という内からでてくるモチベーションがないからである。
「おいしいものを食べたい」「かっこいい服を買いたい」「雰囲気のいいところでデートしたい」などそうした”モチベーション”が”方法論”とマッチした時に初めて、方法論は役に立つ。
どんなに優れた方法論でも 内からわくモチベーション がなければ机上の空論である。
”覚悟がない”
“モチベーションもない”
しかし、”論文を書いて学位を取得したい” ”医師としてお金を稼ぎたい”
などの意志だけだと、モチベーションのある人に負けるのは当たり前だ。
その状態で「方法論」を求めてもなんの意味もなさない。
重要なのは、自分は何をしたいのか だと。
開業医セミナーは、
”成功した開業医になれる”
そのためには、場所は、人事は、広告は。。。
の内容だ。
しかし、重要なのは、
”開業してなにをしたいのか”
”開業でその地域にどのような貢献ができるのか”
であり、それがなければ開業する意義は小さいとわかったことが、セミナーに参加して最も勉強になった項目だった。
ビジネスで一番大事なのは「個人と社会の欲求交差点」なんです。
「絶対稼げる方法」じゃないんですよ。
ビジネスは意志と顧客で決まるもの。
「お金を稼ぐにはどうすべきですか?」
「人を集めるにはどうすべきですか?」
「読むべき本は何ですか?」
大事なのは「何をすべき」じゃない、
あなたが「何がしたい」かなんですよ。
方法論は意志を持った人しか作用しない。
「~~すべき」と意志を無視し絶対的な正解だけを求める人はどう頑張っても幸せを掴むことはできないんです。
とても難しい話だけど、
これが理解できると差がつきます。
何しろほとんどの人は正解主義の中で生きているから。
MB メールマガジンより