人口減少時代 マンション購入のリスク
最近世間では、「売れない」「貸せない」「自分も住む予定がない」、三重苦の不動産を「負動産」などと称するようになった。
まったく使い道がなくなっても、不動産は車などの耐久消費財とは違って、捨てることができない。いらなくなったからといって、この世からなくすことができないのだ。建物は解体できたとしても、土地はどんなに引っ搔いてもこの世から消すことはできないのである。ましてやマンションのような区分所有建物では自分の部屋だけこの世から消し去る ことはできず、永遠に管理費や修繕費用を負うことになる。このような状態になってしまうと、資産であったはずの不動産が、カネを垂れ流す面倒な「負債」に姿を変えてしまうのだ。
リスクとベネフィットという言葉があり、医師はこの説明をすることが多いです。
そして、患者さんへの生活指導時には、目先の利益と長期的な利益の関係性で苦慮します。
例えば、喫煙を例に挙げます。
タバコは身体に害があることは証明されているが、タバコを吸うことのリスクは数十年後になってあらわれてきます。
喫煙者は煙草のリスクを知っていることが大半だと思いますが、ベネフィット(タバコを吸うことでで得られる快感や落ち着き)はすぐに得られ、リスクが数十年後であれば、ベネフィットをとるというのがヒトです。
(行動経済学的に、ヒトは長期的な利益よりも目先の利益を優先する)
不動産購入のリスクについても同じことがいえます。
マンション購入直後は、きれいな建物で所有欲を満たし、家賃の支払い(ローン支払いはあるが。。。)から免除されます。
しかし、そのリスクは数十年後(建物の老朽化、修繕積立費の不足、組合の機能不全の可能性)にでてきます。
日本におけるリスクとして、最近は地震だけでなく豪雨災害についても考慮する必要があります。
想定を超える災害が最近はよく起こります。それらの災害に対して無限に対策し続けること現実的ではありません。
これからはインフラ整備は維持コストも含めて厳しいことは、日本の財政をみても明らかです。この場合は、そもそも住む場所を変えることを考える必要があり、マンション購入してしまえばそれができなくなります。
不動産を購入してよかったと最終的な判断は、30年後にすることになります。