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知識×経験=スキル

本を読んだだけでは知識のみが身につき、何もスキルは身につかない。
医学部でいくらテキストを読んで勉強しても、スキルは身につかない。

臨床研修病院をどこにしようか考えている医学生は多いと思うが、どの選択基準はなんだろうか。
残念ながら、医師の場合は臨床研修病院で給料の差はほとんどない。
QOL重視の先生は別枠として捉えるが、通常は住環境+スキル向上を狙える病院が第一候補になると思う。


スキル向上を狙える病院は、症例を数多く積める病院の一言につける。
知識は症例経験しながらアップデートしていく。

これは臨床研修だけにとどまらない。
自分の専門科でのスキルアップを狙うなら、症例を数多く経験できる病院に行くべきだ。
消化器内科では、1人が担当できる内視鏡的粘膜下層剥離術の症例はそれほど多くない。大きな病院でも症例が集まっていないところはたくさんある。

その知識はスマートフォンですぐに手に入るし、医師は知識だけでは全く役に立たない。重要なのはその知識の使い方であり、それは症例を経験してみにつける。

若いときは時間を経験に費やして、スキルを身につけることを強くオススメしたい。

スキル取得における勘違い
・○年目になったからこのスキルを身につける
 自信がついたから中学生や高校生になった人はいない。単純に小学校を卒業したから中学生になっただけである。
学校ではカリキュラムに沿って教育が行われ、そのカリキュラムでは何年目からはこの分野を学ぶという方針がある。医師もそのような考えでいる人がいるが、それは全く関係ないと考えている。

・自信は必要か?
医師も同じように、自信がついたから外来を開始、病棟も一人持ちではなく、
経験できる機会があれば、何年目とか関係なく、開始していく必要があり、その心構えが必要だ。
自信をつけるために、症例を経験するぐらいの意気込みが重要。

・スキルを学ぶ機会がないとき
症例は上級医から振り当てられる。症例が当たらず、不満なときもあるだろう。
このときに考えることは、
”不満もあり、納得もいかない”状態なのか、
”不満はあるが、納得はしている”状態なのかを分けて考える必要がある。

納得している状態とは、スキルが足りていないと自分で分かっている場合が大半だ。その場合の対策は簡単だ。
それは、そのスキルを身につける、自分のスキルアップを上級医にアピールする対策が必要となる。

もう一つの納得もいかない状態は、自分のスキルはその症例担当に対して十分なレベルに達している場合に起こりうる。
理由のいくつかが挙げられるが、
① 上級医からの症例割り当てがない または 少ない
 対策としては、上級医になぜ、症例が当たらないかを聞く、関係性が悪い、
などが原因となる。
② 病院自体に症例が少ない
 根本的な対策は難しいが、基本的には病院を変える、異動するなどが必要となる場合が多い。

・失敗を多く経験する
 ”医療は失敗してはならない”とあるが、失敗しない人間はいない。
問題はその失敗が小さな失敗、致命的な失敗かということである。失敗を恐れてばかりだと、リスクを全くとらない医師になってしまう。
リスクをとって、失敗しろと言っているのではない。
専門外の症例も担当(救急では大半)して、小さく挑戦して、小さく失敗して、そこから学んでいくのだ。
※失敗の定義はいろいろあるが、診断が間違っていないか、ルート確保に失敗したなどいろいろある。重要なのはその失敗から学ぶことだ。







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