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原付二種は通れるの?自動二輪車関連の規制
この記事では、トンネル、橋、高速道路や観光地のスカイウェイ等でみられる二輪通行規制について触れる。
二輪通行規制とは?
「二輪の自動車・原動機付自転車通行止め」(いわゆるオートバイと原付) の規制箇所には、以下の規制標識が設置されている。
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以下のような道路で規制が行われる。
原則として次のいずれかに該当する道路
1. オーバーパス、アンダーパス、トンネル等で自動車の通行が多く、かつ、十分な車道幅員がないため、二輪の自動車又は原動機付自転車(以下「原付」という。)とその他の車両との混在通行により、交通事故が発生するおそれのある道路
2. 高速自動車国道等と接続しているため、総排気量0.125リットル以下、定格出力については1.00キロワット以下の原動機を有する普通自動二輪車(以下「小型二輪車」という。)及び原付の通行を禁止する必要がある道路
3. カーブ又は急な坂が連続しており、二輪の自動車又は原付の通行により、交通事故が発生するおそれのある道路
4. 暴走行為等による交通の危険防止及び地域の静穏を確保する必要がある道路
ところで、自動二輪車や原動機付自転車はいくつかに分類される。「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 (標識令)」別表第二(第三条関係)(六)車両の種類の略称、「交通の方法に関する教則」 付表4「車両の種類と略称」や道路交通法 (および道路交通法施行令、内閣府令)による分類は以下のとおりである。
二輪: 二輪の自動車 (二輪車)・(一般)原動機付自転車のこと。
二輪車・二輪の自動車・自二輪・自動二輪: 大型自動二輪車及び普通自動二輪車のこと。
大型自動二輪車: 総排気量400ccを超える、あるいは定格出力が20キロワットを超える自動二輪車。
普通自動二輪車: 総排気量50cc超400cc以下の自動二輪車。
小型自動二輪車・小二輪: 総排気量については125cc以下、定格出力については1.00キロワット以下の原動機を有する普通自動二輪車。
原付: (一般)原動機付自転車のこと。(一般)原動機付自転車とは、総排気量については50cc以下、定格出力については0.60キロワット以下の原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、軽車両、身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のものをいう。
一方、道路運送車両法では別の定義があり、話をややこしくしている。
原付: 原動機付自転車のこと。内燃機関を原動機として二輪を有するもの (側車付のものを除く) で、総排気量が125cc以下のもの。
原付一種: 第一種原動機付自転車のこと。原動機付自転車のうち、総排気量が50cc以下または定格出力が0.60キロワツト以下のもの。
原付二種: 第二種原動機付自転車のこと。原付一種以外の原付のこと。
軽二輪: 二輪の軽自動車のこと。総排気量が125ccを超え250cc以下の二輪車。
小型二輪: 二輪の小型自動車のこと。総排気量が250ccを超える二輪車。
免許の種類も含めて表にまとめると以下の通りとなる。
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「二輪自動車・原動機付自転車通行止め」には大抵「原付」等の制限がついている
ところで、街中で見かける「二輪の自動車・原動機付自転車通行止め」の規制には、大抵「原付」などの補助標識がついているのにお気づきだろうか。二輪車については、通常の自動車と同様に仕事や生活上通行することが必須の場合も多く、またエンジンの出力も自動車と遜色がないことから、近年は規制が解除される傾向にある。
一方、原付はエンジンの出力も低く、最高速度も30km/hに制限されていることから、アンダーパスや高架橋などでは通行の際に危険になることも考慮して規制することがある。
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バスターミナルへの入り口には原付規制がある。東京都内のアンダーパスや首都高速の側道でもこの規制がみられる。
また、自動車専用道路の場合、この規制標識がなくても125cc以下の二輪車は通行できない。
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原付規制の場所を原付二種は通れるのか?
さて、本題である「原付規制の場所を原付二種は通れるのか」という問いへの答えであるが、道路標識の補助標識に記載されている車両の種類は原則として道路運送車両法ではなく道路交通法に基づいているため、道路交通法の定義である「総排気量については50cc以下、定格出力については0.60キロワット以下の原動機を有する」が当てはまる。すなわち、以下の標識がある場所は原付二種は通ってよい。
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一方、「小二輪」となっている場合は、総排気量については125cc以下、定格出力については1.00キロワット以下の原動機を有する小型二輪車が規制に含まれるため、原付二種も規制される。この標識がある道路は高速道路などの自動車専用道路もしくはそれに接続する道路にあることが多い。
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車両の組み合わせによる通行止めや二人乗り禁止もある
場所によっては、車両の組み合わせ通行止めで規制がかかっている場合がある。
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東京高速道路の入り口。車両の組み合わせ通行止めと二人乗り通行禁止が合わさった規制がかかっている。
また、「大型自動二輪車及び普通自動二輪車二人乗り通行禁止」の規制も関東の首都高速道路や東京高速道路といった自動車専用道路で見られる。しかし、他の都市の都市高速道路ではこの標識は見られないため、東京でのレア標識ともいわれている。
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また、この標識があるなしにかかわらず年齢20歳未満、または大型二輪免許または普通二輪免許を受けた期間が3年未満の場合は二人乗りができない。また、自動車専用道路によっては追加の年齢・免許取得期間の条件を設けている場合がある。
補助標識による制限がつかない規制も存在
街中の場合は、アンダーパスや高架橋のうち道路の構造上、原付だけでなく自動二輪車であっても通行の際に危険が伴うために通行規制がされている場所がある。ただし、場所はかなり限定されており、この理由による規制箇所は全国でも数か所である。
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新なにわ筋 鶴見橋跨線橋。路肩が狭く二輪車の走行が危険であることが理由。ちなみに、本来は自転車も同時に禁止されるべきだが、過去あまり問題になっていないためか規制されていない。
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昭和通り 新橋地下道。車両の組み合わせ規制で車両を限定する補助標識がない状態で規制されている。アンダーパスに入ってすぐに右急カーブがあり二輪車の走行が危険であることが理由。
地上に迂回路があることも大きい。
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車両を限定する補助標識がない状態で二輪が規制されている。アンダーパスに入ってすぐに右急カーブがあり二輪車の走行が危険であることが理由。
地上に迂回路があることも大きい。
一方、観光地での暴走族による悪質な走行を規制する目的で規制がされている場所は結構存在する。しかし前述のとおり、近年は規制箇所が減少傾向にある。2014年に全国で約700カ所あった規制路線が、2019年3月末時点では約450カ所に減っているとのこと。
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250cc超のみ、日曜・休日の0~5時の規制をしている。公園と住宅地の騒音規制。
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三条通と五条通を結ぶ清水寺の裏山の稜線を結ぶ道路
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大分駅前から伸びるメインストリートにも二輪車規制が敷かれておりこのようなケースは珍しい。しかも区間規制となっている。
昔は、東京都心等でも二輪車規制がされていた時期があった。
1981年、原宿駅前 pic.twitter.com/fz3fNAdOW9
— ちょっと昔の日本の景色bot (@japan80to00) March 17, 2023
ちなみに余談だが、東京の昔の町並みは昔のドラマやアニメのワンシーンに残っている場合がある。上記の二輪車規制の標識が映り込んだ原宿駅前の風景は1984年に放送された「キャッツ・アイ」第二期1話 (5:50付近) に描かれている。
二輪車通行規制区間の場所は以下のサイトで詳しく紹介されている。
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