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(313) 転回禁止
概要
車の転回の禁止、通称「Uターン禁止」として知られる規制標識。主に中央分離帯のない2車線以上の道路に設置され、交差点などの場所、または一定の区間について転回を禁止する。
中央分離帯がある道路にも設置されることがあるが、中央分離帯が規制後に設置されたり、交差点や中央分離帯の開口部ごとに標識を設置せずにまとめて区間規制している場合もある。
通常は他の規制標識と団子状に一緒に掲示されるが、転回は交差点で行われることが多いため、交差点に近い場所に別に掲示されていることも多い。
補助標識の特徴
転回禁止の本標識には、ほぼすべての場合について補助標識が付加される。補助標識がないものは珍しい。転回禁止は他の規制標識と異なり、規制区間が明示的に表示される※。これは、この標識が交差点などの場所で規制される場合と、区間で規制される場合があり、曖昧さをなくすために常に表示しているものと思われる。
※ 1992年6月以降の道路標識の改正で、区間内表示が省略可能になった。これ以前に設置された標識は、区間内表示が残っているものも存在する。
補助標識には、規制時間帯や、稀に規制車種等も掲示されることがある。
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区間を表す補助標識には、以下のすべてが使われる。区間は「ここから〇〇m」という表示になることもある。
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「ここから」「ここまで」という補助標識は、標識が右側、つまり中央分離帯に設置されている場合に使用されることが多い。
転回は交差点で行われることが多いため、転回禁止の終わりの標識が交差点の手前にあるのか先にあるのかは大きな違いとなる。
標識と規制区間の関係は以下の通りとなる。
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中には区間を表す補助標識がない珍しい場合もある。
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雷門通りこの前後や反対側には区間表示がついており、このセットだけがついていない
道路標示
道路標示は以下の通り。規制時間がある場合は、下に数字が入る ("8-20"など。)
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交差点での規制
中央分離帯がある道路の場合、転回禁止は区間規制ではなく交差点でのみ規制される場合もある。
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規制区間は以下の通り。つまりどの表示でも交差点や開口部での転回が禁止される。
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規制区間をよく確認する必要がある場合
交差点付近にある転回禁止の規制標識は、交差点が規制対象区間に含まれるかどうかをよく確認する必要があるものがある。
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この標識はT字路にあるが、規制区間は以下の通りとなっている。
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また、信号機に添架されている以下の3パターンは規制区間がどうなっているか分かるだろうか。
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規制区間は以下のとおり。写真一番下 (以下の図では一番右)のものだけ交差点は規制区間に含まれない。他の2つは交差点も規制される。
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また、交差点によっては、交差点に入る直前で転回禁止を解除して、交差点が過ぎた場所から再び規制している場合もある。
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この場合の規制区間は以下の通り。つまり、交差点での転回のみ許されている。
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規制時間帯
転回禁止が規制される時間帯が補助標識に記載されることがある。通常は「8-20」といった表示が多いが、地域の活動時間によって規制時間帯が変わることもある。
旧築地市場の近くの道路では、仕事が朝早く始まり昼過ぎに終わることを反映して、通常とは異なる時間帯での規制となっている。
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右折可矢印のある信号機に関する小ネタ
転回禁止の規制標識がない交差点で、右折可矢印の出ている赤信号の場合、転回をすると昔は違反切符を切られたのはご存知だろうか。昔は青信号、または転回専用の矢印が出ているときしか転回はできなかったが、2012年の道路交通法改正以降は、右折可矢印の赤信号でも転回が可能になった。
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