逆走必至⁉️平日朝だけ消える中央線😱😱 (広島・田方橋)
日本も道路が整備されてきたとはいえ、まだまだ驚くような道路が存在する。広島市には、バイパスから一般道に出た瞬間、逆走車と正面衝突するかもしれない、規制がまぎらわしい道路がある。この記事ではこの場所の規制状況と背景について考察する。
バイパスに逆走しやすい道路!?しかも平日7時から8時半は中央線が消滅
国道2号西広島バイパス西行き田方ランプ出口周辺の田方橋南詰、田方橋北詰周辺の側道はいずれも時間帯で通行規制が行われる。その中でも、広島方面から田方ランプ出口を出た先の側道が、今回取り上げる問題の道路の区間である。
この区間は、普段は対面通行になっているが、(日曜・休日を除く)平日の朝7:00から8:30までは、田方橋南詰交差点方向からの交通は自転車を除いて進入禁止となる。その際には、2車線だった西行きが3車線全部を使い道路いっぱいに広がる。
平日朝の時間を除くと、この道路は対面通行であるため左の1車線を使って東向きに進むことができる。車両進入禁止標識を違和感を持ちながら突破して先に進むと、中央線を示すオーバーヘッド式標識が見えてくる。本標識の下には「8:30-翌7:00、日曜・休日は終日」という補助標識が設置されている。
この道はバイパス出口にうっかり入ってしまいそうになるが、東行きは右斜め前方の側道に抜けるのが正解である。
ここで後ろを振り返って西行きを見ると、オーバーヘッド式の中央線標識の両側に案内標識が見える。また、バイパス出口には「二方向交通」警戒標識や案内標識の予告標識も見え、いろいろと混乱する。
設置されている標識
この道路に設置されている道路標識について、東行きと西行きの場合に分けて整理してみよう。
東行き
車両進入禁止標識がたくさん並んでいて居心地が悪い。規制時間以外は中央線が有効なので、そのことと、左前方のバイパス出口の車両進入禁止標識 (全日終日)を見落とさないようにする必要がある。
西行き
対面通行なのか一方通行なのか、いくつかの標識は時間帯も書いていないので矛盾する表示になっている。中央線とその脇にある進行方向別通行区分、そしてその手前の規制予告標識 (内容が間違っている) と情報量が多く、戸惑ってしまう。下手をすると一番右のレーンを逆走する可能性がある。
尚、道路標示は擦れていて実際にはかなり見えづらい。
2020年頃まではオーバーヘッド式標識には中央線の可変標識が設置されており、遠くから見ても中央線が有効かどうかが判別できたが、通常のアルミ板の標識で更新されてからは判別が難しくなった。
規制の背景にある事情の考察
西広島バイパスの高須ランプ~田方ランプ~商工センターランプ (東➡西)の区間は、地形の起伏が激しい住宅密集地のため、側道が生活道路として活用されている (バス通りでもある) と同時にランプ出口の交通量も時間帯により多くなる。しかし全日終日対面通行ができるほどの道幅は確保できない。
そのため、(日曜・休日を除く)平日の朝7:00から8:30までは、時間帯限定で一方通行規制や車両通行止め規制が行われ、交差する幹線道路とランプ出入口以外の生活道路に交通が流入するのを防いでいる。
ただし、時間帯限定の規制になっているため、規制あり・なしの状態をきちんと理解していないドライバーにとっては、逆走のリスクが生じる。高須ランプ出入口も田方ランプ出入口と似ていて交差道路とランプ出入口の間に通常の側道区間があり、ランプ出口から交差道路までの間が対面通行となっているが、交通量や車線数の観点から、より問題になりにくいと思われる。
分かりやすくするには
時間帯による中央線の有無をなくす案と、そもそも論として時間帯による一方通行規制を見直す案の2つが考えられる。
案1: 中央線有無をなくす
平日朝も含めて全日終日中央線を固定してしまう案。似た規制である中央線遷移 (時間帯により中央線の位置が変わる) も、逆走の危険があるために全国的に数を減少させている。
この案のデメリットは、平日朝7:00から8:30はランプ出口からの交通量を裁き切れない可能性があることである。
案2: 一方通行規制も併せて見直す
自動車専用道路の側道は、そもそも全日終日一方通行の場所も多いことから、田方橋周辺の側道も全日終日一方通行にしてしまうという案もある。橋の東側、西側にバイパスをくぐるトンネルもあるため、少なくともこれらの地点まで全日終日にすることで、変更を最小限にできる。
バイパス入口と並行する側道には平日朝の混雑時に通過交通を入れないために車両通行止めの規制を行う。
この案のデメリットは、いままで生活道路として対面通行で使っていた居住者用車両が、場合によっては少し大回りをしなければならなくなることである。
*
「特定時間だけ消える中央線」の他に、正面衝突必至の分かりにくい規制には「中央線遷移」や「逆転式一方通行」がある。こちらの記事もどうぞ。