
ローカル道路標示「指定方向進行禁止」
車を運転するドライバーであれば、市街地の道路にある「転回禁止」の道路標示は見たことがあるだろう。これは交通の方法に関する教則にも登場し、「規制標示」として法的効力がある標示である。しかし、県によってはこれとよく似ている道路標示がされている場合がある。この記事ではそんなローカルな道路標示の状況を見てみることにする。

「指定方向進行禁止」とでも呼ぶべき道路標示
どんな道路標示かというと、転回禁止の「Uターン」の矢印の部分を「進行方向」の様々なパターンの矢印に置き換えたものである。

転回禁止の道路標示からの類推で、どういう意味かは想像ができる。つまり、矢印の方向には進んではいけないということだ。「指定方向進行禁止」とでも呼ぶべき道路標示となる。これは交通の方法に関する教則には存在しないため、法的効力はない法定外標示であるが、この標示があるところには必ず道路標識があるため、その心配をする必要はないだろう。あくまでもわかりやすさを補うための補助的な標示ということになる。
どういう場所にあるかというと、一方通行出口がある路地の交差点近くにあることが多い。たとえば以下のような路地である。

通常は、普通の白い「進行方向」の矢印で表示するのが普通であるが、県によっては進行禁止の方向を橙色の矢印と☓で示す場合がある。
ちなみに「止まれ」の標示も法定外標示である。
「指定方向進行禁止」が存在する県
この標示は筆者が調べた限り、以下の県に存在する。また、同じ県の中でも市区町村によって異なる場合がある。場所は北九州や本州の西日本に多いようだ。括弧書きの注がない県は広く使われており、注がある県は場所が限定されているか、使われている自治体が限定されている。
「指定方向進行禁止」が確認できた都道府県
新潟県 (新潟市、長岡市)
茨城県 (坂東市、石岡市)
東京都 - 右折レーン
石川県 (金沢市)
岐阜県
京都府
大阪府 (大阪市浪速区) - 右折レーン
岡山県
山口県 (下関市、萩市など)
福岡県 (北九州市、柳川市など)
大分県
熊本県
鹿児島県

大通りに標示がある例。橙色の矢印の示す先には一方通行出口がある。

指定方向外進行禁止の道路標識で右折できないことが示されており、道路標示は右折が☓となっている。

同じ山口県でも下関の方では見かけないが萩市では存在。

三条通と仁王門通が交わる蹴上交差点で、仁王門通側から交差点に流入する際に右折禁止を示している。

8時~20時が右折禁止なのだが、スペースの関係上なのかコンパクトな標示となっている。
右折レーンで指定方向進行禁止の道路標示は、まさに必要とされるものだ。

数寄屋橋交差点のすぐ脇にも一番右のレーンで右折禁止の道路標示があった。

22時~6時は大型車が右折禁止
右折レーンで指定方向進行禁止の道路標示は、まさに必要とされるものだ。

7時30分~8時30分が右折方向がスクールゾーンとなっており右折禁止
これは橙色ではなく白色の指定方向進行禁止の道路標示となっており、さらに珍しい。
右折レーンで指定方向進行禁止の道路標示は、まさに必要とされるものだ。
反対車線には左折禁止バージョンもある。

異形矢印を表す道路標示は複雑になるため単純な右折禁止の標示にしたものと思われる。
この方向の標示は白、反対側は橙色。


「右折禁止」の文字も書かれており、副矢印方向に✖が付いている
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