最近増えている横断歩道予告標識
2020年頃から信号機がない一本道の横断歩道の手前に横断歩道の予告標識をよく見るようになってきた。東京都内でも、このような横断歩道は市部に多いのだが、都心でも該当する箇所には標識が設置されているようだ。そこで、最近の横断歩道事情を見てみることにする。
信号機のない横断歩道における車の一時停止率が酷かった
JAFが2016年から毎年実施している調査に「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」がある。これは、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしたときに通りかかろうとする車両が一時停止をする車の割合を各都道府県2箇所ずつで1箇所あたり50回の計測を行うものである。
この結果、最初の年は一時停止率は平均で7.5%しかないことが判明した。この横断歩道を渡ろうとする歩行者を妨害する行為は「横断歩行者妨害」で道路交通法上は違反となる。
オリンピックに合わせて再通達された横断歩道での取り締まり
横断歩道における車両の一時停止率はその後2018年までは同様に低い傾向が続いた。2018年から都道府県別の一旦停止率が公表されるように成ったが、東京を始めとするいくつかの都道府県が5%にも満たない成績であった。
その後、警察庁が2018年10月に「横断歩行者妨害」の取締を強化するキャンペーンを開始した。各都道府県警などへ「信号機のない横断歩道における歩行者優先等を徹底するための広報啓発・指導の強化について」を通達することで、その後の年度では一旦停止率が目に見えて改善してきている。2021年の調査では全国平均で30.6%にまで改善してきている。
*
また、道路標識の改善では、2020年頃から信号機のない一本道の横断歩道に対して予告標識と横断歩道における警告標識が設置されるようになった。
この予告標識事態は2014年頃には都内でも設置が確認されているが、特に2020年、2021年になって設置される数が増えてきている。
東京オリンピック・パラリンピックを前に、「歩行者優先」が当たり前の国からの訪日が見込まれていたため、信号機のない横断歩道における車両のマナーを大きく改善しようという動きがあったようだ。
*
こちらもどうぞ。