
(315)駐停車禁止規制はどういうところにある?
駐停車禁止は、市街地や高架橋などのいくつかのパターンの場所で見ることが出来る。その意味は、文字通り車両を規制場所に停車または駐車させてはならないということであり、対象車両の種類、対象時間帯等が設定されている場合がある。また、日本のデザインは国際標準を取り入れているため海外でも同じ標識を目にする。

この駐停車禁止の規制だが、実はそんなに気軽に設定できるものではなく、設定をする際にはさまざまな検討を迫られる。特定の車両を除いたり、適用車両を限定したり、適用時間帯を限定したり、「人の乗降を除く」といった特定ケースの除外ができる。
駐停車禁止場所
駐停車禁止の規制は、規制標識がある場所に加えてルールが存在する。道路交通法第44条(停車及び駐車を禁止する場所)に規定があるのでおさらいしておこう。
1. 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
2. 交差点の側端又は道路の曲がり角から5m以内の部分
3. 横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に5m以内の部分
4. 安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に10m以内の部分
5. 乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から10m以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
6. 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に10m以内の部分
この他、道路交通法の以下の条文により、高速自動車国道での駐停車、および一方通行路での右側駐停車は禁止されている。
第75条の8(第四章の二 高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例、停車及び駐車の禁止)
自動車は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。

この道路内では標識が明示されていなくても駐停車禁止である。
第47条 (停車又は駐車の方法)
1. 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2. 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
繁華街の幹線道路の大きな交差点付近
交通規制基準の中で「交通の安全と円滑を図るため、特に停車及び駐車を禁止する必要のある区域・場所」として記載されているもののひとつに「法定駐停車禁止場所のうち、幹線道路の大きな交差点、交通の錯綜する交差点等駐停車の危険性、迷惑性の高い場所その他特に駐停車禁止場所であることを特に明確にする必要がある場所」が挙げられる。
交差点は元々曲がり角から5m以内の部分は標識がなくても駐停車禁止であるが、明示する必要がある場合は明示される。ただし、時間が限定されている場合がある。

交差点付近にだけ設定されている7時から20時までの駐停車禁止規制。奥の駐停車禁止と駐車禁止の設定は道路全体で行われているので、この交差点付近では、駐停車禁止規制が2種類設定されていることになる。
朝夕のバス優先・専用レーン
他のパターンとしては「路線バス等優先・専用通行帯の規制を実施している区間」という記載がある。東京都内等、大都市の市街地で見られる駐停車禁止の規制は大抵これである。殆どの場合は、駐車禁止または時間制限駐車期間の規制と併用される。

東京都内のバス優先・専用レーン区間で見られる標準的な駐停車禁止、駐車禁止の規制

併用されて設置される駐車禁止規制は、駐停車禁止規制と時間帯がかぶらないよう限定している場合と、時間帯限定しない場合と両方の場合がある。両方とも規制の意味は同じである。これは表示の好みであり、都道府県によって傾向が異なる。

時間制限駐車区間と併用されている場合。19時から9時30分までの夜間は駐車規制がない。

「タクシーの客待ちを除く」など、タクシー乗り場の近くで特別な除外条件が追加されるケースも。

場所によって朝のみのレーン規制、朝夕両方の規制があるケースがある。

バス優先レーンと駐停車禁止の規制を見比べてみると、補助標識の時間帯限定が同じであることに気づくだろう。
駅前広場
他のパターンとしては「駅前広場等多数の車両が集中する施設の周辺の区間であって、駐停車車による影響の大きい場所」という記載がある。

JR吉祥寺駅周辺の幹線道路 (井の頭通りと吉祥寺通り) の規制

微妙に除外条件が異なる規制の切り替わりポイント。
観光地の片道1車線のバス通り
他に駐停車禁止規制がよく見られる例としては、観光地の片道1車線のバス通りが挙げられる。片道1車線ずつに車線数を減らして話題になった京都四条通や、飛騨高山など、駐停車禁止規制を実施している例がある。


車種を限定している。大型観光バスの駐停車を防ぐのが目的と思われる。
自動車専用道路に準じる道路
また、幹線道路の高架橋やトンネル内でも駐停車禁止規制が敷かれていることがある。

自動車専用道路に準じる道路のため、明示的に駐停車禁止規制が設置されている。

中央線変移規制が行われており幹線道路にも関わらず片道1車線になることがあるために設定されているものと思われる。
その他の特別な規制 (東京オリンピック)
東京オリンピックが開催された際には、指定車両優先・専用レーンに合わせた駐停車禁止規制、会場付近では関係車両を除く車両に駐停車禁止規制が行われた。



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