(303) 車両進入禁止の補助標識による対象日時/車両の限定は危険!?
近頃、高速道路など一方通行路の逆走が社会問題になっている。高齢者ドライバーや、夜間の運転、一方通行路の途中にある施設から道路に入った場合など、一方通行を認知しにくい場合に逆走は発生する。また、それだけではなく、日本の一方通行路の場合、補助標識で車両や時間について制限がついている場合があり、利用者にとって複雑な状況になっている。この記事ではそんな日本の一方通行路事情について見てみることにする。
補助標識で対象車両を限定する場合、しない場合
筆者がいろいろな道路を観察した限り、補助標識で対象車両を限定する場合、しない場合には大まかには以下の傾向がある。もちろん、いかなるケースも絶対当てはまるわけではなく、自治体によってもルールが違うので注意されたい。
これらの場合は、車線が自動車専用もしくはそれに近い想定がされている、自転車が通行できる歩道があり自転車が逆走する余地がある、もしくは近くに迂回路があることが多い。
一方、補助標識で対象車両を限定している場合が多いケースは以下のとおりである。
より生活に密着しており、自動車の通行も少なく、迂回路がなく生活上不便な場合に、特定の車両を除外することが多い。
生活道路の車両進入禁止につけられる補助標識の内容
生活道路で車両進入禁止につけられる補助標識は、各都道府県公安委員会によって異なるようだ。場合によっては市区町村単位でも傾向が異なることがある。以下は、Google ストリートビューで都道府県庁所在地や主要都市にある生活道路の一方通行路を確認して大まかな傾向を調べたものである。
概していうと、大都市圏には「自転車を除く」か条件なしが多く、地方都市では「軽車両を除く」をはじめとする他の条件になる傾向がある。
日本地図に大まかな分布をプロットしてみたものを掲示する。
バイクの逆走が許可された一方通行路もある!
このように、生活道路の一方通行路にかけられている規制は、自治体ごとに異なるのが現状である。同じような道路でも、自転車・原付・バイク・リアカーが逆走できる、できないの条件が異なっている。これは統一してほしいものである。ちなみに、「交通の方法に関する教則」 付表4「車両の種類と略称」と道路交通法に当てはめると、各表示で通行できる車両は以下のようになる。
この表からわかるのは、一方通行路でも、バイクが逆走できるような道路が存在することだ。地域の事情があるようだが、逆走用の「止まれ」「最高速度」などの標識が整備されていない場合も多く、怖いと感じることもある。一方、生活道路であっても自転車が逆走できない自治体も存在する。これも自転車にとっては不便であろう。
時間制限のある場合は危険!?
一方通行路には、車両の種類の制限だけではなく、曜日、時間などを区切って対面通行になったり、一方通行の向きが逆になる (逆転式一方通行) 規制が存在する。
このようなケースは、交通標識にあまり詳しくないドライバーにとっては、いつどちらの方向から通り抜けできるのか、完全に理解できないという声もあり、また規制時間の境界にあたる場合は意図せず逆走していたり対面から車両が来たりするケースがあるため危険である。
いずれも生活道路であり、迂回路の設定が難しいために公安委員会がお役所的に「規制を細かくして表示しておけばよいだろう」という考えで行っているようだ。しかし、利用者にとって、特に道路交通法に詳しいわけでもない一般市民にとってはこの上なく分かりづらく工夫が必要である。
回避策としては可変標識を設置して、今この時間はどういう規制になっているのかを明示するようになっている場合もあるが、可変標識の設置と運用には費用もかかるため、規制区域の多くをカバーしているわけではないのが現状である。
たとえば、以下の標識は「7時から9時の間は進入禁止」が正解だが「7時から9時に通行できる」と勘違いするケースもあると聞く。
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都道府県によって規制の対象車両に違いがあるものとしては、他に駐車禁止がある。
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