自転車用信号機がない時に確認するもの
自転車で車道を走るときは道路交通法上、原則として車両用信号機に従うのだが、自転車目線での信号機・交通標識の整備はあまり進んでおらず、交差点によっては自転車が見るべき信号機が進行方向にない場合がある。そのような交差点の特徴と、その時に確認するものについて解説する。
自転車用信号機とは
自転車が車道を走る場合、進行方向にある車両用信号機を見る。また、都道府県によっては市街地に広く存在する、自転車が逆走可能な一方通行 (軽車両を除く、自転車を除く、の補助標識があるもの)の場合は、進行方向に車両用信号機が設置されていることが多い。この場合、「軽車両専用」「自転車専用」といった標示が車両用信号機の灯器に接して設けられていることが多い。(道路交通法施行規則第三条の二及び別記様式第一の二) 標示は省略されていることもある。
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また、場所によっては自転車横断帯に自転車専用信号機が設置されている場合がある。その場合は、車道を走行中の自転車は、道路横断時には車両用信号機ではなく自転車専用信号機に従わなければならないだけではなく、自転車横断帯を通らなければならない。(左折する場合は車両用信号機を参照する。)
また、近年、自転車横断帯は撤去が進んでおり、自転車横断帯のある交差点は2013年頃から全国で数を減らしている。
参考情報:
自転車用信号機がない幾つかのパターン
自転車で車道を走る際に、進行方向に信号機がない場合が存在する。そのような典型的なパターンをいくつか見てみよう。
一方通行 (自転車除外なし)との交差点
東京都千代田区や中央区、大阪府大阪市等の都心部にあるような、大通りの一方通行道路の場合、一方通行に自転車や軽車両の除外はついていない。また、その他のケースでも高速道路の側道など一方通行に対象車両の除外が付いていない場合がある。そのような場合は、信号機は一方通行の方向にしかなく、反対側にはない。この場合は自転車が車両と反対方向に走ることはないため、問題がない。
T字形交差点
T字形交差点の場合、自転車の二段階右折が考慮されていない交差点の場合は行き止まり方向に信号機の設置がない。考慮されている場合は設置されている。原付の二段階右折が必要なT字形交差点では、標示が自転車に限定されていない。
主に五叉路以上で従道路が自転車を除く一方通行
信号機のある交差点で一方通行で出ていく経路がある場合、信号機のサイクルはその道路のことを考慮しないで回っていく。そのため、一方通行から自転車や軽車両が除かれていたとしても、逆走してきた場合に車両としてうまく交差点に入っていくサイクルは存在しない。信号機のある三叉路 (横断歩道のある信号機)または五叉路以上で発生する。
歩行者・自転車専用信号機がある場所
交差点によっては、歩行者用信号機の横に「歩行者・自転車専用」という標示があるものがある。その場合、横断歩道には自転車横断帯が併設されており、自転車も歩行者用信号機に従う必要がある。
実践的な例
以上を踏まえて、いくつかの実際のケースを見てみよう。
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まず、前に出てきた「一方通行 (自転車除外なし)との交差点」であるが、このようなケースはたいていの場合、歩行者用信号に「歩行者・自転車専用」の標示がある。自転車が一方通行の逆方向に逆走する場合、歩道を通行する必要があるが、交差点の道路を横断する場合は歩行者用信号機を見ながら自転車横断帯を通行するのが正解である。
次にT字形交差点の場合を見てみよう。
この交差点ではT字路で左右に曲がる交通は矢印信号で振り分けられ、かつ歩行者とは分離した動きになっている。自転車は、左折する場合は車両用信号機の左折矢印に従い、右折する場合は二段階右折になるため、まず交差する道路を横断することを考えるのだが、その際に「歩行者・自転車専用」信号機があるため、この信号機に従って横断した後に交差する道路の車両用信号機を見ながら発信することになる。
ただし、「歩行者・自転車専用」の標示を設置しているかどうかは、あくまでも信号機を管理する警察署の方針による。「歩行者・自転車専用」の標示が必要そうな場所でも設置しない方針の警察署もあるようだ。
自転車が見るべき正式な信号機がない場合は?
自転車が正式に見る信号機がない場合は、歩行者用信号機を頼りにするのが良いだろう。「主に五叉路以上で従道路が自転車を除く一方通行」で、自転車が一方通行から逆走して出てくる場合も信号機がないが、歩行者用信号機があれば、歩行者になったつもりでそれを見るのが一番安全であろう。
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こちらもどうそ。