ロード・エルメロイII世の冒険 7巻を読んで
はじめに
読んでなんて言ってますが、発売日(12/31)に購入して元旦には読了してました。
明日最新刊が発売するとのことで、暇になってしまう時間があったため読み返していた次第です。
メルヴィンお前さぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
確か読んだ時も同じ感想抱いてたはずなんですが記憶は風化するもので。
多分何度読んでも同じ感想を抱くことになると思います。
狂いました。狂わされました。
狂って狂って、メルヴィン関連の感想を求めネットの海を泳ぎました。
な….無い!?!?!?
メルヴィンに狂ったやつはいないのか!?!?!?
まさに陸の孤島に独りぼっち。
しかも天候は嵐ときたもんだ。
という訳で書けるだけ書いておこうと思い筆を執った次第です。
本文
本文なわけですが、書けるだけの語彙と文章能力がなく。
悲しみ。
けれど出来る限りの語彙で言わせてもらうと、僕は前に進めない存在が大好きなんです。
分かりやすいのがマーリンです。
僕はFGOで大好きなシーンがあるんです。
それがFGOの1部6章第17節レプリカより、マーリンとベディの回想シーンでのマーリンの台詞。
『サー・ベディヴィエール。
本当はキミには何の、過ちもなかったというのに?』
彼は基本アヴァロンにいて世界を見渡す傍観者で、遠くからちょっかいは掛けてきます。
そうしてこういう意地悪な質問をかけてきます。
けれどこれは悪意じゃないんです。
僕はこういうのに弱い。
進めない者が止まらない者に甘く囁くんです。
「進まなくてもいいんじゃないか」「止まってしまっていいんじゃないか」
だってその資格はあるんです。
進まなくても止まってしまっても、在りし日に想いを馳せ振り返ってもいいって言うんです。
意地悪です、意地が悪いですとも。
ここまで頑張ってきて、自分で自分に止まれないなんて課して。
進めなくても止まらない人に教えてあげるんです。
止まらない理由も、進まない理由もどっちもあるんだって。
けど悪意じゃないんです。
相手の心を折ろうとか、止めてやろうとか、自分と同じであってほしいとかじゃないんです。
その本質は全部本当なんです。
止まらない事も、止まることも、諦めて振り返ることも、ぜんぶ本当に信じてるんです。
それでもなお止まらないという事も知ってます。
止まるというならそれを受け入れるでしょう。
諦めてしまうなら寄り添ってくれるでしょう。
止まらない以外の選択肢がないような意地悪じゃなく、追い越されていくものからの本当の質問なんです。
僕はそれが本当につらい。
今回のメルヴィンもそうでした。
ロード・エルメロイⅡ世に賭けと称して突きつけるんです。
ロードをやめる事、魔術師としての在り方を取り戻すこと、エルメロイなんて放り出してかつてのウェイバーに戻る事。
自分が本当にやりたい事じゃない今なんて放り出して、本当にやりたい事をするために逃げてしまえばいい。
その手助けを惜しむことはないと。
意地悪です。本編ではもっと意地悪です。
勝っても負けても、ロード・エルメロイⅡ世はウェイバーを取り戻してしまう。
これは本編での賭けを有利に進めるための揺さぶりでもあるんです。
けど全部本当なんです。
ロード・エルメロイⅡ世の敵として、全力で妨害するのも。
ロードを辞めてウェイバーに戻ってしまえと言うのも。
メルヴィンに関してはただ進めない者じゃないんです。
進めない者にすらなれなず、緩やかに死に向かうもの。
緩やかに死んでいくものとして悪意で周りを巻き込んで止まらせるんだから厄介極まりない。
そんな存在が自分を置いて進んでいくものを見て羨ましくなって、一時でいいから進むものになってみたくて。
文字通り血反吐を吐きながら走り出した。
だからメルヴィンはウェイバーに意地悪をするんです。
進めないものとは違って悪意を込めて、同じ進むものとして追い抜くために。
けれどメルヴィンは進み続けるものじゃないんです。
メルヴィンには進み続ける理由も、止まる理由もないんです。
ただ進み続けるものが輝かしかったから。
自分を置いていってしまうから。
だからメルヴィンは意地悪をするんです。
悪意はなく、本当の気持ちで。
もう止まってしまってもいい、投げ捨てていい。
それでも進むなら全力で、ただ一度の競い合いをするだろうし。
もし止まってしまうなら、一度だけ追い抜いて。
自分の勝ちだと、振り返るでしょう。
もし諦めてしまうなら、一緒に止まるんです。
同じ進めないものとして。
全部本当の気持ちとしてあるんだと思います。
けど彼は進み続けることも止まることもできないから。
最期には置いて行かれてしまうものとして。
進み続けると信じて。
見送るものとして、ウェイバーの友人であったんだと思います。
さいごに
だいぶ脚色が入りましたね。
やっぱり落ち着いて一定のテンションで文章が書けないです。
難しいですね。
だいぶ解釈の分かれる感想になったなぁというのが感想の感想です。けど心にあったメルヴィンへの想いは書き留められた気がします。
嵐は過ぎ去って、晴れ間が見えてきたようです。
今回の進み続けるものと進めないものは様々な作品に通ずる物があると執筆中感じていました。
ただメルヴィンはその中でも異色というのが改めて認識できました。
進めない者は往々にして超越的であったりするものですが。
メルヴィンは進めない者にすらなれないのに、それでも進もうとして。
置いて行かれてしまうとわかっても進み続けて。
これ以上先へは進めない者として進み続けるものに、悪意も本意も込めて。
残念ながらこれ以上の出番があるのか怪しいですが、彼の活躍を期待して。
以上がメルヴィンに狂ったものの感想でした。