持続化補助金に採択された眼鏡店の事例から学ぶ計画書の書き方②
口紅を買う人は、直径約1㎝、高さ約7㎝の暖色系化合物が欲しいのではなく「美しくなること」を欲しています。よって、口紅を製造・販売する事業者は、顧客が美しくなることを叶えれば、顧客の支持を得られるでしょう。
これを意識しないで、いい匂いのする口紅やゴージャスな容器に入った口紅を製造・販売したとしても、顧客が美しくならなかったら支持を得ることは困難でしょう。よって、このようなピントのずれた事業を展開しないために、顧客ニーズを認識する必要があります。
また、私たちは寒くなったらコートを着ますし、雨が降ってきたら傘をさします。これは気温が下がったり、降雨になったりしたという外部環境の変化を認識したからこそできる行為です。これを認識しなければ、コートは着ませんし、傘もささないので、結果として体温が奪われて体調を崩しかねません。
事業展開も同様で、商圏人口や市場規模、競合動向といった市場の動向を認識しておくことは、環境変化への適切な対応を可能にします。
今回見ていく<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」は、そのような内容を記載する欄ですが、当補助金に採択された眼鏡店は当欄をどのように記載したのかをご紹介していきます。
1. 持続化補助金に採択された眼鏡店の事例から学ぶ計画書の書き方【顧客ニーズと市場の動向】編
持続化補助金に採択された眼鏡店の事例から学ぶ計画書の書き方【顧客ニーズと市場の動向】のポイント(1)顧客ニーズを定義する
同店は当欄に、店頭で直接いただいた「顧客の声」を記載していました。ですが、弊社では「顧客の声」は表層的、「顧客ニーズ」は潜在的なものと捉え、これらは別物と認識しています。
例えば「自分に似合う眼鏡はどういうものなのか分からない」という顧客の声の奥底には「似合う眼鏡を提案して欲しい」「眼鏡の品ぞろえを増やして欲しい」といったニーズがあるのかもしれません。
これを踏まえて弊社では、顧客ニーズを「自店を利用することによって顧客が達成したい目的」と定義しており、顧客の声や行動などに基づいて事業者が汲み取っていくものと考えています。同店にはこれをお伝えした上で、顧客ニーズを洗い出していただきました。
持続化補助金に採択された眼鏡店の事例から学ぶ計画書の書き方【顧客ニーズと市場の動向】のポイント(2)調査の内容も示す
同店は、代表が独自に調査した結果を「市場の動向」として記載していました。ネットで拾ってきた調査結果よりも、独自調査の方がリアリティを感じるものですが、自社で独自に調査したのであれば、調査対象者数や調査期間、調査方法などを把握しているはずです。
これを示した上で調査結果を記載した方が、都合の良い内容をでっち上げているという穿った見方も排除しやすく、説得力向上が期待できるので、それらを盛り込んでいただきました。
持続化補助金に採択された眼鏡店の事例から学ぶ計画書の書き方【顧客ニーズと市場の動向】のポイント(3)不要な内容は盛り込まない
同店は、当補助金でテレビコマーシャルの作成・放送に要する費用の一部を調達しようとしていましたが、当欄にテレビコマーシャルの有効性に関する調査結果を盛り込んでいました。
ですが、同店を取り巻く外部環境として、顧客ニーズや眼鏡の市場規模を記載する中で、テレビコマーシャルに関する調査結果が盛り込まれているのは、どう見ても唐突感がありました。同店は、この記述によって補助事業の有効性に繋げようとしていた印象がありますが、不自然さがあるため、削除していただきました。
今回の記事では、採択を引き寄せる<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方として、(1)顧客ニーズを定義する、(2)調査結果以外の内容も示す、(3)不要な内容は盛り込まない、を挙げました。次回は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方を見ていきます。
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