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持続化補助金に採択された鍼灸院の事例から学ぶ計画書の書き方⑦

 「補助金は難しそう、面倒くさそう」と思ってらっしゃる方は、持続化補助金(通常枠)で50万円を得る手間と、日々の事業展開で50万円の利益を出す手間を比較していただきたいと思います。

 そして、持続化補助金申請のために採択レベルの計画書を作成する作業は、中長期的視点を授け、行き当たりばったりの事業展開を防止してくれるでしょうし、そのような視点から作成された計画書は、今後の事業展開をサポートしてくれるでしょう。さらに、当補助金を使って得た販促物や工事の結果は、さらなる収益をもたらす可能性を高めてくれます。

 そのようなメリットのある補助金ですが、申請時に提出する計画書の作成に苦労する事業者も多いはずです。過去6回にわたって取り上げた鍼灸院も同様な状況でしたが、当鍼灸院の代表はご自身なりに計画書を作成し、弊社ともにとその内容をブラッシュアップして申請した結果、無事採択されました。

 当鍼灸院における計画書のポイントをご紹介するシリーズ、最終回の今回は、<補助事業計画>「4.補助事業の効果」の書き方を見ていきます。

1.持続化補助金に採択された鍼灸院の事例から学ぶ計画書の書き方【補助事業の効果】編

持続化補助金に採択された鍼灸院の事例から学ぶ計画書の書き方【補助事業の効果】編(1)3者の効果を記載する

 「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」は、かつて近江商人が商売をする際に大事にした考え方と言われます。商売は販売する企業側だけでなく、購入する顧客側や、直接購入しない方も含めた社会にもメリットがあるべきという考え方です。

 これを踏まえて、同院は「訴求力の強化による利用者数の増加」といった内容の自社の効果、「同院の情報を把握することによる利用時の心理的ハードルの低下」といった内容の顧客の効果、「医療費の削減」といった内容の地域社会の効果を記載しました。

 多数の持続化補助金申請用の計画書を拝見していると、業績拡大という自社の効果だけを記載するケースが多い印象がありますが、顧客に効果があるからこそ業績は拡大するはずですから顧客の立場から効果は検討するべきです。また、補助金という公的資金を使おうとするわけですから、公的な視点から地域社会に及ぼす効果を検討することも妥当性があると言えるでしょう。

持続化補助金に採択された鍼灸院の事例から学ぶ計画書の書き方【補助事業の効果】編(2)見出しと内容が一致しているか検討する

 前述のように同院は、自社の効果・顧客の効果・地域社会の効果という3つの見出しを設け、その内容を記載していましたが、地域社会の効果に関する内容として、症状に応じた治療法を見つけることができるとともに、当院の連絡先が分かるといった内容の記載がありました。

 ですが、この内容は地域社会の効果ではなく、顧客の効果と呼ぶべきものです。よって、単に見出しを設けるのではなく、見出しの下に書かれた内容が見出しとマッチしているか検討していただきました。

持続化補助金に採択された鍼灸院の事例から学ぶ計画書の書き方【補助事業の効果】編(3)切り分けるべきか検討する

 前述の通り、同院は自社の効果・顧客の効果・地域社会の効果を記載していましたが、これらを補助事業である、ホームページの更新・web広告の出稿・リーフレットの作成それぞれに切り分けて記載していました。

 つまり、自社の効果として、ホームページの更新による効果・web広告を出稿する効果・リーフレットを作成する効果を記載し、同様に顧客の効果としてこれら3つの効果、地域社会の効果としてこれら3つの効果といった形でそれぞれ切り分けて記載していたのですが、これが却って冗長性を高めることになっている印象を受けました。

 切り分ける目的は、内容を整理して伝わりやすくするためですので、切り分けることでそれが果たせないのであれば、統合することも一考です。同院には、この点を検討していただきました。

 ここまで今回含め7回にわたり、持続化補助金に採択された鍼灸院の計画書作成事例をご紹介してきましたが、そのポイントは以下の通りです。これから持続化補助金の採択を目指す方の参考になれば幸甚です。

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