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持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例⑤

 行政が補助金を交付するということは、行政が手間をかけて徴収した税金を、さらに手間をかけて再配分するということです。そこには、再配分することによって、さらに税収を向上させようという意図が透けて見えます。そして、税収を向上させるには、企業の収益性を上げる必要があります。

 よって計画書を読んで、補助金を使うことで収益性が上がる取組をしてくれるかどうかが理解できなければ、補助金に採択はできないことになります。

 また、一時的に収益が上がっても税収増は一時的なものになってしまうので、継続的に相応の税収を得るためには、収益を上げる取組みよりも収益が上がる仕組みを構築する取組みが求められるでしょう。

 小規模事業者持続化補助金の採択を狙うのであれば、これらを踏まえて、今回見ていく<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を記載していく必要があります。そこで当記事では、当補助金に採択された鍼灸院が当欄をどのように記載したのかをご紹介していきます。

1.持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例⑤

持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容】編(1)全体像を示す

 同院は当欄冒頭に「販路開拓等の取組内容は、①チラシの作成・折込、②動画制作、③ホームページ立上げ、である」といった形で、補助事業の全体像を示しました。このように「何に補助金を使うのか」という点を主題にした補助事業の全体像を示すことで、読み手は全体を把握したうえで、細かな説明を読み込むことになるので、理解が進みやすくなることが期待できます。

 当欄の記載内容として、補助事業の背景に関する説明から始まり、自社の想い、置かれた状況、競合の攻勢などを文章だけでつらつらと書き連ね、結局何に補助金を使いたいのか、一読しただけでは良く分からないケースは意外と多いものです。

 このようなケースは、補助金を使うことで収益性が上がる取組をしてくれるかどうか、理解が困難ですから、採択は遠のくと考えられます。同院は色々述べたい気持ちを抑えて、まずは補助事業の全体像を示したことが、採択を引き寄せたポイントのひとつと考えられます。

持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容】編(2)具体的に示す

 同院は、①チラシの作成・折込、②動画制作、③ホームページ立上げの各補助事業について、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)の5W1Hを表にまとめ、記載しました。チラシの作成・折込であれば以下のような形です。

 これは、公募要領「書面審査」のページに、審査項目として「補助事業の具体性」が記載されていたためですが、具体的に内容を示すことで、補助事業計画の実行可能性を高めるという狙いもありました。

持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容】編(3)創意工夫の特徴を盛り込む

 同院は、各補助事業の説明を5W1Hでまとめて表に示したわけですが、その表の下に【創意工夫の特徴】という見出しを設け、どのような点に工夫を凝らしたのかを説明していました。例えばチラシの作成・折込であれば、チラシにイラストや写真を盛り込んで、同院を視覚的に訴求しようとした点を述べました。

 これは、公募要領「書面審査」のページに、審査項目として「創意工夫の特徴」が記載されていたためですが、これを記載することで特徴のある補助事業を創出することに繋がったと言えます。

 今回は、持続化補助金の採択でチラシの作成・折込の他に、動画制作とホームページの立上げも実施した鍼灸院が記載した<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の内容をもとに、採択の可能性を高める計画書の書き方のポイントとして(1)全体像を示す、(2)具体的に示す、(3)創意工夫の特徴を盛り込む、を挙げました。次回は「4.補助事業の効果」を見ていきます。

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