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持続化補助金に複数回採択された流通業の計画書作成事例④

 同社の主たる事業は制服や作業着の卸売・小売ですが、過去にネット通販を強化するべく、小規模事業者持続化補助金に採択され、ホームページ作成費用の一部を調達しました。さらに、その翌年に制服や作業着のカタログを作成する費用の一部を調達するべく、再度持続化補助金の採択を目指しました。

 この際に弊社が計画書の作成をご支援し、結果として採択されましたが、当記事では同社の事例を用いて、採択の可能性を高める計画書の書き方について述べていきます。今回は<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を記載する場合のポイントを見ていきます。

1. 持続化補助金に複数回採択された流通業の計画書作成事例「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」編

持続化補助金に複数回採択された流通業の計画書作成事例「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」編(1)見出しを設ける

 当欄のタイトルは「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」であり、文字通り「自社の強み」と「自社の提供する商品・サービスの強み」の記載が求められています。ただし、これらをまとめて記載しようとすると、内容が冗長になりがちで、伝えたいことが伝わりにくくなるリスクが発生します。

 そこで、同社では当欄に2つの見出しを設けました。1つ目は【自社の強み】であり、2つ目は【自社の提供する商品の強み】です。なお、この2つ目の見出しは、当欄のタイトルをそのまま利用すれば「自社の提供する商品・サービスの強み」になります。

 「サービス」とは、理美容やエステティックなどサービス業者が提供する「サービス」という捉え方と、「サービスでやっておきますね」「今回は1個サービスしますね」という無料「サービス」という捉え方があります。

 どちらが正しいということではありませんが、同社は前者の捉え方に基づき、制服や作業着という「商品」を販売しているものの「サービス」は提供していないと考え、「提供する商品の強み」としました。

持続化補助金に複数回採択された流通業の計画書作成事例「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」編(2)強みの説得力を向上させる

 前回お伝えした持続化補助金に複数回採択された流通業の計画書作成事例③では、市場動向として競合の状況を記載するべき理由を述べました。それは「強み」は競合と比較して優れているからこそ「強み」と言えるわけですから、比較対象となる具体的な競合を抽出し、その状況を記載することで、強みの説得力向上が期待できるということでした。

 よって、同社も「顧客ニーズと市場の動向」欄に競合動向を記載しましたが、それを受け「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」欄には「前述した競合他社と比較すると弊社の強みは以下と判断している」といった内容の記述を盛り込み、記載した強みの説得力向上を図りました。

持続化補助金に複数回採択された流通業の計画書作成事例「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」編(3)補助事業で活用する強みを示す

 中小企業における戦略策定の王道は「強みの活用」です。「弱みの克服」という方向性を戦略策定に用いることは、競合に追いつくことはできても大きな差別化は困難ですが、「強みの活用」は競合との差を広げ、市場で存在感を高めることが可能であるからです。

 そこで、同社は列挙した強みのうち一部の強みを赤字で示し、その強みが今回補助金を使って行う事業(補助事業)において活用する強みである旨、説明を盛り込みました。

 今回の記事では、複数回採択された事業者の事例を用いて<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」のポイントとして、(1)見出しを設ける、(2)強みの説得力を向上させる、(3)補助事業で活用する強みを示す、を挙げました。次回は引き続き<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」のポイントを見ていきます。

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