部下の遅刻を防ぐために上司ができる3つのこと
1.遅刻を防ぐために上司ができる3つのこと
■遅刻を防ぐには?
お笑いコンビ「和牛」が2024年3月末での解散を発表しました。この要因として ボケ役を担う水田氏の「複数回の遅刻」から、突っ込み役の川西氏との「漫才」に温度差が発生したとされています。
私もガソリンスタンド店長時代に、スタッフの遅刻を厳しく取り締まっていたことがありますが、怒鳴りつけたり罰金を徴収したりすることは、遅刻が無くなるのではなく、スタッフの退職を促すことになりました。
2004年7月に文京学院大学で実施した「女子大学生の遅刻に関する研究」において、遅刻者は非遅刻者と比べて、大学への適応感が低く、特に「教師との関係」「学習への関心」「学習への満足度」が低いことが分かっています。
このことは、職場で遅刻を防ぐためには「上司との関係性をより良好にすること」「業務への関心をより高めること」「業務への満足度をより高めること」と言えます。
そこで、今回の記事では、上記を踏まえ、遅刻を防ぐために上司ができる方策をご紹介します。
■遅刻を防ぐ方策
・関係性をより良好にする
上司と部下の関係性をより良好にするために、当記事では「ジョハリの窓」というコミュニケーションツールを取り上げます。これは、自分のことを下図のように4つの窓に分けて考え、より良いコミュニケーションの実現を目指すものです。
4つの窓は、自分も他人も分かっている開放の窓、自分は分からないが他人は分かっている盲点の窓、自分は分かっているが他人は分からない秘密の窓、自分も他人も分かっていない未知の窓です。
そして、開放の窓を広げることで、コミュニケーションの向上が期待できます。開放の窓を広げるには、以下の2つを行います。
まず、自己開示をして開放の窓を下に広げます。つまり「自分が分かっている自分」を他人に分かってもらって、秘密の窓を狭めるということです。
仕事のやりがいや苦手なこと、趣味や休日の過ごし方など、上司が自分のことを部下に話します。部下をリスペクトしながら、自分のことをオープンにしていきます。イメージとしては下図のようになります。
次にフィードバックを得て、開放の窓を横に広げます。つまり「他人が分かっている自分」を教えてもらって、「自分が分かっていない自分」を少なくし、盲点の窓を狭めるということです。
仕事の進め方や態度、印象など上司が部下から自分のことを聞きます。フィードバックは、ポジティブなものも改善点も含めて、具体的かつ建設的に受け入れます。イメージとしては下図のようになります。
自己開示とフィードバックは、お互いに影響します。自己開示をすれば、部下はフィードバックをしやすくなります。フィードバックを受ければ、自己開示をしやすくなります。このように、自己開示とフィードバックを繰り返すことで、開放の窓を広げ、コミュニケーションをとりやすくし、関係をより良好にしていきます。
・業務への関心をより高める
業務への関心をより高めるためには、部下自身に「業務を遂行できる」という信念や自信といった自己効力感を持たせることが有効です。そこで、当記事では、コーチングの手法である承認(アクノレッジ)を紹介します。
承認とは、事実を伝えることです。例えば、次のような言葉は承認になります。
「君のことを『あのスタッフの接客は素晴らしかった』と、お客様からお褒めの言葉をいただきました」
「昨年の同日と比べて、昨日の売上高は5万円も増えていましたね」
これらの言葉は、具体的な事実を伝えています。これに対して、賞賛や評価は、承認ではありません。なぜなら、解釈の余地があるからです。例えば、次のような言葉は賞賛や評価になります。
「あなたは、とても優秀なスタッフです」
「あなたは、いつも一生懸命に働いていますね」
これらの言葉は、スタッフの性格や能力をポジティブに評価しています。しかし、スタッフは、これらの言葉をどのように受け取るかはわかりません。「褒めて操ろうとしている」などとネガティブに解釈されてしまうと、かえってスタッフのモチベーションを下げてしまうことにもなりかねないことに注意が必要です。
・業務への満足度をより高める
業務の満足度をより高める方策のひとつに、仕事の意義を理解していただくことが挙げられますが、この件に関して、私は以下の経験をしました。
私がガソリンスタンドの店長時代に、クリスマスイブの夜間における人材不足に悩んだ時期がありました。これは、恋人がいないのに見栄を張って、シフトに入らないアルバイトスタッフが多かったことが原因です。
そこで、当日に休みを希望するスタッフに対して「クリスマスイブに給油や洗車をしてくれる我々がいるからこそ、恋人たちはドライブデートに出掛けることができる」と仕事の意義を説いたことがありました。
ですが、人材不足を補うために取って付けた仕事の意義を押し付けたところで、効果は非常に薄いものでした。仕事の意義は、本人に腹落ちさせる必要があります。
効果的だったのは、以下のような質問を日々投げかけ、本人に仕事の意義を考えてもらうことでした。
ガソリンスタンドの仕事をすることで、誰の役に立っているのか?
ガソリンスタンドの仕事をすることで、どんな社会的な問題を解決しているのか?
このような質問を通じて、本人なりに仕事の意義を見出していただいたところ、満足度が向上し、人員不足も解消できるようになりました。当然、遅刻をするスタッフは皆無となりました。
■まとめ
この記事では、遅刻を防ぐために上司ができる方策を3つご紹介しました。遅刻は、職場の雰囲気や生産性に悪影響を及ぼすことから、上司との関係や業務への関心や満足度に配慮する必要があります。遅刻を繰り返すスタッフに対しては、注意や指導を行うだけでなく、上記の方策を取り入れて、遅刻を防ぐための環境づくりを行っていきましょう。
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