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エステサロンが持続化補助金に採択された事例~「自店の強み」のポイント~

1. エステサロンが持続化補助金に採択された事例~自店の強みのポイント~

 小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)に採択されたエステサロンの計画書を事例として取り上げ、採択された要因を推察し、計画書作成のポイントを6回にわたって述べていきます。

 当シリーズ3回目となる今回の記事では<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の記載ポイントとして、①代表の経験・ノウハウに着目、②提供している施術に着目、③情報発信の取組みに着目、を挙げてそれぞれの内容を説明していきます。

エステサロンが持続化補助金に採択された事例~自店の強みのポイント1:代表の経験・ノウハウに着目

 事業者は日々、経営資源を活用して事業を展開していますが、この経営資源の構成要素として「人」「物」「金」「情報」が挙げられます。小規模事業者は、この経営資源のうち「人」つまり人的資源に依存する傾向が強いと言え、特に経営者が持つ経験やノウハウが業績に与える影響が大きく、同店はこの点に着目して強みを記載しました。

 「強み」は同業他社と比較して優れている必要がありますが、経験やノウハウは、同業他社と正確に比較することは困難ですので、同店はある程度の主観の下、代表の経験が豊富であり、対応できる顧客の悩みも広いことを記載しました。

エステサロンが持続化補助金に採択された事例~自店の強みのポイント2:提供している施術に着目

 経営資源のうち「物」つまり物的資源として、販売している「商品」が挙げられます。同店はフェイシャルエステという施術を提供していますが、これは同店の「商品」ということが出来、サービス業が扱う物的資源と捉えることが可能でしょう。

 自社の「商品」の強みを検討する場合は、QCDの観点を用いることで、ヌケモレのない視点で検討できます。これは、品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)を略したものであり、同店の施術は、品質(Quality)に強みを見出すことが出来ました。

 具体的には、有名なファッション誌の覆面調査を受け、高評価を獲得し、同誌に掲載されるようなレベルの施術品質であることを記載しました。

エステサロンが持続化補助金に採択された事例~自店の強みのポイント3:情報発信の取組みに着目

 経営資源の構成要素である「情報」つまり情報的資源の具体例として挙げられるのは、受発信している情報の質と量です。

 勉強会、業界紙、インターネットなどを通じて得ている情報が、競合が得る情報よりも希少なものだったり、競合よりも頻繁に情報を受け取ったりすることができていれば、強みとなり得ます。ただし、人的資源の強みでも述べたように、受け取る情報の希少性やその頻度は、同業他社と正確に比較することは困難です。よって、同店はある程度の主観の下、エステ機器や化粧品の勉強会に頻繁に参加して、情報収集に努めている点を強みとして記載しました。

 また、ブログ、SNS、ニュースレターなどを通じて提供している情報の専門性が、競合よりも高かったり、頻度が多かったりしていれば、こちらも強みとなるでしょう。同店は、長期間にわたりブログを通じて情報発信を継続しており、幅広い層へ美容に関する専門的な情報を提供し、信頼を得ている点を強みとして掲載しました。

 今回は、持続化補助金に採択されたエステサロンの<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を取り上げ、当欄の記載ポイントとして、①代表の経験・ノウハウに着目、②提供している施術に着目、③情報発信の取組みに着目、を述べました。

 次回は「4.経営方針・目標と今後のプラン」のポイントについて詳しく見ていきます。当欄は<経営計画>でこれまで見てきた内容を踏まえて記載するため、整合性が求められる重要なパートと言えます。ご期待ください。

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