経営革新計画で中古トラック販売店が業績回復-企業概要と経営理念が鍵-
1.経営革新計画で中古車販売店が業績回復-企業概要と経営理念が鍵-
■経営革新計画「企業概要」の重要性
一部企業の不正により、中古車販売業界は風評被害を受け、業績が厳しくなっていますが、かつて、ある中古車販売店は、経営革新計画を作成することで、業績を回復させました。そこで、同社の経営革新計画を事例として取り上げ、経営革新計画の作成方法を解説していきます。今回は「企業概要」について述べていきます。なお、経営革新計画の制度内容については以下の記事をご参照ください。
企業概要は、経営革新計画の最初の項目であり、重要な項目の一つです。企業概要をしっかりと記載することで、審査員は経営革新計画の全体像を把握しやすくなります。同社は企業概要として以下を記載しました。
1. 会社名
2. 事業所所在地
3. 代表者名
4. 設立時期
5. 資本金
6. 従業者数
7. 経営理念
8. 事業内容
9. 主要取引先
10. 取引銀行
11. 沿革
会社名、所在地、事業内容、代表者名、設立時期は、企業の基本情報です。資本金、従業者数は、企業の規模や実績を把握するのに役立ちます。経営理念は、企業の存在意義です。主要取引先、取引銀行は、企業の取引関係を把握するのに役立ちます。沿革は、企業の歴史や歩みを把握するのに役立ちます。
■経営理念の必要性
上述のとおり同社は「企業概要」に経営理念を盛り込みましたが、経営革新計画の作成を通じて、初めて経営理念を策定する企業は結構多い印象があります。つまり、それまでは経営理念の無い状態で経営をしてきたということですが、なぜ経営理念が必要なのでしょうか。
経営理念とは、企業が目指す方向性や価値観を明確にしたものであり、「当社はなぜ存在しているのか」という問いに対する解答です。よって経営理念は、自社の存在意義であり、経営者や従業員の判断基準となるだけでなく、顧客や取引先、地域社会など、利害関係者からの信頼を得るためにも重要な役割を果たします。
経営理念の必要性としては、以下の点が挙げられます。
1.経営の指針となる
経営理念は、企業の経営方針や事業戦略を決定する際に、重要な指針となります。経営理念を明確にすることで、経営の方向性がぶれることなく、着実に目標を達成する可能性が高まります。
2.社内の意思統一を図る
経営理念は、経営者だけでなく、従業員全員が共有するべきものです。経営理念を共有することで、経営者の意思を従業員に浸透させ、組織の一体感を高めることができます。
3.企業の魅力を高める
経営理念は、企業の魅力や価値を高める役割を果たします。経営理念が明確な企業は、顧客や取引先、地域社会など、利害関係者からの信頼を得やすくなり、企業価値の向上につながりやすくなります。
■経営理念策定時の注意点
経営理念を策定する際には、以下の点に注意するとよいでしょう。
1.企業の強みや弱み、機会や脅威を分析する
経営理念を策定する際には、まず、自社の現状をしっかりと分析する必要があります。強みや弱み、機会や脅威を分析することで、経営理念の方向性を明確にすることができます。
2.経営者の想いやビジョンを反映する
経営理念は、経営者の想いやビジョンを反映したものであるべきです。経営者の想いやビジョンが経営理念に反映されることで、従業員のモチベーションを高め、企業経営の成功につながります。
3.利害関係者からの意見を反映する
経営理念は、取引先や従業員、金融機関など利害関係者からの意見を反映したものであるべきです。それにより、企業経営の透明性や信頼性を高めることができます。
経営理念は、企業経営の基本となる重要なものです。経営理念をしっかりと策定し、経営に活かすことで、企業の成長と発展につながります。
■まとめ
今回の記事では、経営革新計画の最初の項目である「企業概要」について解説しました。企業概要は、自己紹介の意味合いを持ち、審査員に経営革新計画の理解を深めていただくための重要な項目です。
また、経営理念は、企業の存在意義であり、経営革新計画の策定に欠かせない要素です。経営理念を策定することで、経営の指針となるだけでなく、社内の意思統一や魅力の向上につながります。
本記事で解説した内容を参考にして、自社の経営革新計画の冒頭部分「企業概要」を記載してみてはいかがでしょうか。
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