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持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方③

 小規模事業者持続化補助金に採択された美容室の計画書を参考に、前回・前々回と採択を引き寄せる計画書の書き方について、そのポイントを見てきました。そのうち、前回の記事で見てきた<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」欄に、同店は「市場の動向」として競合の動向を記載したことを述べました。

 このことは、今回見ていく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の説得力を高めることに繋がるでしょう。「強み」は、競合と比べて優れている経営資源ですから、比較対象である競合の動向を示していることは、強みとして記述した内容の根拠となり得るからです。

 このことは、下図に示した公募要領「書面審査」の下線部分「自社の強みも適切に把握しているか」という審査項目にも対応することになりますが、では、具体的に同店はどのようにして当欄を記載したのか、以下でご紹介していきます。

1. 持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方【自社や自社の提供する商品・サービスの強み】編

持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方【自社や自社の提供する商品・サービスの強み】編(1)内容を切り分ける

 当欄のタイトルは「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」ですが、当欄に見出しを設けて、内容をグルーピングすることは思考が整理され、読みやすさも向上します。そのことは、読み手の計画書の内容に対する理解が深まりやすくなりますので、伝えたいことが伝わりやすく、採択にポジティブな影響を及ぼすと言えるでしょう。

 同店は当欄を「自社の強み」「自社の提供する商品の強み」「自社の提供するサービスの強み」という形で3つに切り分けました。「自社の強み」では主に経営者のスキルやノウハウに関する優位性、「自社の提供する商品の強み」では主に施術に使用する髪の染料やシャンプーの優位性、「自社の提供するサービスの強み」では美容師として提供している施術品質の優位性を述べました。

 この切り分けも適切な切り口を使わないと、逆に説得力が下がってしまうリスクがありますが、同店は当欄のタイトル「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を用いて、「自社の強み」「自社の提供する商品の強み」「自社の提供するサービスの強み」と適切な切り分けをしていたことも、採択を引き寄せたポイントと考えられます。

持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方【自社や自社の提供する商品・サービスの強み】編(2)エピソードを盛り込む

 同店を利用した顧客がある日買い物をしていたところ、その方の髪質や髪型に見惚れた初対面の方に「どちらの美容室でカットをされているんですか」と聞かれたというエピソードがあります。

 同店は施術品質が高いわけですが、このようなエピソードを強みとともに盛り込むことは、内容に臨場感やリアリティが追加され、説得力向上という効果が期待できます。記載したあらゆる強みにこのようなエピソードを盛り込めるわけではありませんが、可能であればそのような内容も盛り込むと、採択をより引き寄せる可能性が高まるはずです。

持続化補助金に採択された美容室の事例から学ぶ計画書の書き方【自社や自社の提供する商品・サービスの強み】編(3)補助事業に活用できる強みを示す

 同店は店舗改装をして新規事業を立ち上げようとしており、それが補助事業ということになります。よって補助事業が上手くいく根拠として、前回見てきた「顧客ニーズと市場の動向」で、同店が実施する新規事業に対するニーズがあること、新規事業での競合には弱みがあることを述べました。

 さらには、新規事業に活かすことが出来る強みが自社にあることを「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」で述べれば、新規事業が上手くいく可能性が高いことをより強く訴求できます。

 同店は、新規事業に活かすことのできる強みを記載していましたが、既存事業だけに活かすことのできる強みに比べると内容がやや薄い印象を受けました。さらには、今後の方針といった「強み」ではない内容も記載されており、これらを改善するとより採択は確実になったのではないのでしょうか。

 今回の記事では持続化補助金に採択された美容室の事例から、採択を引き寄せる<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方として(1)内容を切り分ける、(2)エピソードを盛り込む、(3)補助事業に活用できる強みを示す、を挙げました。次回は「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。

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