持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例④
今回見ていく＜経営計画＞「３．自社や自社の提供する商品・サービスの強み」は文字通り自社の強みを記載する欄です。自社の強みがない事業者は存在しないはずですが、自社に強みがあることに気付いていない事業者は相当数に上るはずです。
今回、事例としてご紹介するスポーツ用品店もその傾向が感じられましたが、計画書を何度も作り直すうちに、しっかりとした自社の強みを認識することができるようになりました。
そのことは、自社の強みを活かした事業展開を行う下地ができたことを意味しており、当補助金の採択を引き寄せることに繋がります。では、具体的に同店はどのように当欄を記載したのか、見ていきます。
１． 持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【自社や自社の提供する商品・サービスの強み編】
持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【自社や自社の提供する商品・サービスの強み】のポイント（１）経営資源の切り口を活用する
「強み」という言葉を定義できず、なかなか自社の強みを見出せないケースが散見されます。弊社では、強みを「競合よりも優れている自社の経営資源」と定義していますが、経営資源の構成要素は「人」「物」「金」「情報」とされています。
そこで、同店は「人的資源の強み」「物的資源の強み」「財務的資源の強み」「情報的資源の強み」といった切り口を用いた結果、多くの強みを見出すことができ、それらを記載しましたが、このように多くの強みを記載できたことは採択を引き寄せたポイントと考えられます。
持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【自社や自社の提供する商品・サービスの強み】のポイント（２）複数階層の見出しを設ける
同店は前述の通り、多くの強みを見出しましたが、単純にそれを羅列しただけでは、読みにくくなってしまいます。そのことは、読み手の集中力を削ぎ、伝えたいことが伝わりにくくなってしまうリスクを高めてしまうでしょう。
そこで、同店は（１）人的資源の強み、（２）物的資源の強み、（３）財務的資源の強み、（４）情報的資源の強み、という4つの見出しを設け、強みをグルーピングしますが、それぞれの見出しに続く文章が多すぎる印象を受けました。
この対策として「（１）人的資源の強み」であれば、その下に①経営者の強み、②後継者の強み、③その他スタッフの強み、といった形で複数階層の見出しを設けました。タイトルである「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」には「３．」と点付き数字がありますから、その下の大見出しは「（１）」のようにカッコ付き数字、その下の小見出しは「①」のように丸囲み数字としました。
このように、複数階層の見出しを設け、内容を整理して読みやすくしたことも、同店が採択を引き寄せたポイントと考えられます。
持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【自社や自社の提供する商品・サービスの強み】のポイント（３）補助事業に活用できる強みを盛り込む
同店は、当補助金で足型測定器を導入する費用の一部を調達しようとしていました。その目的は、その顧客に最適なインソール（シューズの中敷き）を提供するためですが、当欄には、このインソールに関する強みも盛り込みました。
具体的には、このインソールに関する高い専門性や、充実したアフターサービスということですが、このように補助事業に活用できる強みを述べたことは、採択を引き寄せたポイントと考えられます。
なお、多くの強みを列挙した場合、このような補助事業に活用できる強みは、赤字や太字にするなど目立つようにしたり、その強みが補助事業で活用する強みであることを説明したりすることは、計画の有効性をより訴求することに繋がるでしょう。
今回の記事では、小規模事業者持続化補助金に採択されたスポーツ用品店の計画書をもとに、採択を引き寄せる＜経営計画＞「３．自社や自社の提供する商品・サービスの強み」における書き方のポイントとして、（１）経営資源の切り口を活用する、（２）複数階層の見出しを設ける、（３）補助事業に活用できる強みを盛り込む、を挙げました。
次回は同店が記載した「４．経営方針・目標と今後のプラン」から採択を引き寄せたポイントを見ていきます。
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