持続化補助金の計画書記載例（宿泊業）から紐解く採択のポイント（４）
下のグラフは、中小企業庁が2016年に公表した調査結果ですが、調査の対象となった4,857の小規模事業者のうち、売上が増加した者の占める割合は27.5%となっています。
また、対象となった4,857の小規模事業者のうち、事業計画を作成したことがある事業者は2,575者、このうち売上が増加した者が占める割合は34.0％であり、全調査対象4,857者の中で売上が増加した者の占める割合の27.5%を上回っています。
そして、対象となった4,857の小規模事業者のうち、事業計画を作成したことがない事業者は2,282者、このうち売上が増加した者が占める割合は20.2％であり、全調査対象4,857者の中で売上が増加した者の占める割合の27.5%を下回っています。
このことは、計画を作成することで業績が拡大する可能性が高まることを示しており、小規模事業者持続化補助金（持続化補助金）に応募する際の＜経営計画＞を作成することも、同様の効果が見込めると言えます。そして、当補助金に採択されるような完成度の高い計画書が、業績拡大の可能性をより高めると言えるでしょう。
当記事では、下記に示した持続化補助金ホームページで公開されている計画書記載例のうち、宿泊業を採り上げ、＜経営計画＞「４．経営方針・目標と今後のプラン」をどのように記載すれば計画の完成度が高まり、採択を引き寄せることが出来るのかを述べていきます。
【商工会議所管轄地域で事業を営んでいる方向け】
【商工会管轄地域で事業を営んでいる方向け】
１． 持続化補助金の計画書記載例（宿泊業）から紐解く採択のポイント（４）
持続化補助金の計画書記載例（宿泊業）から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】①見出しを設ける
見出しを設けることで、内容がグルーピングされ、整理しやすくなります。当記載例では【今後のプラン】【目標】と見出しを設け、【今後のプラン】の下には＜手軽さに特化した日帰りプランを新設＞など、さらに５つの小見出しを設け、上記の効果を狙っています。
なお、当記載例では【今後のプラン】【目標】など第１層の見出しには「【】」を用いており、その下の第２層は「＜＞」を用いていますが、各層に「【】」と「＜＞」が混在しないように留意する必要があります。このような混在は、割と多く見受けられるミスで、読み手の混乱を招いてしまい、結果として審査に好影響は及ぼさないでしょう。
持続化補助金の計画書記載例（宿泊業）から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】②目標を数値で示す
目標は達成することが前提ですから、達成率を測定する必要があります。よって、目標は数値で示すことが目標設定の有効性を高めると言えるでしょう。当記載例では、今年・1年後・2年後の売上金額、宿泊客数とその単価、日帰り客数とその単価を目標として掲げ、達成率を測定できるようにしています。
また、これらの内容を文章で示すのではなく、一覧表にして見やすくしている点も、採択にポジティブな影響を及ぼすものと考えられます。
持続化補助金の計画書記載例（宿泊業）から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】③スケジュールを示す
計画は具体的であればあるほど、実現性が高まりますが、具体性を持たせるひとつの手段としてスケジュールを示すことが挙げられます。当記載例では＜市内への折込チラシおよびDM発送＞という見出しの下で「折込チラシの実施を本年〇月までに制作し、〇月中に発送」（原文ママ）とスケジュールを示しています。
このように時間軸を意識した記載も審査結果にポジティブな影響を及ぼすと考えられるでしょう。
今回の記事では、採択を引き寄せる完成度の高い＜経営計画＞「４．経営方針・目標と今後のプラン」を作成するためのポイントとして、①見出しを設ける、②目標を数値で示す、③スケジュールを示す、を挙げました。次回の記事では＜補助事業計画＞「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」の記載ポイントを見ていきます。
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