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持続化補助金の計画書記載例(宿泊業)から紐解く採択のポイント(2)

 私たちの自宅は、最寄駅、バス停、コンビニ、学校、山、川、畑など様々なものに囲まれています。これらは自身で増やしたり無くしたりすることが困難なものです。そして、例えば自宅のそばにあったコンビニが何らかの理由で無くなったとしたら、ご自身の買い物行動は変化するはずです。
 
 つまり、外部環境が変化すれば、ご自身の行動はそれに応じたものにする必要があるということです。

 これと同様に、私たちの事業にも顧客、市場、競合、法律、景気などといった外部環境があり、この変化に応じた経営が必要と言えます。そして、多くの場合、外部環境の変化は小さいものであり、それが積み重なって大きな変化になると言えますので、その変化を察知できるようにアンテナの感度を高めておく必要があります。

 小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)に応募するには、そのような外部環境がどうなっているのかという点を<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」に記載しますが、以下の持続化補助金ホームページでは、計画書の記載例が公開されています。

【商工会議所管轄地域で事業を営んでいる方向け】

【商工会管轄地域で事業を営んでいる方向け】

 今回の記事では、宿泊業の計画書記載例を参考に採択を引き寄せる「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方について、そのポイントを見ていきます。

1. 持続化補助金の計画書記載例(宿泊業)から紐解く採択のポイント(2)

持続化補助金の計画書記載例(宿泊業)から紐解く採択のポイント【顧客ニーズと市場の動向編】①見出しを設ける

 当記載例では、【宿泊市場】【顧客ニーズ】【競合について】と3つの見出しを設けていますが、このように見出しを設けることは、内容が整理され、読みやすくなることが期待できます。

 ただし、このメリットを享受するには適切な見出しであることが大前提と言えます。当欄は「顧客ニーズ」と「市場の動向」の記載が求められており、記載例ではそれに応じた見出しを設定しています。この点は、採択を引き寄せるポイントと言えるでしょう。

持続化補助金の計画書記載例(宿泊業)から紐解く採択のポイント【顧客ニーズと市場の動向編】②需要動向を述べる

 当記載例では【宿泊市場】という見出しの下で、新型コロナウイルス感染症の影響によって、需要が減少してしまったことを述べています。そして【顧客ニーズ】という見出しの下で、外出自粛が緩やかになり、出かけたいニーズが高まっていることを述べ、今後は需要が拡大する見込みであることを示しています。

 このように、過去から現在、そして今後という視点で需要の変化を説明することは、市場の動向がよく分かるため、採択を引き寄せるポイントと言えるでしょう。

持続化補助金の計画書記載例(宿泊業)から紐解く採択のポイント【顧客ニーズと市場の動向編】③競合動向を述べる

 当記載例では、競合先の情報も記載しています。このように競合へ目を向けることは、差別的優位性の構築に役立つことが期待できます。

 特に「2.顧客ニーズと市場の動向」の次にある「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」欄に記載する内容は、競合と比較して優れている内容を記載しますから、その競合に目が向いていることは、自社の強みとして記載した内容の説得力を高めることに繋がるでしょう。

 今回の記事では、採択を引き寄せる「2.顧客ニーズと市場の動向」の記載ポイントとして、①見出しを設ける、②需要動向を述べる、③競合動向を述べる、を挙げました。次回の記事では「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の記載ポイントを見ていきます。

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