小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例(2)
小規模事業者持続化補助金を申請する場合に作成する<経営計画>には、今回見ていく「2.顧客ニーズと市場の動向」欄があり、当欄に外部環境を記載することとなっています。これをきっかけに外部環境に意識を向けていただくことで、環境変化に応じた経営をすることが可能になります。
では、当欄には具体的に何をどのように記載するべきなのか、当補助金に採択された自動車整備工場の計画書を事例として採り上げ、以下でそのポイントを述べていきます。
1. 小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例【顧客ニーズと市場の動向編】
小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例【顧客ニーズと市場の動向編】①当欄を切り分ける
当欄は、顧客ニーズと市場の動向という大きく2つの内容を記載する欄ですが、この2つをまとめて書こうとすると内容が混在し、読みにくくなってしまうリスクを抱えてしまいます。それは、読み手の理解を妨げることに繋がり、採択にポジティブな影響は及ぼさないことになります。
読み手が計画書の内容を理解さえすれば、採択されるわけではありませんが、読み手が計画書の内容を理解できなければ、不採択になる可能性は、ほぼ100%になるでしょう。
そこで同社は「顧客ニーズ」「市場の動向」という2つの見出しを設け、当欄に記載する内容を切り分け、当欄の内容を整理し、読みやすさを向上させました。
小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例【顧客ニーズと市場の動向編】②人口動向を記載する
同社は「市場の動向」という見出しの下に、同社が立地する自治体の人口動向を記載しました。具体的には、総人口、15歳未満の年少人口、15歳以上65歳未満の生産年齢人口、65歳以上の老年人口のそれぞれが、過去から現在までどのように推移して、今後はどのように推移する見込みなのか、文章での説明とともにグラフも盛り込みました。
このような人口動向データは、地域経済分析システムと呼ばれるRESAS(リーサス)が役に立ちます。パソコンやスマホさえあれば無料でどなたでも利用できるサイトですが、同社はこれを活用して、上記の内容を盛り込みました。
小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例【顧客ニーズと市場の動向編】③競合動向を記載する
前述のように、同社は「市場の動向」という見出しの下に人口動向を記載したわけですが、その他に競合の社名・住所・URL・特徴を記載した一覧表も盛り込みました。
競合と比較して優れている経営資源を「強み」と呼んでいますが、比較対象がどうなっているのかを示すことで、当欄の次にある「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に記載した「強み」の説得力が向上すると言えます。よって、同社のように「市場の動向」として、競合動向を記載することは妥当性があると言えるでしょう。
今回の記事では、持続化補助金に採択された自動車整備工場の計画書を題材に、採択を引き寄せる<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の記載ポイントとして、①当欄を切り分ける、②人口動向を記載する、③競合動向を記載する、を挙げました。次回は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の記載ポイントを見ていきます。
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