良い顧客サービスを提供する方法とは?ベテランスタッフの育成も重要!
1.良い顧客サービスを提供する方法とは?ベテランスタッフの育成も重要!
※当記事は2020年8月2日にメルマガで配信した記事に加筆修正をしたものです。LINEのおともだちに登録されると、このようなロードサイド店舗の経営に関する記事が原則週1回ペースで配信されます。
良い顧客サービスを提供するポイント
ネット通販が普及した今、良い顧客サービスを提供することは、リアル店舗経営にとって非常に重要です。実際に、先日私が経験した傘を買ったお店の対応が、その重要性を改めて感じさせてくれました。
もともと使っていた古い傘が雨漏りをするので、買い換えたのですが、購入してからひと月後に、この新品も雨漏りがするようになりました。そこで、買ったお店に修理の依頼に行きました。
店舗スタッフが、私の話を聞きながら修理伝票に記入していると店内にいたあるベテランスタッフが、私たちに割って入りました。
「ちょっとこの傘拝見してもよろしいですか」と言って、雨漏りした傘を持ち、店内の奥の方へ消えました。
その後、もともと私の接客をしていた店舗スタッフは、中断した修理伝票の記入を続けていましたが、ほどなくして先ほどのベテランスタッフが戻ってきて言いました。
「この傘、まだ新しいので修理ではなく、新品と交換するか、返金したいと思いますがいかがですか」
そのような提案は想定外でしたが、お言葉に甘えて新品に交換していただきました。購入後、ひと月で雨漏りする傘は欠陥品と呼ばれても致し方ありません。
「欠陥品を掴まされ、修理に出した」と話を広められるよりも「欠陥品を掴まされたが、新品と交換してくれた」と話を広められた方が得策です。さらにその対応は私をリピーターにする可能性を高めます。
このベテランスタッフは、顧客のニーズを理解し、その期待を超える対応をしており、顧客満足を高め、リピーターになる可能性を高めています。しかし、ベテランは扱いにくいとおっしゃる経営者や管理職がいます。
ベテランスタッフの育成
ベテランスタッフは、自分の考えを持っており、それを曲げない頑固な方もおり、上司としてどうも扱いにくいと感じているのなら、部下の成熟度によってリーダーの行動を変えるべきという状況適合型リーダーシップを実践すると効果的かもしれません。
状況適合型リーダーシップでは、リーダーの行動を「支援的行動」と「指示的行動」の2つに分類します。支援的行動とは、部下をサポートし、能力を向上させるための行動です。指示的行動とは、部下に具体的な指示を出し、仕事を完了させるための行動です。
そして、部下の成熟度を「未熟な状態」「成長してきた状態」「成熟した状態」「熟練の状態」の4つに分類します。それぞれの状態は以下の通りです。
未熟な状態:経験や能力が不足している状態。
成長してきた状態:経験や能力はあるが、まだ十分ではない状態。
成熟した状態:経験や能力が十分にある状態。
熟練の状態:経験や能力が豊富で、自律的に仕事を進められる状態。
状況適合型リーダーシップでは、部下の成熟度に応じて、支援的行動と指示的行動の量を以下のように調節します。
未熟な状態の部下:支援的行動を多くし、指示的行動を少なくします。
成長してきた状態の部下:支援的行動と指示的行動をバランスよく行います。
成熟した状態の部下:指示的行動を少なくし、支援的行動を多くします。
熟練の状態の部下:支援的行動と指示的行動をほとんど行わず、部下に任せます。
上記の概念を示したものが下図となります。
状況適合型リーダーシップでは、部下のスキルが、上図の①~④のうち、どのゾーンのレベルになっているのかを見極め、そのレベルに応じた支援的行動と指示的行動の量を調節していくことが重要です。
ベテランスタッフは上図④の成熟の領域に該当しますので、教育をしようと指示的行動を増やしたり、出来ない仕事を支援しようと支援的行動を増やすのではなく、基本的に任せることが必要です。
そして、彼らの意見を聞き、誤解があればそれを解いたり、上司として得ている情報を与えたりして、彼らの仕事の有効性を高めていくことがポイントです。
経営層・管理層は、このようにしてベテランスタッフを育てることで、店舗として良い顧客サービスを提供することができますし、ベテランスタッフの経験や知識を共有することで、スタッフ全員のレベルを向上させることができます。
良い顧客サービスを提供することは、店舗経営にとって重要です。良い顧客サービスを提供することで、顧客の満足度を向上させ、リピーターが増え、売上増加も期待できます。
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