【2023年6月1日締切り】持続化補助金<第12回>公募要領のポイント(1)
小規模事業者持続化補助金第12回の公募要領が2023年3月3日に下記サイトより公表されました。
【商工会議所管轄地域で事業を営んでいる方向け用サイト】
【商工会管轄地域で事業を営んでいる方向け用サイト】
第12回の公募要領を拝見すると、これまでの持続化補助金制度からいくつか変更点がありますが、それも含めてこの公募要領の理解が深まるように、解説していきます。初回の今回は、当補助金制度の概要を公募要領に基づき、見ていきます。
1.【2023年6月1日締切り】持続化補助金<第12回>公募要領のポイント[事業概要編]
【2023年6月1日締切り】持続化補助金<第12回>公募要領のポイント[事業概要編]①通常枠は補助率3分の2、補助上限額は原則50万円
当公募要領1ページには「事業概要」として「本補助金事業は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。」とあります。
つまり当補助金制度は、販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組に要する経費の全額ではなく、一部を補助するものであり、ここでいう「一部」は通常枠の場合、補助対象経費額の3分の2、50万円までとなっています。
よって、上限の50万円を補助金として得たいのであれば、75万円の補助対象経費を使用する必要があるということになります。
【2023年6月1日締切り】持続化補助金<第12回>公募要領のポイント[事業概要編]②特別枠の補助率は原則3分の2、補助上限額は原則200万円
今回の持続化補助金では「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」の4つが特別枠として設けられています。
前述のとおり、通常枠は補助率3分の2、補助上限額50万円ですが、これら特別枠の補助率は原則3分の2、補助上限額は原則200万円となっています。つまり、補助上限額200万円を補助金として得たいのであれば、300万円の対象経費を使用する必要があるということです。
ただし、これは原則としてという前置きが付くわけで、以下で述べる条件を満たすと、補助率や補助上限額が引き上がる制度となっています。
【2023年6月1日締切り】持続化補助金<第12回>公募要領のポイント[事業概要編]③補助率が引上げられる場合がある
賃金引上げ枠の内容は別の記事で詳しく述べますが、公募要領8ページにあるように「補助事業実施期間に事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上とした事業者」のうち、赤字事業者に対しては、補助上限額200万円はそのままで、補助率が3分の2から4分の3に引き上げられます。
つまり、賃金引上げ枠を活用しようとする赤字事業者が、補助上限額200万円を申請する場合に使うべき補助対象経費額は、補助率3分の2に相当する300万円ではなく、補助率4分の3に相当する約267万円で済むということです。
【2023年6月1日締切り】持続化補助金<第12回>公募要領のポイント[事業概要編]④インボイス特例が新設
前回までの持続化補助金制度では、免税事業者がインボイス制度に対応する場合は、補助率は3分の2で変わらないものの、補助上限額が100万円に引き上がる「インボイス枠」がありました。
今回は当枠が撤廃されましたが、免税事業者がインボイス制度に対応する場合は「インボイス特例」として、それぞれの枠に50万円が上乗せされることになりました。つまり、そのような事業者が補助率3分の2、補助上限額50万円の通常枠を活用しようとする場合、補助率はそのままで、補助上限額が100万円となります。
これは従来の「インボイス枠」の内容と同一のものとなりますが、第12回のそれが異なるのは、50万円の上乗せが特別枠にも適用されるということです。
例えば、黒字事業者が賃金引上げ枠を活用する場合、補助率3分の2、補助上限額200万円となりますが、これにインボイス特例が適用されると、補助率3分の2のままで、補助上限額は250万円となり、375万円の補助対象経費を使えば、補助上限額を持続化補助金で得ることが計算上は可能となります。
さらに、赤字事業者が賃金引上げ枠を活用する場合にインボイス特例が適用されると、補助率4分の3のままで、補助上限額は250万円となり、同額を持続化補助金で得ようとするなら、計算上は約334万円の補助対象経費の使用で済むということになります。
今回は、持続化補助金第12回の公募要領のポイントとして①通常枠は補助率3分の2、補助上限額は原則50万円、②特別枠の補助率は原則3分の2、補助上限額は原則200万円、③補助率が引き上げられる場合がある、④インボイス特例が新設、を述べました。次回は、インボイス特例に関連してインボイス制度について見ていきます。
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