持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント②
補助金に採択されることを望むなら(この記事を読まれている方はみんなそうだと思いますが)、その補助金のルールを知る必要があります。これは、野球の試合に勝ちたかったら、ルールを知る必要があることと同義で、公募要領は補助金のルールブックです。
それぞれの補助金には、それぞれのルールがありますから、小規模事業者持続化補助金に採択されることを望むのであれば、当補助金の公募要領からルールを知る必要があります。そしてこの公募要領の中には、どのような観点で審査がなされるのかという「審査の観点」というページがあります(下図参照)。
上図の下線部分に「経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。」とあります。今回見ていく<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」は「対象とする市場(商圏)の特性」と言い換えることができ、これを適切に捉えていることは、後日詳しく解説する<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」の有効性を高める前提となり、採択に影響を及ぼします。
首都圏のベットタウンに立地する、あるカフェは当補助金で看板の制作費用の一部を調達しようと考え、補助金申請用の計画書を作成しました。そして、採択の可能性を高めるべく、弊社がブラッシュアップのご支援をしましたが、今回の記事では「顧客ニーズと市場の動向」欄を記載するポイントについて、同店の計画書を基に見ていきます。
1.持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【顧客ニーズと市場の動向】編
持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【顧客ニーズと市場の動向】編(1)見出しをグルーピングする
同店が事前に作成した「顧客ニーズと市場の動向」を拝見したところ、当欄には7つの見出しが設けられていましたが、これらはどうも脈絡がないように見受けられました。
当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」であり、求められている内容は「顧客ニーズ」と「市場の動向」と解釈できますので、まずは大きく「顧客ニーズ」と「市場の動向」という見出しを設け、その下に該当する内容の見出しを配置していただきました。
思いついた順に見出しを設けても内容が散乱するだけで、読み手に伝えたいことが伝わらないリスクが発生しますので、多数の見出しを設ける場合は「顧客ニーズ」のグループと「市場の動向」のグループに分けることでスッキリとまとまりやすくなるでしょう。
持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【顧客ニーズと市場の動向】編(2)市場の動向から言えることを述べる
同店は、商圏内の人口動向や飲食業の市場規模などを「市場の動向」として述べていましたが、それらを「述べただけ」に留まっていました。このことは、外部環境の分析がなされていないことを意味します。
ある居酒屋では、商圏内の人口動向を年齢別に示し、商圏内に高齢者が増加したことを踏まえて、今後は高齢者向けのサービスを展開していくことを述べ、「経営方針・目標と今後のプラン」に活用していました。このように、自社の戦略を策定する材料として「市場の動向」を活用するという意識が重要だと考えられます。
よって同店にも、どのようにして記載した「市場の動向」を活かすのか、また、活かすことの出来る「市場の動向」を記載する必要性をご理解いただき、書き直していただきました。
持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【顧客ニーズと市場の動向】編(3)今後応えていくニーズを明確にする
小規模事業者持続化補助金を活用する目的として「業績の拡大」を挙げる事業者がほとんどだと思いますが、そのためには補助事業で「顧客ニーズ」に応えていく必要があります。同店は「顧客ニーズ」を列挙していましたが、今後はどの顧客ニーズに応えていくのかが分かりにくい内容となっていました。
ある事業者は、列挙した顧客ニーズの一部を赤文字にして、それらが今後応えていくニーズであることを述べ、「経営方針・目標と今後のプラン」に活用していましたが、このように、戦略の妥当性を示す根拠として「顧客ニーズ」を活用するという意識が重要だと考えられます。
よって同店にも、記載した「顧客ニーズ」のうちどれに応えていくのかを意識し、見直していただきました。
今回は、持続化補助金で看板を制作した飲食店の<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の内容から、採択を引き寄せるポイントとして(1)見出しをグルーピングする、(2)市場の動向から言えることを述べる、(3)今後応えていくニーズを明確にする、を挙げました。次回は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。
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