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持続化補助金に採択された鮮魚店の事例から学ぶ計画書の書き方(2)

 自社を取り巻く外部環境は変化するものですから、その変化に応じた自社の戦略を検討するために、まずは外部環境が現在どのようになっているのかを把握する必要があります。

 外部環境には、政治・法律・文化・経済・社会といったマクロ環境と呼ばれるものと、業界・得意先・仕入先・同業他社といったミクロ環境と呼ばれるものがありますが、小規模事業者持続化補助金に申請する際に作成する<経営計画>では、主にミクロ環境に分類される外部環境を記載します。

 今回の記事では、当補助金に採択された鮮魚店が<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」欄に何をどのように記載したのかを見ていきます。

1. 持続化補助金に採択された鮮魚店の事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]

持続化補助金に採択された鮮魚店の事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]①適切な見出しを設ける

 同店は当欄に【顧客ニーズ】と【市場の動向】と見出しを設けました。このように見出しを設けることで、書く側としてはその見出しに沿った内容を記載しようという意識が働き、記載した内容がテーマから逸れにくくなることが期待でき、このことは結果として内容が整理され、読みやすさの向上に繋がるでしょう。

 もっとも、そのようなメリットを得るには適切な見出しを設ける必要がありますので、同店は当欄のタイトル「顧客ニーズと市場の動向」活用して【顧客ニーズ】と【市場の動向】と見出しを設けました。

持続化補助金に採択された鮮魚店の事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]②競合動向を記載する

 同店は【市場の動向】という見出しの下で競合の社名、立地、特徴などを記載しました。このように競合動向を記載することは、当欄の次にある「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に記載した内容の説得力を高める効果が見込めます。

 その理由は、「強み」とは競合他社と比べて優位性のある経営資源と言うことができ、その比較対象の情報を示すことによって、記載した「強み」は競合他社と比較した結果であることが訴求できるからです。このように外部環境として競合の動向を示したことも採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

持続化補助金に採択された鮮魚店の事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]③ビジュアルに訴求する

 同店は、競合の立地を説明する際に、地図を盛り込みました。また、同店は鮮魚の他に総菜も提供していますが、総菜の市場規模を説明する際に、グラフを盛り込みました。このように、ビジュアルに訴求することは、感覚的に理解することが可能となり、読み手が理解に苦しむというリスクを低減することが可能となります。

 このように図表を用いることは、採択を引き寄せる有効な方策と言えますが、盛り込みすぎて制限枚数の8枚をオーバーしたり、8枚に収めるべく図表を小さくしすぎて何を示した図表なのかが不明となったりしないようにすることが留意点と言えるでしょう。

 今回の記事では、持続化補助金に採択された鮮魚店の事例から<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の記載ポイントとして①適切な見出しを設ける、②競合動向を記載する、③ビジュアルに訴求する、を挙げました。外部環境を適切に把握し、分かりやすい記述を意識していただけたらと思います。

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