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割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイント⑥

 公的資金である補助金を申請し採択されるには、自社が補助金を使って効果を出せることについて、読み手に納得していただく必要があると言えます。そして、自社だけが補助金による効果を享受するのではなく、より幅広い方々が効果を得られるように、多面的にその効果を検証し、訴求することが採択を引き寄せるでしょう。

 当記事では小規模事業者持続化補助金の採択を引き寄せるために<補助事業計画>「4.補助事業の効果」をどのように記載するべきか、下記サイトからダウンロードできる割烹料理店の計画書記載例を用いて、そのポイントを見ていきます。

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 以下は、今回見ていく記載例ですが(ボリュームが大きいので2つに分けています)、弊社が加筆した吹き出し部分などがそのポイントと考えており、以降でそれぞれを解説していきます。なお、今回の記事は2022年6月29日現在の情報に基づいています。

1. 割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart6

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart6(1)顧客の効果を記載する

 補助事業の効果を検証する際の切り口として非常に使いやすいのは、かつての近江商人が大事にした「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」という考え方です。

 これは、商売をすることによって、売り手である自社だけがメリットを得るのではなく、買い手である顧客も、さらには世間もメリットを享受することが繁栄の秘訣としたものです。

 このうち当記載例から「買い手よし」つまり「顧客の効果」として読み取れる内容は、上図緑の下線部分であり、具体的には以下となります。

  • 当社がテイクアウトメニューを開発することで、顧客は割烹料理店の味を気軽に自宅で楽しむことができる。

  • 顧客は地元の食材のみを使用した料理を店内、店外で堪能できる。

  • 顧客は料理の内容、値段がより分かり易くなり、気兼ねなく店に入ることができる。

 このように、自社が補助事業を行うことによって顧客が得ることのできる効果を記載することは、採択を引き寄せるポイントとなるのではないでしょうか。

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart6(2)地域の効果を記載する

 公的資金を使うということは、自社と直接的に関係のない方の税金を使うという解釈も成り立ちますから、地域社会に及ぼす効果を記載することも採択にポジティブな影響を及ぼすでしょう。

 当記載例では、青色の下線部分「地域の方々の集いの場である当店」が維持存続できるという効果を述べています。この他に地域社会の効果として、弊社がこれまで見てきた例としては「雇用の場の創出」「当店の利用客増加による近隣店舗の活性化」「当社の納税額の増加」などが挙げられます。

 なお、当補助金は小規模事業者を対象としていますので、その効果が及ぶ範囲は日本全国といった広い範囲ではなく、地域社会といった範囲での効果を検証する方が妥当ではないでしょうか。

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart6(3)数値を用いて記載する

 様々な事業者の計画書を拝見していると、補助事業の効果として、自社の売上や利益の増加を記載するケースが多い印象があります。ですが、単に「増加する」と記載するパターンと「〇〇円増加する」と記載するパターンでは、後者の方がより具体性が高く、説得力が異なってきます。

 当記載例では、割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイント①で見たように<経営計画>「1.企業概要」に現在の業績について以下の記載があります。

 これに対して、今回見ている<補助事業計画>「4.補助事業の効果」では上図に対応させた形で以下の記載があります。

 両者の単位が揃っていないのが残念ではありますが、記載例のように数値で効果を述べることは、採択にポジティブな影響を及ぼすと考えられます。

 なお、このように数値で表すことのできる効果は、概ね自社の効果であり、前述の顧客や地域社会の効果に関しては、困難であると言えますから、無理に数値でこれらの効果を表す必要はないと考えています。

 今回の記事では、割烹料理店の計画書記載例の中で<補助事業計画>「4.補助事業の効果」を取り上げ、採択を引き寄せるポイントとして(1)顧客の効果を記載する、(2)地域の効果を記載する、(3)数値を用いて記載する、を挙げました。

 割烹料理店の計画書記載例を用いた全6回の説明は今回で終了となりますが、各記事のポイントは以下となります。これらの記事が採択を目指す方の参考になれば幸甚です。

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