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持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント①

 同店は都内のベッドタウンに立地し、親子で運営するカフェです。開店は30年以上前であり、かなり繁盛した時期もありましたが、近年は業績が低下傾向となっていました。これを打開するべく看板を制作することとした同店は、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することとし、計画書を作成しました。

 そして、同店は採択の可能性を高めるべく、その計画書をブラッシュアップするためのご支援を弊社に依頼され、結果として当補助金に採択されました。

 今回の記事からは同店の計画書を事例として取り上げ、採択の可能性を高めるために計画書をどのように記載するべきかを述べていきますが、初回の今回は<経営計画>「1.企業概要」を記載する際のポイント見ていきます。

1.持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【企業概要】編

持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【企業概要】編(1)弱みは記載しない

 同店は当欄に「自社の弱み」として立地の分かりにくさを記載していました。よって、それを克服するべく補助事業で看板を作成・設置したいということなのでしょうが、このような「弱みの克服」の方向性での事業展開は、効果は高くないことが想定されます。

 「弱み」は競合と比較して劣っている経営資源ですが、その克服から得られることは競合に追い付く、もしくは追い越すことになるでしょう。よって、それをもって大きな差別的優位性を構築することは時間や手間がかかることが想定されます。

 これに対して「強み」は競合と比較して優れている経営資源ですが、これを活用することは競合にさらなる差をつけることが可能となり、市場での存在感を増すことが可能となります。よって「強み」を活用する方向性で補助事業を立ち上げる方が効果的であり、「弱み」を記載する重要度は高くないことから、その記述は削除していただきました。

持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【企業概要】編(2)書くべき場所に書く

 同店は当欄に「当店の特徴」という見出しを設け、リピーターが多いことや各種イベントを開催していることを述べていました。ですが、これらは同店の「強み」に関する内容であり、同じ<経営計画>にある「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に移動していただきました。

 書くべきことを書くべき欄に書かないと、読み手は混乱し、計画書の内容の理解が滞りがちになります。結果として、計画書の評価はネガティブなものになるリスクが高まってしまいます。まずは、各欄に書こうとしている内容を洗い出し、計画書の構成をデザインして、内容の配置を決める必要があるでしょう。

持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【企業概要】編(3)リアリティを高める

 不採択になってしまう計画書の特徴として、リアリティが低い点が挙げられます。つまり書いている内容が具体的でなく、イメージが浮かびにくいということです。よって、同店には経営者と従業員である親子の写真、店舗の写真、メニューの写真などを盛り込んでいただきました。

 これによって読み手は同店の内容をビジュアルで理解することができ、リアリティも高まることが期待できます。それは計画書を理解しやすくなり、結果としてポジティブな評価に繋がることが想定できるでしょう。

 今回は、持続化補助金で看板を制作した飲食店の<経営計画>「1.企業概要」の内容から、採択を引き寄せるポイントとして(1)弱みは記載しない、(2)書くべき場所に書く、(3)リアリティを高める、を挙げました。次回は「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

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