持続化補助金の対象経費「開発費」の採択で成功した酒販店の事例
酒類市場の縮小や規制緩和による競争の激化により、酒販店は厳しい状況に置かれていますが、ある地方都市に立地する酒販店は、小規模事業者持続化補助金で「開発費」を調達して、業績を大きく復活させました。
今回の記事では同店を事例として取り上げ、どのような取組みで息を吹き返したのか、そのポイントをご紹介していきます。
1.持続化補助金の対象経費「開発費」の採択で成功した酒販店のポイント
持続化補助金の対象経費「開発費」の採択で成功した酒販店のポイント(1)既存商品に着目したこと
令和元年度補正予算・令和3年度補正予算の小規模事業者持続化補助金<一般型>における公募要領には、対象経費として「開発費」の記載があります。
その内容は「新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費」とあり、対象経費例のひとつとして「新たな包装パッケージに係るデザイン費用」が挙げられています。
このような記載から「パッケージの開発は新商品に関するもの」という固定概念を抱いてしまう事業者もいらっしゃるようです。
今回事例として採り上げる酒販店は、売り場の陳列棚に並べている日本酒の販売促進を図るために、パッケージを開発することにしました。具体的には180mlの日本酒が3本入る化粧箱を作成したわけですが、この箱のデザインにかかる費用を当補助金の「開発費」として申請し、採択されました。
このように、既存商品の販促を図るためのパッケージのデザイン費用も当補助金の対象経費となることを踏まえて戦略を練ったことも、同店が業績を立て直したポイントのひとつと言えるでしょう。
持続化補助金の対象経費「開発費」の採択で成功した酒販店のポイント(2)贈答需要を狙ったこと
同店はそれまで、家庭でお酒を消費する需要を取り込もうとして事業展開をしており、家庭で晩酌を楽しみたい中高年の男性が主要顧客でした。ですが、当補助金で開発したパッケージは贈答用の需要を主眼に置き、幅広い層をターゲットにしました。
特にバレンタインデーや父の日に贈答品として利用されることを想定した結果、それまでのメインターゲットである中高年の男性以外の、比較的若い男性や女性も同店の顧客として開拓することが可能になりました。
このように異なる需要も対象として、顧客層を広げることができた点も、同店が業績を立て直したポイントのひとつと言えるでしょう。
持続化補助金の対象経費「開発費」の採択で成功した酒販店のポイント(3)事業者も狙ったこと
同店は、業務用として居酒屋やスナック・クラブといった店舗にもお酒を配達していましたが、特にスナックやクラブに配達する際には、当補助金で開発した180mlの日本酒が3本入ったパッケージを持参し、店舗の経営者やスタッフに、顧客が誕生日を迎えた際のプレゼントとして使うことを提案しました。
これにより、相当数の店舗がこの提案を採用し、顧客の固定化に活用しました。このような提案型の営業は、お酒を配達する際に併せて実施しましたので、新たな負荷も大きくなく、店舗とのコミュニケーションも深まるという効果もありました。
このように、メインターゲットである一般消費者だけでなく、クラブやスナックといった事業者もターゲットとして提案型の営業を行った点も、同店が業績を立て直したポイントのひとつと言えるでしょう。
今回の記事では、持続化補助金の「開発費」を活用して成功した酒販店のポイントとして(1)既存商品に着目したこと、(2)贈答需要を狙ったこと、(3)事業者も狙ったこと、を挙げました。持続化補助金の活用方法のひとつとして参考になれば幸甚です。
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