持続化補助金「公募要領」から読み解く採択を引き寄せるポイント⑤
補助金申請のルールブックである公募要領ですが、当然小規模事業者持続化補助金においても公募要領が公表されています。それには、どのような観点から審査が行われるのかという「審査の観点」というページがあり、その内容は「Ⅰ.基礎審査」「Ⅱ.加点審査」「Ⅲ.政策加点審査」から構成されています。
当サイトでは、過去4回にわたって「Ⅰ.基礎審査」「Ⅱ.加点審査」の内容から採択を引き寄せるポイントを述べてきましたが、今回は「Ⅲ.政策加点審査」のポイントを見ていきます。
1.持続化補助金「公募要領」から読み解く採択を引き寄せるポイント
持続化補助金「公募要領」から読み解く採択を引き寄せるポイント(11)電子申請を行う
「Ⅲ.政策加点審査」に記載された項目は、以下の9つになっています。
①パワーアップ型加点、②赤字賃上げ加点、③経営力向上計画加点、④電子申請加点、⑤事業承継加点、⑥東日本大震災加点、⑦過疎地域加点、⑧災害加点、⑨事業環境変化加点
上記各項目の条件に当てはまっていれば自動的に審査で加点されることになっていますが、その条件を自ら満たすことが可能な項目もあり、その最たるものは「④電子申請加点」です。
当補助金の申請方式は、郵送とインターネットの2方式があります。そのうち、インターネットを用いた申請を「電子申請」と呼んでおり、この方式で申請すれば加点になるのが電子申請加点です。同じ申請をするにしても、申請の方式によって加点になるわけですから、これを活かさない手はありません。
「ネットを用いた補助金の申請は面倒くさいのではないか」という懸念を抱く方もいるかもしれませんが、やってみるとさほど困難ではないことが分かります。実際に弊社が当補助金の申請についてご支援した事業者様の中には、パソコンを苦手としていた方もいらっしゃいましたが、そのような方でも電子申請をおひとりでこなしたケースは多数あります。
なお、電子申請をする場合は、行政が発行したID(GビズIDプライムアカウント)の取得が必要です。これを得るには行政に申請してから数週間が必要とされていますので、未取得の方は早めの対応が必要です。
持続化補助金「公募要領」から読み解く採択を引き寄せるポイント(12)経営力向上計画の認定を得ておく
経営力向上計画は、人材育成・コスト管理・設備投資などを通じて自社の経営力を向上するために策定・実施する計画であり、策定した計画を行政に提出し、審査の結果認定された事業者は、税制や金融の支援などを受けることができます。
この認定を受けると、当補助金の申請時に加点となるのが「③経営力向上計画加点」です。当該計画の内容は、当補助金申請時に作成する<経営計画><補助事業計画>に流用可能なものですので、事前準備としては効果的と言えます。
計画の策定は、インターネットなどで策定方法の情報を得てご自身で作成する方もいますし、商工会や商工会議所のサポートを受けながら作成する方もいますが、決してハードルが高いものではありません。
ただし、行政に経営力向上計画を提出してから認定が得られるまでひと月程度はかかること、下図のように受付締切回によって、認定日の期限が設けれらている点に注意が必要です。
上図によると第10回に応募する方が、経営力向上計画加点を得るには、2022年3月31日までに認定を得ておかなければならず、これから経営力向上計画を作成しても間に合わないことになります。
持続化補助金「公募要領」から読み解く採択を引き寄せるポイント(13)事業環境変化加点を申請する
公募要領には「⑨事業環境変化加点」の説明として「ウクライナ情勢や原油価格、LPガス価格等の高騰による影響を受けている事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点(= 事業環境変化加点 )を行います。」とあります。
よって、上記の要因によって仕入れ価格が高騰して、収益性が低下しているような方は、この加点を狙うべきですが、仕入れ価格高騰の影響を受けた方だけが、当加点項目の対象となっているわけではありません。
着目すべきは「原油価格の高騰による影響」であり、ガソリン代が高騰して経費が嵩んでしまった事業者も対象になると読めます。お仕事で車を使う方は多数いるはずですので、この観点から考えると、多くの方が当加点項目の対象となるはずです。
ただし、その影響の度合いは計画書に記載することになっており、内容によっては加点を得られないかもしれないことに注意が必要です。
政策加点項目は、その項目を利用したらどの程度加点されるのかは公表されておりませんので、採択の可能性を少しでも高めるために、可能な限り多くの加点項目を活用していただければと思います。
今回を含めて5回にわたって、持続化補助金「公募要領」内「審査の観点」の記載内容を踏まえた採択のポイントを述べてきましたが、これらを一覧にしたものが下図となります。これから採択を狙う方の参考になれば幸甚です。
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